カワイ出版
萩京子 長田弘の詩による五つの混声合唱曲 おおきな木
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2018年6月23日、合唱団エトワーユ・駒澤大学合唱団第20回ジョイントコンサートにて委嘱初演。爽やかな曲から始まり、変拍子による不思議な空間を醸し出した曲、詩だけでも笑ってしまう曲、男女の掛け合いが面白い曲、最後は何かを考えさせられたり・・・曲ごとにいろいろな味わいがあり、飽きの来ない合唱曲。どの世代の合唱団でも楽しめる。全5曲。
<まえがき>
長田 弘さんの自選詩集であるハルキ文庫の「長田 弘詩集」から5つの詩を選びました。自選の詩! 詩人は数ある自分の詩のなかから何を選ぶのか? 興味があります。私が以前作曲させていただいた「ファーブルさん」も入っていてうれしくなりました。はじめに「おおきな木」が載っていて、あっという間に引きつけられ、合唱曲全体のタイトルを「おおきな木」にしました。
長田 弘さんの詩は、やさしい語り口のようでいて、とてもきびしく鋭いので、作曲をはじめてから、のたうち回ることになります。
『おおきな木』
私はおおきな木と出会うと、長い時間を感じます。詩の流れに沿って、いろいろな記憶の断片がよぎっていく、そんな歌になれば、と思いました。
『散歩』
歩くことを楽しむために歩くこと。なかなかできないなあ、と思いながら、散歩に憧れつつ作曲しました。「いちばん難しいのは、いちばん簡単なこと。」そのとおりだ、と思います。
続く三曲は「バラード」と名がついた3つの詩。
『ひとの歯のバラード』
「われら、きみの口のなかに住む 三十二頭の白い馬。」という出だしが魅力的で、この詩をつい好きになってしまったのですが、人間に向かって挑発的な物言いをする白い馬に、最後はぐさっとやられてしまうような感覚。でもさらによく考えると、これは「歯」の孤独を語っているような気もしてきました。人が死んでも歯は残る。そこに悲しさと孤独を感じます。
『嘘のバラード』
こんにちの日本。この詩がいよいよ現実味を帯びてしまって・・・・・・。「嘘は嘘、嘘じゃない。ほんとに嘘だ。」と来れば、頭の中はクルクルしてしまいますが、詩人の語る最後のフレーズ、「本当でも嘘でもないことを ぼくはいうのだ。」という言葉で、気持ちをしゃんとさせたいです。
『ひつようなもののバラード』。「ひつようなものは わずかなもの。」私にとってひつような大切な言葉。詩人の書いた「言葉。白い紙に 黒い文字。」は、私のような作曲家にとっては「音。白い紙に 黒い音符」でしょうか?
萩 京子
収載曲
[1] おおきな木
作曲: 萩 ?京子
作詞: 長田 ?弘
編成: 混声
グレード: 中級
[2] 散歩
作曲: 萩 ?京子
作詞: 長田 ?弘
編成: 混声
グレード: 中級
[3] ひとの歯のバラード
作曲: 萩 ?京子
作詞: 長田 ?弘
編成: 混声
グレード: 中級
[4] 嘘のバラード
作曲: 萩 ?京子
作詞: 長田 ?弘
編成: 混声
グレード: 中級
[5] ひつようなもののバラード
作曲: 萩 ?京子
作詞: 長田 ?弘
編成: 混声
グレード: 中級
商品詳細
発売日 |
2019/6/1 |
サイズ |
A4 |
ページ数 |
40 |
JAN |
4962864919996 |
ISBN |
9784760919994 |
楽器 |
合唱 |
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