フォード：ディロンの飛翔: スコアとパート譜セット 【輸入：吹奏楽】

　ニューヨーク州フェニックスのエマーソン・J. ディロン・スクールの委嘱で作曲された、ダイナミックで活力に満ちた作品。この学校のマスコットは--その所在する都市の名も関係していると思われるが--伝説の不死鳥フェニックスで、作曲者フォードは太陽に焼かれても再生し、力強く飛翔するその姿を音楽で描いた、と述べている。タイトルは、学校名をフェニックスに置き換えた結果のようで、ディロンという名の動物も、伝説上の生き物も、実際は存在しない。

　力強いファンファーレ風の導入部で全曲を支配するテーマが呈示され、続く4分の６拍子の軽快な主部ではそのテーマが伸びやかな旋律となって発展する。この部分はカバサ、ハイ・ハット・シンバル、コンガなどがリズムを刻み、旋律もシンコペートされるので、ラテン・テイストのポップ・ミュージックの趣き。やがてオーボエ（フルートで代替可）のソロが先導する抒情的な場面となり、その後主部が再現、エネルギーに溢れたエンディングに突き進む。コンサートのオープニングに、また明るいキャラクターのバンドにはコンクール自由曲としてもおすすめだ。

　シンセサイザーが編成に加えられており、コーラスとハープ（２台用意できる場合はそれに加えてコントラバス）の音色が指示されている。これは省略可能だが、コンクールの規定で電子楽器が使用できない場合は仕方がないものの、事情が許せば加えてみると面白いだろう。８人ほど必要な打楽器のメンバーをやりくりすれば、30～35 名程度で演奏できる。(解説: 後藤洋)



2015年ALF吹奏楽新譜
Grade 3
Time 5:07 FORD, RalphDillon's Flight: Score & PartsCpp / Belwin, Inc.