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コレルリ トリオソナタ 第9番

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コレルリ トリオソナタ 第9番

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★スコア冊子・・・A4サイズ 16ページ
  ・曲目解説
  ・アルトリコーダー運指表
  ・伴奏譜(スコア)
  ・アルトリコーダー運指表

★別冊パート譜(1冊) 8ページ

★付属CD 内容
  (1)各楽章の伴奏
  (2)各楽章のマイナスワン演奏
  (3)伴奏にリコーダー演奏を合わせた演奏例
  (4)各楽章につき(1)と異なるテンポによる伴奏をいくつか収録
  (5)上級者向け「バロックピッチ(A=415Hz)」による伴奏
   ※チェンバロ伴奏演奏はすべて石田誠司(デジタルサンプリング音源使用)

★収録曲の難易度(指回り難度) 
  第1楽章 C1
  第2楽章 C1
  第3楽章 A2
  第4楽章 C2

トリオソナタ 第9番 作品1-9

★この曲を収録したCDつき楽譜★
2181 リコーダー用 1600円+税
RG-181 リコーダー用 900円+税
SR-092 リコーダー用 3800円+税

★解題★

 イタリアバロック最高の作曲家と目される作曲家・コレルリ(コレッリ)は、4冊・48曲にのぼる「トリオソナタ」を残しました。これらは元々は2丁のヴァイオリンと通奏低音のための作品ですが、アンサンブル曲として洗練された書法の、平明にして滋味あふれる作品ばかりです。言い換えれば「ヴァイオリンに密着した書法で華麗な演奏技巧を披露する」ような音楽(作品5のヴァイオリンソナタ集には多少そういう要素もあります)とは対極にあるわけですから、他のいろいろな楽器で演奏する可能性も大きなものになっています。

 ところで、コレルリが残してくれた6冊・72曲の出版作品が、いずれも珠玉の名品ぞろいであることは、あらゆる音楽家や音楽愛好家が一致して認めるところです。そして、そのうち実に3分の2を占めるのがトリオソナタなのです。いかにコレルリがこの形式を重視し、また愛していたかがわかるでしょう。

 それなのに、意外にもこれらのトリオソナタが演奏されたり聴かれたりする機会は、たいへん少ないのです。CDとして発売されている録音も、たとえば作品5のソロソナタ集に比べても格段に少なくて、とうてい多いとは言えません。ならば演奏会はどうかというと、ヴァイオリン奏者2人と通奏低音という編成での演奏会があまり多くないということもあって、やはり、名曲であるわりには聴く機会がありません。

 もっとも、「公開演奏会用」の音楽ではなく「身近な場所で身近な人たちとともに楽しむ」ための作品だったのですから、演奏会のプログラムに載ったりCD録音がされたりが少ないのは、元来どうでもいいことかも知れません。しかし、ならば、アマチュアのヴァイオリン奏者さんたちが、これを演奏して楽しんでいる例がどれほどあるのでしょうか?・・・・・・残念ながら、「そんなことをしている人たちは絶無に近い」というのが現実でしょう。

 「なんだ、誰も演奏しないし誰も聴かない曲なのか。要するに、つまらない曲だってことじゃないの?」

 とんでもない。 コレルリのトリオソナタは人類の至宝です。それなのにアマチュア愛好家にさえあまり演奏されていないのはなぜかといえば、たとえば、

 1 弦楽器奏者さんたちにとっては、所属しているアマチュア管弦楽団での活動が主な楽しみ方になっていることが多いのだろう
 2 アマチュアのチェンバロ奏者が滅多におらず、またヴァイオリン愛好家との接点も少ないのだろう
 3 小規模アンサンブルで遊ぶなら弦楽四重奏など鍵盤抜きの編成の方が格段に手軽だし、なじみ深い古典・ロマン派の名曲も多いので、多くの弦楽器奏者さんたちはその方が好きなのだろう

など、いろいろと考えられます。まぁ理由はともあれ、とにかく現状は、これほどの名作群が演奏される機会も聴かれる機会もたいへん少ないままになっているのです。

 そこで、「せっかくの名作がもったいない。ヴァイオリンの皆さんがご不要ならば、喜んでリコーダーにいただきましょう」というわけで、皆様に「ぜひ」と、お勧めする次第です。


 余談ですが、そもそも、イタリアバロック音楽全体がこういう目にあっていると言えます。実はここにこそ最高の音楽がある。なのに、そのことを知っているのはリコーダー愛好家だけである。----まぁ、それで良いのかも知れませんけど。



