イギリス陸軍音楽隊が1994年に再編成されてから20周年になるのを記念して2014年に作曲された作品。耳慣れないタイトルは、音楽隊のモットーであるラテン語のNulli Secundus の英訳。日本語に直すと「２番目は無い」。つまり「常に１番であれ」という意味である。

　マエストーソの序奏にヴィヴァーチェの主部が続く、という構成だが、主部は序奏の倍のテンポなので、実際には終始一貫してテンポが変わらないように聴こえる。序奏ではその中間部分にイギリス陸軍音楽隊の公式マーチ２曲が部分的に引用されており、そのため序奏だけでもかなり長い。ただ、中間部分を削って短縮版の序奏とする案も作曲者自身によって示されている。

　音楽的には、祝祭的な雰囲気に溢れたプロセッショナル風のコンサート・マーチ、と性格づけてよいだろう。軍楽隊のための作品らしく、武張った気分が支配的ではあるものの、ヴィヴァーチェのふたつの主題はいずれもスパークらしい美しく伸びやかな旋律で、これらの効果的な対比と曲全体を包み込む格調の高さは、エルガーの《威風堂々》にも通じるイギリスの伝統を感じさせずにはおかない。コンサートのオープニングに、また式典での演奏におすすめだ。ただし、あまり休みの場面がなく、金管はかなりの体力と技術が必要。　編成は標準的で、打楽器は５名。イングリッシュ・ホルンのパートがあるが、これは省略しても問題ない。バンド全体で40名程度から無理のない演奏が可能である。(解説: 後藤洋)



出版元は Anglo Music Press
Grade 5

Time 6:42

編成は以下の通りです。


FULL SCORE x 1

PICCOLO/FLUTE x 1

FLUTE x 4

OBOE x 1

ENGLISH HORN x 1

EB CLARINET x 1

BB CLARINET 1 x 5

BB CLARINET 2 x 5

BB CLARINET 3 x 5

BB BASS CLARINET x 1

BASSOON x 2

EB ALTO SAXOPHONE 1 x 2

EB ALTO SAXOPHONE 2 x 2

BB TENOR SAXOPHONE x 2

EB BARITONE SAXOPHONE x 1

BB TRUMPET 1 x 2

BB TRUMPET 2 x 2

BB TRUMPET 3 x 2

F HORN 1 x 1

F HORN 2 x 1

F HORN 3 x 1

F HORN 4 x 1

TROMBONE 1 x 2

TROMBONE 2 x 2

TROMBONE 3 x 2

EUPHONIUM x 2

BB EUPHONIUM TC x 2

TUBA x 4

DOUBLE BASS x 1

TIMPANI x 1

SNARE DRUM x 1

BASS DRUM x 1

CYMBALS x 1

GLOCKENSPIEL x 1 SPARKE, PhilipSecond to None: Score & PartsHal Leonard Corporation