ファンク、ソウル、フュージョン、 R & B、ジャズ などのファンキーでグルーヴィーな音楽をCDと一緒に演奏することはとても楽しいことです。本書および２枚のCDは、実際に、ジャズ以外のバンドでプレイしているアマチュア（あるいはプロ）・プレイヤーに、特にBrecker Brothers、Crusaders、Gerald Albright、Maceo Parker、Yellowjackets などが好きなプレイヤーにお勧めする本物のファンク・エチュード（楽譜とCDのセット）です。

このシリーズの４つのヴァージョン（Bb、Eb、C、バス・クレフ インストゥルメンツ）に添付のCDに収録された模範演奏は、ドイツのサックス・プレイヤーPeter Wenigerのトリオによってレコーディングされたアルバム Legall Paradizer のもので、もともと教育的な目的で創られたものではありません。この市販CDから、後に楽譜とプレイ・アロングCDを学習用マテリアルとして制作したものです。つまり、多くのプレイ・アロング教材のように練習用の曲をあらかじめ創ったものではなく、ミュージシャンが本気で演奏した音楽がそのまま教材になっているのです。著者による模範演奏（市販CDのアルバムにおける演奏）と、プレイ・アロング・トラックが、それぞれ２枚のCD(共通) に収録してあります。

各曲ごとに簡単な解説がありますが、いずれの曲も難易度は高めなので、中級～上級者（楽器のスキルに自信がある、速いテンポでも細かい16分音符が読譜できる、リズムに自信があるプレイヤー）向きです。インプロヴィゼイションの練習に使う場合は、さらにハーモニック・セオリーを理解している必要があります（本書の曲解説では、ハーモニック・セオリー的なことはほとんど含まれていないため）。ただし、本書の特徴として、ファンク・リズム（グルーヴ）の上で演奏する楽しさを体感できるので、初級者でもリズムを集中的に鍛える目的で使用することは可能です。


著者：Ｐｅｔｅｒ　Ｗｅｎｉｇｅｒ