
【3分で読める!サクッと伝記#02】 ジョルジュ・ビゼー
クラシック音楽の名作を生み出した作曲家たちを、3分程度で読み切れる短い伝記としてご紹介します。しかし、どの人物もその人生を3分で語り尽くすことはできません。今回は代表的な9つの視点に絞ってご紹介しますが、より深く知ることで演奏にも大きな違いが生まれる瞬間があるでしょう。もしこの記事に物足りなさを感じたり、さらなる背景が知りたいと感じた場合、それは「学びの扉が開いた瞬間」とも言えます。ぜひご自身でさらに深く追求してみてください。 本シリーズでは、選曲や演奏に役立つ小さな手掛かりとなるように、そしてご自身の深い学びのきっかけとなるようご紹介していきます。第2回目で取り上げる作曲家は「ジョルジュ・ビゼー」です。 1.誕生と家庭背景 ジョルジュ・ビゼー(1838-1875)は、フランスの作曲家。父はもとは理髪師でしたが、音楽好きで音楽家に転身し、声楽教師や作曲をしていました。母は音楽一家の生まれで、優秀なピアニスト。ビゼーも幼少期から音楽の才能を見せていました。 2.パリ音楽院での学び ビゼーは10歳を前に、一流の音楽家が通う名門「パリ音楽院」に入学しました。在学9年間の間に、ピアノ・オルガン・作曲を中心に音楽を学びました。ピアノやオルガンの演奏では賞を受賞するなど高い評価を受け、音楽院では優れた成績を収めました。 3.初期のオペラ作品 ビゼー最初のオペラは「ポロネーズ」(1855年)で、若き日に作曲しました。若いころは作曲家としてなかなか評価を受けることがなく、音楽業界での成功は遅れましたが、オペラを中心に活躍し徐々に名声を高めていきました。 4.代表作「カルメン」 1875年に初演されたビゼーの代表作 オペラ「カルメン」は、スペインを舞台にした情熱的な物語です。 初演当初はあまり評価されませんでしたが、現在では世界中で愛される名作です。 5.オペラ形式の革命 オペラ「カルメン」は革新的な音楽で自由奔放なヒロインを描いており、オペラの形式に大きな革命をもたらしました。しかし当時は従来の伝統的な形式を期待する観客が多かったため、それが初演の低い評価の要因となりました。 6.多才な作曲家 ビゼーはオペラを中心に活躍しましたが、交響曲、ピアノ曲などでもすぐれた作品を残しています。異国の雰囲気が感じられる、民族的な要素を取り入れた作風が特徴的です。 7.組曲「アルルの女」 「アルルの女」は、オペラ「カルメン」にならぶ代表作です。同名の短編小説『アルルの女』を上演するための付随音楽として作曲されました。一般的には、この付随音楽から編曲された2つの組曲が広く知られています。 8.早すぎた死 ビゼーは36歳という若さで病に倒れ、この世を去りました。それは代表作「カルメン」の初演から3か月後のことでした。そして初演の評価が低かった「カルメン」がその後大成功をおさめたのは、亡くなってから4か月後のウィーン公演でした。 9.作品の再評価...