大中恩:歌曲集　アマリリスに寄せて

作曲者最晩年の歌曲作品。作曲者が好きな女性詩人の一人・山岸千代栄の詩による2018年3月初演の「アマリリスに寄せて」（全3曲）に、2016年9月に放送された番組の中で生まれた絵本作家のかこさとしの詩による「うみにうまれ いのちをつなぎ」、その番組をきっかけに2017年4月に作曲した「たくましく うつくしく すこやかに」を加えた全5曲。
90歳を越えて最後まで作品を書き続けた作曲者による愛情がたくさん詰まった作品。

＜まえがき＞

　この曲集に収録されました作品は大中 恩の最晩年の歌曲です。
「アマリリスに寄せて」〔山岸千代栄 詩〕は女性（母性）の優しさと愛の深さ、またどのような試練に見舞われたとしても凛として咲くアマリリスのような心の強さが表現され、「うみにうまれ いのちをつなぎ」と「たくましく うつくしく すこやかに」は人類の行く末の繁栄を願う、かこさとし氏の哲学が感じられる父性愛が溢れております。
大中清子