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SR-140 ペジブル アルトリコーダーデュオソナタ集 第2巻

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SR-140 ペジブル アルトリコーダーデュオソナタ集 第2巻

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■解題(ペジブルのデュオソナタ)■

 17世紀末から18世紀初めにかけて、イギリスでは紳士たちの間でアルトリコーダーが大流行しました。ジャック・ペジブル(ジェームズ・ペジブル)は、その立役者だったと目される人物で、写本で残っている独奏ソナタは、はなやかな技巧を盛り込み複雑な転調を駆使する曲が目立ちます。

 対して、1702年にWalshが出版した「作品1」の二重奏ソナタ集は、アマチュア愛好家が楽しめるように比較的易しく書かれた曲が多くなっています。


■解説(ト短調・作品1-4)■

 緩・急・緩・急の構成になっています。

 第1楽章はグラーヴェ(重々しく)、4分の3拍子です。演奏は難しくありませんが、音楽的には、つねに平凡を避けて独創性を追及したかと思われるような、独特な内容になっていますので、最初は少しわかりにくく感じるかも知れません。

 第2楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、4分の4拍子です。対位法的な色彩が強く、ジグザク音型のテーマを2本のリコーダーが入れ替わり立ち代り、いろいろな調で演奏しながら音楽が進みます。技術的にはあまり困難がない曲ですが、リズムにも変化があって油断なりません。

 第3楽章は再びグラーヴェで、4分の3拍子です。ロンドふうの形で書かれていますが、すこし奇妙なのは、最初にロンド主題部が、2度繰り返して楽譜に記載されており、しかも、この部分全体をまた繰り返す指定になっていることです。これでは8小節の主題を4度繰り返して演奏することになり、かなり異例のことです。もしかすると、これは原典が間違いで、主題の繰り返しは2度にとどめておくのが正解なのかも知れませんが、本書では一応(楽譜も付属CDの演奏も)原典通りにしてあります。

 第4楽章はプレスト、4分の6拍子です。第1リコーダーが下降音階を骨組みとするテーマを奏し、第2リコーダーがそれを模倣して音楽が始まります。かろやかな変化のあるリズムに乗って、めまぐるしい転調も含む早口の音楽が進みます。
 
 
■解説(ハ長調・作品1-5)■

 第1楽章は4分の3拍子で、グラーヴェ(重々しく)と指定されていますが、かなりアッサリしたテンポが合いそうです。2本のリコーダーのリズムのずらし方や、長調・短調のあいだの微妙なゆらぎに味があって、面白く書かれています。

 第2楽章はアレグロ(快活に)、2分の3拍子です。ペジブルが好んだ「大きな三拍子」で、音の動きはかなり速いのですが、3拍子の拍節感はむしろ堂々たる踏みしめ方で進みます。微妙な転調もペジブルらしい味わいです。

 第3楽章は4分の4拍子で、ヴィヴァーチェ(生き生きと)と指定されています。付点の跳ねるリズムを基調としていますが、頭欠けのフレーズ開始の音は八分音符で書かれており、その他、ところどころに八分音符が置かれていますので、記譜通りに演奏すると付点リズムとのズレがあります。弊社版付属音源の演奏では原典の楽譜通りに演奏していますが、第1リコーダーと第2リコーダーのリズムが合うように、「付点八分+十六分」の跳ねリズムに揃えてしまう演奏の仕方もあるでしょう。

 第4楽章は4分の4拍子でプレスト(速く)と指定されています。すばしこい動きを中心に音楽を織り進めるなか、すべるような独特な転調の妙が印象に残ります。やればやるほどますます面白くなっていくことでしょう。
 
 
■解説(ホ短調・作品1-6)■

 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。第1リコーダーが奏し始めたテーマを第2リコーダーがいきなりフーガのストレッタふうに2小節遅れ・4度下で模倣して始まりますが、この模倣はすぐに崩れて、あとは対位法的ではあるものの自由な形で進みます。全体に暗い雰囲気で進み、いくぶん晦渋さもある独特な楽章です。

 第2楽章は4分の3拍子で、ラルゴ(広々と)と指定されていますが、まるでメヌエットのような軽やかさも持っています。珍しく第2リコーダーが先導し、第1リコーダーが同度でテーマを模倣して始まります。どちらかが主役を取っている場面のほか、和声的な声をそろえる場面、美しいかけあいになる場面等が心地よく切り替わって音楽が進みます。

 第3楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、4分の4拍子です。速い十六分音符の動きを含む、機敏な感じのテーマを扱って生気に満ちた音楽をくりひろげます。全体を2度繰り返すような指定になっているのが、やや珍しいと言えるでしょう。本作の白眉かと思います。

 第4楽章はグラーヴェ(重々しく)、4分の3拍子。平明なようでいて、かなり頻繁に転調しながら音楽が進んでおり、なかなか込み入った内容を持っています。「四分→付点四分→八分」のリズムに乗った小節がかなり多いことから、サラバンドとみてもいいのかも知れません。

 第5楽章は4分の6拍子でプレスト(速く)と指定された、爽快で小気味よいジーグふうの終曲です。武藤哲哉さんの演奏はかなりどっしりとした趣ですが、そう演奏困難な曲でもないので、もっとずっと速いテンポで演奏してみても面白いかも知れません。

収載曲

[1] ペジブル アルトリコーダーデュオソナタ ト短調 作品1-4
[2] ペジブル アルトリコーダーデュオソナタ ハ長調 作品1-5
[3] ペジブル アルトリコーダーデュオソナタ ホ短調 作品1-6

商品詳細

発売日 2022/3/1
ページ数 36
JAN 4571325251027
ISBN 9784862669797
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