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RP シックハルト アルトリコーダーソナタ へ長調 作品30-12
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★解題★
J.C.シックハルトの「24のソナタ 作品30」は、原題は「音楽のアルファベット 24のソナタ」で始まる長いもので、1735年ごろの出版だそうです。1722年に発表された大バッハの「平均率クラヴィーア曲集」と同様に、「すべての調によるソナタ」であることが狙いの一つだったようで、フルート、ヴァイオリン、リコーダーのどれで演奏してもよいことになっていました。(音域が違いますから、その場合は音符記号の読み替えにより、移調して演奏するようになっていました。)
すべての調、というからには、シャープやフラットの記号が5つも6つもついたような調号になる曲も出てくるわけですが、難しい場合は、やさしい調で演奏することもできるようになっていました。たとえば、「嬰ハ長調」(シャープ7つの調)の曲の楽譜を、「ハ長調」の楽譜として読んでしまえば格段にやさしくなります。そういうことをしてもよいということになっていたのです。
RJP版では、フランス・ブリュッヘンらが提案している調の選定(全音楽譜出版社刊「24のソナタ」による)と曲配列にもとづいて出版していきます。(ブリュッヘン版では原典と異なる曲配列になっていますが、RJP版でもブリュッヘン版が付した曲番号を踏襲するということです。)
(一部改稿 2011.08.24.)
★解説★
楽章が7つと多いのですが、ひとつひとつの楽章は比較的小規模なものが多く、ひきしまった印象を与える佳品です。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、2分の3拍子です。シックハルトらしい透明感のある短調楽章で、最後はハ短調で終わるというやや変則的な構成。
第2楽章はカンタービレ(歌うように)と指定された4分の4拍子の曲です。ユーモアをたたえたリズミカルな音楽で、鋭い音符がところどころにピリリとスパイスを効かせます。
第3楽章は4分の3拍子で、シックハルト得意の付点リズムを基調とするコレンテです。ここでも惚れ惚れする腕の冴えが楽しめます。
第4楽章はラルゴ(広々と)で、2分の3拍子。第1楽章と通い合う感じの強い間奏曲になっています。
第5楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子で、大きな音符で快速に進みます。ブーレかリゴドンなのでしょうか。小粒ですが力強い楽章です。
第6楽章はヴィヴァーチェ(生きいきと)、4分の3拍子です。かなり速いテンポが想定されているでのはないかと感じられます。内容の濃い展開を持つ大規模な楽曲で、本作の白眉でしょう。演奏上は、低音域での「ラのフラット」を含む速い動きにかなりの難しさがあります。
第7楽章は再びアレグロで、8分の6拍子のジークです。付点リズムが基調ですから、8分音符リズムのジークよりは少しゆっくりでよいのでしょう。半音階的な処理に斬新さがある、短いけれどもすぐれた終曲です。
収載曲
[1] 第1楽章
グレード: (B-1)
[2] 第2楽章
グレード: (B-3)
[3] 第3楽章
グレード: (B-3)
[4] 第4楽章
グレード: (B-3)
[5] 第5楽章
グレード: (C-2)
[6] 第6楽章
グレード: (C-2)
[7] 第7楽章
グレード: (C-2)
商品詳細
発売日 |
2023/3/1 |
ページ数 |
24 |
JAN |
4571325252093 |
ISBN |
9784867670897 |
楽器 |
リコーダー |
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