カワイ出版

二群の男声合唱とピアノのための 虹の木

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二群の男声合唱とピアノのための 虹の木

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2012年なにわコラリアーズの委嘱により初演された約11分20秒の単一楽章の合唱曲。
テキストは詩集「詩の樹の下で」に収録されている。
どこかファンタジックで空の始まりを色々な生物の視線で描きあげるテキストに、空の広さを表すような雄大で、時には繊細な音楽が絡み合って展開する。合唱は二群であるが、ユニゾンも多用されるなど、導入部とその再現部を覗き、比較的分かりやすいスタイルとなっている。

<まえがき>
「虹の木」は2011年末に出版された長田弘さんの詩集『詩の樹の下で』(みすず書房)に収録されている詩です。『樹』を主題とする長田さんの詩集は上記のほかに『人はかつて樹だった』(みすず書房)があり、この詩人の木への親しみの深さを思い知ることができます。長田さんにとって木は「原初の記憶」を思い出させるものであり、「樹や林、森や山のかさなる風景に囲まれて育った幼少期の記憶」が『詩の樹の下で』のモチーフとなったと述べられています。(カギ括弧内は上記2つの詩集あとがきからの引用。以下同様。)
『詩の樹の下で』の帯紙に「FUKUSHIMA REQUIEM」とあります。この詩集が東日本大震災のあとに出版され、福島県出身である長田さんが「復興」の「祈りにくわわれることばを伝えられるものとなっていれば」という願いを込めてまとめたものだからです。収録されている詩は2006年から2011年のあいだに発表されたものであり、「虹の木」の初出は2010年、つまり震災前に書かれたものですから、この詩を震災とダイレクトに結びつけて読むことはできないでしょう。しかし、「虹の木」の心象には長田さんの幼少期の記憶──福島の深い森、山の稜線、移りゆく空の色──が原風景として映っていることは想像に難くありません。祈りにくわわれることば。祈りにくわわれる場所としての音楽。その場所に少しでも近づきたいというのが、本作の目標でした。
曲は導入部とその再現部を除き、調性を主体とした平易なスタイルを採っています。その根拠として詩の簡明さがあるのは言うまでもありませんが、作曲当時の私の個人的な心境が背景にあったとも言えるかも知れません。作曲に取り掛からなければならない時期に私の父が亡くなり、多忙と疲労の中にあった私の耳が今聞きたい音楽を求めたのではないか。振り返るとそのように思えます。「虹の木」は、人が帰っていき再び出会える場所に立っているような気もしているのです。

信長貴富

収載曲

虹の木
  作曲: 信長貴富
  作詞: 長田 弘
  グレード: 中~上級

商品詳細

発売日 2016/7/1
サイズ A4
ページ数 44
JAN 4962864919439
ISBN 9784760919437
楽器 合唱