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SR-104 シックハルト ソナタ集 第8巻
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★冊子・・・A4サイズ(スコア28ページ、別冊リコーダーパート譜16ページ、別冊バスパート譜16ページ)
★CD・・・2枚
収録内容=各種伴奏、リコーダー演奏例
※チェンバロ伴奏演奏はすべて石田誠司(デジタルサンプリング音源使用)
★有償サポート・・・バロックピッチ伴奏CD(2枚組 1200円+税)
※製品に申し込み用紙が付属しています。
・ソナタ 第22番 変ロ短調 (「24のソナタ 作品30」より)
★解題★
J.C.シックハルトの「24のソナタ 作品30」は、原題は「音楽のアルファベット 24のソナタ」で始まる長いもので、1735年ごろの出版だそうです。1722年に発表された大バッハの「平均率クラヴィーア曲集」と同様に、「すべての調によるソナタ」であることが狙いの一つだったようで、フルート、ヴァイオリン、リコーダーのどれで演奏してもよいことになっていました。(音域が違いますから、その場合は音符記号の読み替えにより、移調して演奏するようになっていました。)
すべての調、というからには、シャープやフラットの記号が5つも6つもついたような調号になる曲も出てくるわけですが、難しい場合は、やさしい調で演奏することもできるようになっていました。たとえば、「嬰ハ長調」(シャープ7つの調)の曲の楽譜を、「ハ長調」の楽譜として読んでしまえば格段にやさしくなります。そういうことをしてもよいということになっていたのです。
RJP版では、フランス・ブリュッヘンらが提案している調の選定(全音楽譜出版社刊「24のソナタ」による)と曲配列にもとづいて出版していきます。(ブリュッヘン版では原典と異なる曲配列になっていますが、RJP版でもブリュッヘン版が付した曲番号を踏襲するということです。)
(一部改稿 2011.08.24.)
★解説★
8つの楽章から成るソナタです。短めの楽章を集めた小品集のようなおもむき。「フラット5つ」にはややたじろぐかも知れませんが、少し頑張れば楽しく演奏できるかたも多いでしょう。
第1楽章はカンタービレ(歌うように)と指定され、4分の3拍子です。分散和音で始まるテーマから、しだいに速い動きで味付けをしながら音楽が進み、最後は少し自由な感じで演奏するエピソードで、次の楽章を呼びます。
第2楽章はアレグロ(快活に)と指定された4分の4拍子のアルマンドです。シックハルトらしい節回しで小気味よく音楽が進みます。
第3楽章ラルゴ(広びろと)、2分の3拍子。半音で動くテーマに始まり、やや打ち沈んだ感じで音楽が進み、最後は半音階的に上昇してクライマックスを築きます。
第4楽章は再びアレグロで、4分の4拍子。弾むようなリズミカルな音楽ですが、あっという間に終わります。
第5楽章は4分の3拍子で、シックハルト特有の、そして大好きな、付点リズムのコレンテです。フレーズの長さが不規則なところに工夫があって、面白くつくられています。
第6楽章はヴィヴァーチェ(生きいきと)、4分の3拍子です。短いメヌエットなのかという感じです(この時代にヴィヴァーチェのメヌエットというのもやや珍しいでしょうけれど)。何でもないようですが、表情に変化があって楽しい小品です。
第7楽章は8分の6拍子のジーグです。通常の「前半後半をそれぞれ繰り返し」の形ではなく、途中で何度も部分的な繰り返しを挟む、独特な構成です。和声にも工夫のる佳品。
第8楽章はアレグロと指定されたガボットです。ガボットはアウフタクトから始まることが多いのですが、この楽章は強拍から始まっていて、「これがガボット?」という感じもなきにしもあらず。しかし、短いなかに多彩な表情が織り込まれた楽しい終曲です。
通奏低音(電子楽器): 石田誠司 リコーダー: 長井 舞
※カッコ内の表示は「指回り難度」です。
第1楽章(B-3)
第2楽章(C-1)
第3楽章(B-2)
第4楽章(C-1)
第5楽章(C-2)
第6楽章(C-1)
第7楽章(C-2)
第8楽章(C-2)
・ソナタ 第23番 ロ長調 (「24のソナタ 作品30」より)
★解題★
