たかがバラード、されどバラード・・・

ジャズ・バラード．．．絶滅危惧種

かつて、今よりももっとロマンティックであった時代には、一般にバラードとして解釈され、また演奏される、美しいラヴ・ソングが数多くありました。しかし現在では、ジャズ・バラードの解釈に優れたプレイヤーは徐々に減少してきています。

ジャズ・バラードの優れたプレイヤーが少なくなるにつれ、このコンセプトはあまり一般的ではなくなりました。しかし、ジャズ・バラードは、聴く人の奥深い感情へ到達し、音楽を最高のレヴェルへと引き上げる多くの可能性をもっています。本書は、読者が多彩で複雑な音楽的概念を完全に理解して身につけ、その結果として、音楽から世界へのもっとも美しく、感動を与えてくれる贈りもの、つまりジャズ・バラードを、最終的に自分のものとすることができるようにという望みをもって書かれたものです。

Jerry Coker のイメージをかき立てるバラード・パフォーマンスを創り出す能力は、高く評価されています。また、Jerry に学んだ多くの生徒は、彼がジャズ・バラードに対する独自の理解を他の人と分かち合う能力にも長けていることを知っています。

究極の表現力を身につける ザ・ジャズ・バラードは、高度な理解とより優れたパフォーマンスへ至るために必要なトピックや活動をとおして、読者を段階的に導く総合的な研究書です。トピックには、曲の選択基準、変更の可能性、バラードの演奏におけるリズム・セクションのコンセプト、イントロダクションとエンディングのオプション、メロディとその後のインプロヴィゼイションに対する適切なアプローチ、さらに精神的、態度的準備に関する考察が収録されています。

付属CD には、ヴォーカルによる曲の実例、イントロダクションの実例などの模範演奏の他、バラードには適切ではない演奏とその回避のしかたを収録してあり、バラードの演奏は難しいと考えているプレイヤーにも理解しやすい内容になっています。