グレード１の作品。音域は各楽器１オクターヴ以内で、クラリネットはまだレジスター・キイを使用しない。グレード0.5と異なり、細かいアーティキュレーションの指示や、臨時記号も出てくる。やはり使われているのは８分音符までだが、この曲ではシンコペーションのリズムが多用されているのが特徴。原曲はアメリカの童謡で、タイトルの“Li’l”はLittleの短縮形。

　この曲のセールス・ポイントは、バンドの中のすべてのパートがフィーチャーされていること。全員で歌の旋律をテーマとして演奏した後、フルート＆オーボエ、クラリネット、トランペット、サクソフォーン＆ホルン、トロンボーン＆ユーフォニアム＆低音木管群＆テューバの順序で、それぞれの楽器またはグループが１小節だけ主役として顔を出す。これらの楽器はソロでも、またパート全員でもよい。全員がソロを体験できるよう、日によってソリストを交替するのもよい練習になるだろう。また、ホルンや低音木管楽器など、目立ちにくい楽器にスポットライトを当てるチャンスにもなる。打楽器パートからは、タンブリンとカウベルがやはり１小節ずつソロで演奏する。

　ソロの体験に加え、リズムやアーティキュレーションの表現、主役と脇役の交替など、平易な技術を使いながらさまざまな勉強ができる曲。１年生部員にぜひ取り組ませたい。かなりの少人数でも演奏可能だ。<解説: 後藤洋>




Grade: 1

Performance Time: 2:00

Series: Belwin Beginning Band Li'l Liza Jane/Arr. Story: Score & PartsAlfred Publishing Co., Inc.