J.C.シックハルトの「24のソナタ 作品30」は、原題は「音楽のアルファベット 24のソナタ」で始まる長いもので、1735年ごろの出版だそうです。1722年に発表された大バッハの「平均率クラヴィーア曲集」と同様に、「すべての調によるソナタ」であることが狙いの一つだったようで、フルート、ヴァイオリン、リコーダーのどれで演奏してもよいことになっていました。(音域が違いますから、その場合は音符記号の読み替えにより、移調して演奏するようになっていました。)
すべての調、というからには、シャープやフラットの記号が5つも6つもついたような調号になる曲も出てくるわけですが、難しい場合は、やさしい調で演奏することもできるようになっていました。たとえば、「嬰ハ長調」(シャープ7つの調)の曲の楽譜を、「ハ長調」の楽譜として読んでしまえば格段にやさしくなります。そういうことをしてもよいということになっていたのです。
RJP版では、フランス・ブリュッヘンらが提案している調の選定(全音楽譜出版社刊「24のソナタ」による)と曲配列にもとづいて出版していきます。(ブリュッヘン版では原典と異なる曲配列になっていますが、RJP版でもブリュッヘン版が付した曲番号を踏襲するということです。)
(一部改稿 2011.08.24.)
★解説★
7つの比較的小粒な楽章から成る楽しいソナタですが、ふつうはまずリコーダーに用いられることのないロ長調という調性で、アマチュア愛好家にとっては超・難物と言っていいでしょう。
第1楽章はプレリュード(前奏曲)と題され、アレグロ(快活に)、4分の4拍子。明るく元気よく曲を始めます。最後にグラーヴェ・ピアニッシモ(重々しく、きわめて静かに)と指定された2小節のエピローグがあって、第2楽章に切れ目なく続く感じになります。
第2楽章はアダージョ(ゆっくりと)、2分の3拍子。なつかしい感じのテーマを歌い上げていきます。前半・後半を繰り返したあと、もう1度しめくくりのフレーズを奏するのが、なんだか、とてもいい感じ。
第3楽章はアルマンドで、アレグロ、4分の4拍子です。シックハルトが大好きだった速めのアルマンドですが、意表をつくような転調を織り込んで、たいへん気の利いた小品になっています。
第4楽章は4分の3拍子で、これまたシックハルトが大好きだった、付点リズムを基調とするコレンテです。前半・後半ともに、終わったのかと思うと2小節おまけのような句があります。
第5楽章はアレグロ、4分の4拍子の短い間奏曲です。これも晴朗にしてなつかしい風情のある佳品ですが、途中、大きな跳躍を含む音型があって、鮮やかに演奏するのはかなり難しいと思います。
第6楽章は8分の6拍子のジーグ。ドミナントから始まる、ちょっと新鮮な開始から、16分音符を含む華やかなパッセージも織り込みながら、よく歌う音楽になっています。秀逸。
第7楽章は4分の3拍子のメヌエットです。何でもないようですが、堂々とした風格をただよわせる楽曲で、万華鏡のような楽しさで進んできた全曲をしっかりしめくくっています。
通奏低音(電子楽器): 石田誠司 リコーダー: 長谷川圭子
※カッコ内の表示は「指回り難度」です。
第1楽章(C-3)
第2楽章(C-1)
第3楽章(C-3)
第4楽章(C-3)
第5楽章(C-3)
第6楽章(C-3)
第7楽章(C-2)
・ソナタ 第24番 ロ短調 (「24のソナタ 作品30」より)
★解題★
J.C.シックハルトの「24のソナタ 作品30」は、原題は「音楽のアルファベット 24のソナタ」で始まる長いもので、1735年ごろの出版だそうです。1722年に発表された大バッハの「平均率クラヴィーア曲集」と同様に、「すべての調によるソナタ」であることが狙いの一つだったようで、フルート、ヴァイオリン、リコーダーのどれで演奏してもよいことになっていました。(音域が違いますから、その場合は音符記号の読み替えにより、移調して演奏するようになっていました。)
すべての調、というからには、シャープやフラットの記号が5つも6つもついたような調号になる曲も出てくるわけですが、難しい場合は、やさしい調で演奏することもできるようになっていました。たとえば、「嬰ハ長調」(シャープ7つの調)の曲の楽譜を、「ハ長調」の楽譜として読んでしまえば格段にやさしくなります。そういうことをしてもよいということになっていたのです。
RJP版では、フランス・ブリュッヘンらが提案している調の選定(全音楽譜出版社刊「24のソナタ」による)と曲配列にもとづいて出版していきます。(ブリュッヘン版では原典と異なる曲配列になっていますが、RJP版でもブリュッヘン版が付した曲番号を踏襲するということです。)
(一部改稿 2011.08.24.)
