
古くはブラームスがバッハのシャコンヌを左手で演奏する作品に編曲し、その後ゴドフスキー(ゴドウスキ)が左手の技巧を披露する作品を生み出しました。
さらに第一次世界大戦で右手を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタインが著名な作曲家に依頼して数多くの楽曲が作られるなどしました。
片手だけで演奏しているとは思えない音の深みを是非味わってみませんか?
舘野泉 左手のピアノシリーズ
舘野泉 左手のピアノシリーズ/吉松隆 3つの聖歌・子守歌・4つの小さな夢の歌
音楽之友社
作曲:吉松隆 《3つの聖歌》は、左手のピアノためのアンコール・ピース集として2005~06年に編曲。シューベルトの〈アヴェ・マリア〉は、「湖上の美人」という詩の一節につけられた歌曲。カッチーニの〈アヴェ・マリア〉は、20世紀後半から愛奏されるようになった曲。〈フィンランディア賛歌〉は交響詩《フィンランディア》の中間部で登場する聖歌。 《子守歌》は、2003年にピアニスト田部京子のCDのために書き下ろした小品で原曲はピアノソロ。3手連弾版は2004年秋、美智子皇后陛下と舘野泉の連弾のため編曲。 《4つの小さな夢の歌》は、ラジオや舞台など色々な機会に書いたメロディを4つ拾い集めたミニ版「四季」。さまざまな楽器で演奏されているが、この3手連弾版(低音部:左手、高音部:両手)は2004年から05年にかけて舘野泉の依頼で編曲。
舘野泉 左手のピアノ・シリーズ/吉松隆 アイノラ抒情曲集/ゴーシュ舞曲集
音楽之友社
吉松隆が敬愛するシベリウスとピアニスト舘野泉に捧げられた《アイノラ抒情曲集》は、7つの小品からなる。アイノラ莊の自然がイメージされ、北欧の空気や花、森と湖、遠くから聞こえる教会の鐘の音などがモチーフになり、可憐で透明な抒情が溢れている。 《ゴーシュ舞曲集》の「ゴーシュ」はフランス語で「左手」のこと、《アイノラ》と対照的な性格の「ポップでリズミカルなダンス舞曲集」で、全4曲からなる。ロック、ブルース、タンゴ、ブギウギと、ジャンルをまたがって、「なんでもあり」のノリのいい世界が繰り広げられる。
舘野泉 監修/左手のためのピアノ作品集
音楽之友社
2010年にデビュー50周年を迎える舘野泉の監修による、左手のために書かれたピアノ作品集。本書はこれまで同シリーズで刊行していた委嘱作ではなく、もともと左手のために書かれ、舘野が演奏会でレパートリーとしているものから作品をピックアップ。演奏活動復帰のきっかけとなったブリッジの《3つのインプロヴィゼーション》をはじめ、バッハ/ブラームスの《シャコンヌ》、スクリャービンの《2つの小品》作品9などを収録。
国内楽譜 片手でピアノ
J.S.バッハ 左手のための24の小前奏曲
バカンス・ミュジカル
J.S.バッハ《左手のための24の小前奏曲集》は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750)が鍵盤楽器のために作曲した珠玉の小品を、左手によるピアノ演奏用の中級レベルの楽曲として各巻6曲づつ、全4巻をまとめて編曲・編纂した曲集です。
レーガー、西森久恭:シャコンヌ 作品117 第4番
合同会社ミューズ・プレス
ドイツ音楽史においても得意な位置を占めるレーガー。彼がバッハに影響を受けて書いた「無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ」を新進作曲家の西森久恭が左手ピアノ用にアレンジ。
輸入楽譜 片手でピアノ
アレンス:片手のピアノ 第1巻: 左手、右手のための40の小品集
ブライトコップ & ヘルテル
近年注目を集めている片手のための曲集。エチュードから初中級レパートリーまで、編者によるオリジナル曲からバッハ・モーツァルト作品のアレンジ等様々な小品を集めています。
左手のためのピアノ曲集/Morgan編
カール・フィッシャー
左手の技術的な強化だけでなく、リサイタルでの演奏などにも。ゴドフスキーのショパン編曲などの定番の名曲から、バルトークの「左手のための練習曲」やコリリアーノの「左手のための練習曲第1番」といった現代的な作品まで幅広く収載しています。
片手でピアノ 関連書籍
左手のコンチェルト 新たな音楽のはじまり 舘野泉/著
佼成出版社
左手だけの演奏で奇跡の再起を果たしたピアニスト・舘野泉。 その1000日間の心の葛藤と、絶望の淵からつかんだ〝新たな音楽〟と人間讃歌を謳いあげたもの。 音楽ファンだけではなくハンディを抱える人、生き方に迷った人たちに生きる勇気と希望を与える一冊。








