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RB-041 テレマン 装飾範例つきソナタ 第12番 変ホ長調

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RB-041 テレマン 装飾範例つきソナタ 第12番 変ホ長調

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★冊子・・・A5サイズ 28ページ
  ・リコーダーパート譜
  ・伴奏譜(スコア)
  ・曲目解説

★CD・・・1枚
  収録内容
  (1)各楽章につきモダンピッチ(A=440Hz)の伴奏
  (2)各楽章につきバロックピッチ(A=415Hz)の伴奏
  (3)各楽章につきリコーダーの演奏を合わせた演奏例
  (4)ボーナストラックとして各楽章につき(1)と異なるテンポによる伴奏をいくつか収録
   ※チェンバロ伴奏演奏はすべて石田誠司 (デジタルサンプリング音源使用)

★解題★

 『装飾範例つきソナタ集』は、緩徐楽章について、作曲者自身が装飾のお手本を示して、アマチュアの学習の便に供しようというコンセプトのソナタ集です。第1番~第6番が「ヴァイオリンまたは横吹きフルート用」(1728年)、第7番~第12番が「横吹きフルートまたはヴァイオリン用」(1732年)として、いずれもハンブルグで出版されました。
 そういうわけで、残念ながらアルトリコーダー用の版は伝わっていません。しかし、使われている音域をみると、最高音がかなり低めに押さえられており、3度ほど高く移調してアルトリコーダーに転用することをきっと視野に入れていたろうと推測できます。いずれにせよ、いつもアマチュア愛好家の必要に応えようとしていたテレマンならではのアイデアが形になった、すばらしい作品集です。


★解説★

 第1楽章はアンダンテ(歩くように)、4分の4拍子で、この楽章にテレマンによる「装飾範例」が付記されています。速いテンポではありませんが、わりにさっさか進む感じの音楽です。最後に印象的なフェルマータを挟んで収束します。装飾のほうは、旋律を多彩なリズム分割によって細かく縁取っていくおもむきものものです。

 第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の3拍子です。シンコペーションを利かせて弾むような運動性を持つテーマに始まり、かろやかな分散和音のゼクエンツ、そして大きな跳躍により2声で描く副主題が導入され、くるくると旋回する16分音符のモチーフを活用して前半をしめくくります。後半部は展開の音楽のように始まり、副主題が戻ってくることにより「再現」の雰囲気の音楽になり、収束に向かいます。

 第3楽章はプレスト(速く)、4分の4拍子の長大な楽章です。ところどころに通奏低音による短い間奏をはさみながら進むのがひとつの特徴だと言えるでしょう。全体はかなり自由で独創的な形式ですが、軽妙な主要テーマにつづいて、力強い副主題や、哀愁を帯びた魅惑的な副主題などをつぎつぎと繰り出して音楽を進め、いったん通奏低音の後奏により完全終止してひとくぎりをつけ、テーマをハ短調で演奏することから始まる中間部に進みます。中間部の終わりにはタスト・ソロ(通奏低音が低音の保続音となって和音の演奏をやめる)に乗って、華やかに、また自由に奏する感じの句が挟まれたあと、アダージョ(遅く)になって、ト短調(原曲ではホ短調)で完全に終止してから、曲の頭に戻るという、すこし珍しい指定になっています。

 第4楽章はドルチェ(甘美に)、4分の6拍子で、ハ短調(原曲ではイ短調)で始まります。ゆったりした旋律と細かい装飾的な動きの対照。ハ長調の可憐な中間部をはさんで、また最初の音楽が戻ります。

 第5楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、8分の6拍子で、前半・後半をそれぞれ繰り返す形式です。2楽章と同様にシンコペーションに特徴のあるリズム感で始まる、まさに vivace な音楽ですが、前半・後半ともに収束近くで出てくる、低音保続音に乗ったただようようなモチーフが、じつに新鮮な魅力で輝いています。


※ 演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏
第1楽章(B2)
第1楽章・テレマンによる装飾例(C2)
第2楽章(C2)
第3楽章(C2)
第4楽章(C1)
第5楽章(C2)

G. P. テレマン
~~家庭音楽の大家~~

★当時人気最高の作曲家★

 ゲオルク・フォリップ・テレマンは、バッハやヘンデルと同世代の作曲家で、存命のころはバッハやヘンデル以上に有名で人気があった作曲家だったそうです。

 また、テレマンはなかなかのアイディアマンでもありました。「メトーディッシュゾナーテン(装飾範例つきソナタ)」などと呼ばれている作品集は、華麗な変奏・装飾のテクニックをアマチュアが身につけるために、普通の楽譜とともに、作曲者自身が変奏・装飾の例をつくって、併記してありました。これによって、アマチュア奏者が変奏・装飾のコツを身につけられるようにという配慮だったわけですね。あたたかみがあってわかりやすい作風とともに、そんなところにも人気の秘密があったのかもしれません。


★リコーダー曲の作曲家としてのテレマン★

 テレマンはたいへんたくさんの家庭用音楽を書き残した人ですから、当然、当時の代表的な楽器のひとつであったリコーダーを用いる作品もたくさんあります。テレマン自身、リコーダーを独習してじょうずに演奏した名人であったらしいですから、なおさらです。いろいろなほかの楽器と組み合わせた曲(トリオソナタや協奏曲など)も多数あるなか、チェンバロ伴奏で演奏できる本格独奏ソナタということになると、7曲ぐらいになるようです。

 ※後記 その後「ソナチネ」ハ短調・イ短調の楽譜が発見されましたので、これを加えると9曲になります。

 また、通奏低音をともなわないリコーダー二重奏の名作もたくさんありますし、無伴奏の独奏ファンタジー(フルート用)もよくリコーダーでも演奏されます。

商品詳細

発売日 2018/7/1
サイズ A5
ページ数 28
JAN 4571325247334
ISBN 9784862666963
楽器 リコーダー