★解説★
24曲から成る大部のソナタ集の最後を飾るロ短調ソナタは、8つの楽章から成り、多彩な表情を楽しめます。ただ、「ロ短調」は、多くのかたにとって不慣れもあってなかなか難しいでしょう。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)と指定され、2分の3拍子。付点のリズムが全体の基調をつくっていますが、リズム的にも、また調性の変化という点でもなかなか多彩で、内容のある楽章になっています。
第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子です。シックハルトが好んだ速めのアルマンドで、16分音符を駆使した運動性に富むかっこいいモチーフをいくつも含んでいます。シンコペーションのリズムも小気味よく、充実した小品。
第3楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、4分の3拍子。決然とした感じのテーマで始まり、途中は緊張感あふれる盛り上がりがあるかと思うと、柔らかな表情も見せ、表情豊かな楽曲になっています。終わり近くに出てくる「ソ#→ファ#」のスラーでの速い移行は難所です。
第4楽章は4分の3拍子で、シックハルト得意の付点リズムのコレンテです。リズムの音楽のようでいながら、実は旋律性に味がある音楽なので、一律な処理ではなく、場面に応じた音・リズムが求められます。
第5楽章はラルゴ(広びろと)、2分の3拍子。最初のテーマは、寂しげに始まったかと思うとにっこりと微笑み、すぐに少しきつい表情になって・・・というふうに表情が急激に移り変わります。
第6楽章はアレグロ、4分の4拍子の短い間奏曲のような楽章です。音たちが小気味良く運動します。
第7楽章は8分の6拍子のジーグです。最初の小節に出てくる「減5度」の上行が意外に「やったことない感」のある間違いやすい音程。キビキビと運動しながらも気持ちの移ろいに味のある秀作です。
第8楽章は4分の3拍子のメヌエットです。典雅であるよりはここでもキビキビした感じが強いかも知れません。カッチリと作られた佳品です。
通奏低音(電子楽器): 石田誠司 リコーダー: 石田
※カッコ内の表示は「指回り難度」です。
第1楽章(B-2)
第2楽章(C-2)
第3楽章(C-2)
第4楽章(C-2)
第5楽章(B-2)
第6楽章(C-2)
第7楽章(C-2)
第8楽章(C-1)
収載曲
[1] ソナタ 第22番 変ロ短調 (「24のソナタ 作品30」より)
作曲: シックハルト
[2] ソナタ 第23番 ロ長調 (「24のソナタ 作品30」より)
作曲: シックハルト
[3] ソナタ 第24番 ロ短調 (「24のソナタ 作品30」より)
作曲: シックハルト
商品詳細
発売日 |
2019/5/1 |
ページ数 |
28 |
JAN |
4571325248126 |
ISBN |
9784862667045 |
楽器 |
リコーダー |
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