すでに出版されていたグレード0.5の佳作４曲を、そのままコンサートのプログラムとなるように１冊にまとめた曲集で、以下の４曲が含まれている。

①シェイファー作曲《スターバースト・ファンファーレStarburst Fanfare》（2010）

②スウェアリンジェン作曲《英雄たちと栄光Heroes and Glory》（2007）

③スミス編曲《静まれ、わが魂よBe Still My Soul》（2010）

④グライス作曲《時計が12時を打つ12 The Clock Strikes》（2009）



①はコンサートのオープニングにふさわしい堂々としたファンファーレ。②は①と同様にシンプルで力強い音楽だが、よりメロディックな作品。③は賛美歌（シベリウスの《フィンランディア》の中間部に用いられている有名な旋律）の、非常に美しい編曲。④はウェストミンスター寺院の鐘の音（これも有名）をモティーフにした、ユーモラスな曲である。いずれも、各楽器１パート、それぞれの楽器の音域は６度以内、使用する音符は全音符、２分音符、４分音符、８分音符のみ、順次進行を中心として跳躍は５度まで、という、グレード0.5の原則をしっかり守っており、すべての楽器に必ず主役が回ってくるように配慮されている。初級者の導入教材として非常にすぐれた内容であり、ピアノ・スコアを兼ねたキーボードのパートもあるので、指導の際に音を確認したり、足りない音を補ったりすることもできる。

　基本の確認を兼ねて上級者が取り組んでもよい。特に《静まれ、わが魂よ》は練習曲としておすすめだ。打楽器に多くのメンバーが必要な曲もあるので、場合によっては上級生が一緒に演奏してあげてもよいだろう。

<解説: 後藤洋>





Grade: 0.5

Series: Sound Foundations

Performance Time:

- Starburst Fanfare: 1:36

- Heroes and Glory: 1:28

- Be Still My Soul: 2:44

- 12 The Clock Strikes: 1:28 Our First Band Concert: Score & PartsC. L. Barnhouse Co.