★解説★

楽しさ抜群で、作品1のなかでも屈指の名作だと言えるでしょう。

第1楽章は、アレグロ、4分の4拍子のファンファーレふうの序奏で始まります。本当はアゴーギクを自由にとって演奏したいところ。続いてアレグロ・4分の3拍子の主要部があり、再び序奏の音楽を挟んでから、アダージョのコーダがあるという独特の構成です。

第2楽章は、アレグロ、4分の4拍子で、フーガふうの構成になっています。まず第1リコーダーがテーマを提示、第2リコーダーが応答、低音が再提示すると、もう1度第1リコーダーが応答を始めると見せてそのままの流れで美しいゼクエンツに入り、このへんからしばらく展開のような部分になります。テーマがゼクエンツを導くようなことが何度かあったあと、最後にもうひとしきりテーマの提示・応答が、今度はストレッタで行われてから簡潔な収束となります。

第3楽章は、アダージョ、2分の3拍子で、3声部が声を揃えて進む場面が多く、コラールを思わせるような音楽です。第2リコーダーが休む箇所が後半になるとさりげなく置かれていて、そのシンプルな響きがまたたいへん印象的です。

第4楽章は、アレグロ、4分の3拍子です。力強い上行分散和音を基調とするテーマが第2リコーダーにより示されると、第2リコーダーが属調(ニ長調)で応答し、さらにト長調で通奏低音がテーマを奏するフーガふうの始まりかたですが、その後は同度カノンふうの処理や下降分散和音を用いたモチーフなどを織り交ぜて自由に音楽が進み、一度属和音で終止してから、アダージョのエピソードを挟みます。再びアレグロとなってからは、おもに下降分散和音のモチーフを扱い、やがて再び属和音に終止。そして、アダージョのコーダで全曲をしめくくります。

A. コレルリ
~~イタリアバロックの巨星~~

★モーツァルトと並ぶ天才★

 アルカンジェロ・コレルリ(Arcangelo Corelli)は1653年にイタリア北部の、ボローニャに近いフジニャーノという町に生まれた、バロック中期のヴァイオリニスト・作曲家です。少年時代にボローニャでヴァイオリンを学び、17歳のときにはアカデミア・フィルハモニカ(音楽協会)の会員と認められました。この音楽協会はずいぶん権威のあるもので、栄誉ある会員になれるのは20歳以上が原則でした。例外的に10代で入会が認められたのは長い歴史のなかでもたった二例で、その初ケースがコレルリ(そしてもう一人は、100年ほど後の少年作曲家・モーツァルト、当時14歳!)でした。


★コレルリとヴァイオリン★

 もう一つ忘れてはならないのは、コレルリが活躍した17世紀末というのはストラディヴァリウスほかの名工たちが、今日もなお越えることのできないすばらしいヴァイオリンを製作するようになった時代だったことです。天才的楽器製作者たちがヴァイオリンという楽器をかつてない美しい音色の楽器へと完成していく時代にあって、ヴァイオリニスト・作曲家として輝かしいイタリアヴァイオリン音楽の歴史を切り開いたのがコレルリなのです。


★寡作の天才★

 コレルリはバロック時代の作曲家としては多作な人ではなく、生前に出版された最後の作品が、「作品5」の12曲から成るヴァイオリンソナタ集でした。それ以前にはトリオ・ソナタ集(各12曲)を4つ出版しています。そしてこの時代の作曲家にはめずらしくミサその他の教会用合唱曲などは残っていません。ヴァイオリンの名手としてヴァイオリンを中心とするアンサンブル曲の作家に徹した人だったのです。

 死ぬ前にコレルリはそれまでに出版した60曲以外の作品の楽譜をすべて廃棄した(遺言で破棄させた)と言われています。それほど自己に厳しい芸術家だったのです。それらの中にはきっと私たちにとって十分に価値のあるすてきな作品がたくさんあったに違いなく、もったいない限りですが、それだけに残された作品はどれも完成度が高い珠玉の名品ばかりだというのが音楽好きの一致した意見です。


★晩年のコレルリ★

 晩年、コレルリはヘンデルと出会い、ヘンデルのオラトリオの演奏なども手がけていましたが、1708年ごろの活動を最後に演奏家としては引退し、最後の作品・合奏協奏曲の作曲に没頭して、苦心の末に12曲の協奏曲を仕上げました。しかしその出版を目前に控えてしだいに衰弱が激しくなり、1713年に亡くなりました。遺作となった作品6の合奏協奏曲集はいずれ劣らぬ佳品ぞろいで、とくに「クリスマス協奏曲」のあだ名で親しまれている8番は有名です。

収載曲

[1] トリオソナタ 第9番
  作曲: コレルリ
  編成: 2本のアルトリコーダ

商品詳細

発売日 2017/1/1
ページ数 16
JAN 4571325246726
ISBN 9784862665232
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