カワイ出版
混声合唱とピアノのための わたくしという現象は
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全3曲で構成される。宮沢賢治の世界を現代的書法で表現し、日本的なものを大切にする作曲者ならではのこだわりが感じられる。
叫び声を取り入れたりナレーションをいれたりと様々な工夫もあり、ステージ効果の高い仕上がりとなっている。
<まえがき>
一橋大学津田塾大学合唱団ユマニテ(Humanite)から第50回記念演奏会への新作委嘱を受けたのは2011年の年頭であったかと思う。かれらの第48回演奏会(2010年)で演奏された私の『組曲・雨ニモマケズ』に感銘を受けたこともあり、曲のテキストは宮沢賢治でいこう、との即決であった。それから3月に東日本大震災があり、たいへんな悲しみや、なかなか先行きの見えない焦りなど、不安な世の中にあって宮沢賢治の発するメッセージは人々に希望を与えてくれるものとして、あらためて関心が寄せられていったのであり、そんな中、私はカワイ出版の~日本中に歌声を「歌おうNIPPON」プロジェクト~に賛同して被災地の人々へ『宮沢賢治の最後の手紙』を作曲したのだった。
これは彼の教え子へ宛てた手紙をテキストにしているが、その手紙から響いて来る賢治の晩年に到達した透明な境地の肉声「―楽しめるものは楽しみ、苦しまなければならないものは苦しんで生きて行きましょう」、その声に励まされ、突き動かされるように、今度は賢治の学生諸君への熱い演説をテキストに作曲したのが本曲『新しい風のように、爽やかな星雲のように』である。
ここには熱血教師・賢治がいる。若者に、風になれ、銀河星雲の彼方に羽ばたけ、自然にとけ込め、宇宙と交感せよ、と呼びかけているのだと私は思う。そして、賢治ワールドの内面を照射する春と修羅の『序』を、宇宙の彼方から地球に呼びかける『なつかしき地球はいずこ』を加え、初期から花巻農学校時代の血気さかんな若き賢治のテキストから成る3曲の組曲とした。
初演に向けての作曲者立ち合い稽古では、回ごとに、手拍子、魑魅魍魎や精霊の声、ロケット噴射音などが新たに書き加えられ、その効果を工夫しながら、創造の現場というにふさわしい真摯さと楽しさで進められたと思う。そして合唱団ユマニテ、ユマニテOB・OG、指揮=小林雄大、ピアノ=緒方宏子、による総勢200名にならんとする大合唱の、若々しくみずみずしい感性で初演していただいた。演奏会関係諸氏には心から感謝申し上げたい。アンコールでは『宮沢賢治の最後の手紙』も披露された。当日のパンフレットには合唱団ユマニテによる思いが掲げられていた。―「この世界の重みにも歪められない心の歌、生活の歌、私達はこのような真実の歌を歌いたいのだ。私達はこのような真実の歌を口から口へ広めたい。この歌を通して、あたらしい人間の繋がりを結ぶのだ」と。これが本曲に込めた私の願いと同じくすることは言うまでもない。
出版にあたっては曲の一部に改訂をおこなったところがある。また、初演時の組曲タイトルは『新しい風のように、爽やかな星雲のように』であったが、カワイ出版との協議により『わたくしという現象は』に改めさせていただいた。
千原英喜
収載曲
[1] わたくしという現象は (春と修羅・序)
作曲: 千原英喜
作詞: 宮沢賢治
[2] 新しい風のように、爽やかな星雲のように
作曲: 千原英喜
作詞: 宮沢賢治
[3] エピローグ:なつかしき地球はいずこ
作曲: 千原英喜
作詞: 宮沢賢治
商品詳細
発売日 |
2014/9/1 |
サイズ |
A4 |
ページ数 |
76 |
JAN |
4962864913482 |
ISBN |
9784760913480 |
楽器 |
合唱 |
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