ブレイク・エドワーズ監督、オードリー・ヘプバーン主演のアメリカ映画『ティファニーで朝食を』（1961年）の劇中でヘプバーンが歌い、大ヒットしたバラードの名曲。

　吹奏楽用のアレンジはこれまでにもいくつか出ているが、この楽譜はヴォーカル・ソロまたは楽器のソロとバンドのためにアレンジされ、ソロ楽器は選択可能、という点がユニークだ。ハル・レナードからすでに出版されている《ガブリエルのオーボエ》や《ニュー・シネマ・パラダイス》と同様のコンセプトの楽譜で、それらとほぼ同じく、ソロ・パートはフルート、オーボエ、クラリネット、アルト・サクソフォーン、トランペット、ホルンで演奏できるようになっているが、ホルンがソロ楽器として加えられたのは、このシリーズでは初めて。テナー・サクソフォーンのソロも非常に効果的で（アルトと同じ音域で演奏可能）、また音域を１オクターヴ下げてバスーン、バス・クラリネット、バリトン・サクソフォーン、トロンボーン、ユーフォニアムなどで演奏してもよい。つまりバス・パート以外のほとんどすべての楽器でソロが可能なわけである。普段あまり目立たない楽器をフィーチャーするよい機会にもなるだろう。曲中でソロが交替しても面白い。

　アレンジは非常に美しく繊細で、特にハーモニーの聴かせどころが多い。バンドの編成はほぼ標準的だが、あまり多くの人数は必要ないだろう。<解説: 後藤洋>



Series: Young Concert Band

Grade: 3

Performance Time: 3:30 MANCINI, HenryMoon River, arr. for Vocal Solo with Band/Arr. Brown: Full Score & PartsHal Leonard Corporation