カワイ出版
男声合唱とピアノのための組曲 西下航平:五ねんがすぎて
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男声合唱とピアノのための組曲 西下航平:五ねんがすぎて
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2025年12月、明治大学グリークラブにより男声合唱版初演。オリジナルは混声合唱版で2024年7月に初演。
作曲者の親しみのある“シティポップ”のテイストを取り入れ、合唱ならではの音を模索しながら作られた意欲作。谷川俊太郎の詩集『子どもの肖像』から採られている。
男声合唱に編まれたことで、曲に新たな魅力が生まれている。全5曲。中級
1. 五ねんがすぎて (2’40”)
2. わらう (2’40”)
3. なくぞ (2’50”)
4. すきとおる(無伴奏) (3’40”)
5. おおきくなる (5’45”)
この曲はまずオリジナルの混声版「すきとおる」が2017年に生まれ、その後、組曲化のお話をいただき2024年に全曲初演されました。いずれも合唱団ひぐらし(指揮:野本立人)による演奏です。
さて、男声版が生まれる発端はある日、明治大学グリークラブの学生指揮者である伊東龍之介さんからいただいた一通のメール。始めは別の男声合唱曲についての問い合わせでしたが、どうやら《五ねんがすぎて》がシティポップ好きな彼に刺さったようです。新百合ヶ丘の喫茶店で早速打ち合わせて、瞬く間に《五ねんがすぎて》の男声版の制作が決まりました。
しかし、シティポップ特有の9thや11th、13thといった複雑な和音をそのまま男声合唱でできるものなのだろうか・・・・・・という問いは常について回りました。こういった場合には、適切な音域に移調するという方法もしばしば取られますが、とりわけ「すきとおる」の調性を変更することに抵抗がありました。そうなると全体のつながりを考慮して、どの曲も混声版と同じ調性にすることになるわけです。そういった事情で、合唱部分の和声が混声版とは若干異なったりもしますが、音楽の骨子は基本的に変わりません。それぞれの曲の解説は、混声版の前書きを一部(変更して)転載します。
───
全体としては 3 曲目を中心としたシンメトリーな構造になっています。
〈五ねんがすぎて〉は松原みき「真夜中のドア」とキリンジ「雨は毛布のように」のイメージ。「五ねんがすぎて」変わるもの、変わらないもの、その度合いはさまざまです。それらは月日が経とうとも状態が固定されるものではありません。浮遊感ある和声でその不安定さを表現しています。
〈わらう〉は大貫妙子「都会」のイメージ。組曲の中では一番「合唱らしい」作品でもあります。「限りなく合唱曲に近いポップス」として書いたこの曲は、「わたし」が超現実的・超時空的に母親を見ていて、そこからある意味達観した結論を導き出すその過程を、場面ごとにあたかも別世界に飛んだかのように描いています。
〈なくぞ〉はピチカート・ファイヴの「大都会交響楽」やフリッパーズ・ギターの「恋とマシンガン」などのイメージ。この作品のイメージ元は90年代一世を風靡した「渋谷系」のみと、比較的新しいものです。「いますぐなくぞ」とコミカルに迫る、少しジャジーな香りもする作品です。
〈すきとおる〉は山下達郎「パレード」のイメージ。「すきとおる」色彩感を透明感溢れる和声で表現しています。〈わらう〉が「限りなく合唱曲に近いポップス」であるなら、こちらは「限りなくポップスに近い合唱曲」でしょうか。
〈おおきくなる〉は、亜蘭知子「I’m in Love」と paris match「水の時計」のイメージ。
――おおきくなってゆくのはいいことですか――ぽつぽつと、しかし繰り返されるこの問いは、「五ねんがすぎ」る子どもたちにとっては切実なのかもしれません。〈五ねんがすぎて〉のテーマで結ばれるこの曲は、決して能天気に明るい曲ではなく、この時期の子どもたちがどこかに抱える「影」のようなものも内包した作品です。子どもは決して大人のミニチュアではありませんが、「おおきくな」ってしまった私たちも、遠い過去に必ず通ってきた道であるはずです。
───
最後に男声版が生まれるきっかけを作ってくれた伊東龍之介さん、明治大学グリークラブとOBの皆さま、ピアニストの松元博志さんに心からの感謝の意を表します。
西下航平
作曲者の親しみのある“シティポップ”のテイストを取り入れ、合唱ならではの音を模索しながら作られた意欲作。谷川俊太郎の詩集『子どもの肖像』から採られている。
男声合唱に編まれたことで、曲に新たな魅力が生まれている。全5曲。中級
1. 五ねんがすぎて (2’40”)
2. わらう (2’40”)
3. なくぞ (2’50”)
4. すきとおる(無伴奏) (3’40”)
5. おおきくなる (5’45”)
この曲はまずオリジナルの混声版「すきとおる」が2017年に生まれ、その後、組曲化のお話をいただき2024年に全曲初演されました。いずれも合唱団ひぐらし(指揮:野本立人)による演奏です。
さて、男声版が生まれる発端はある日、明治大学グリークラブの学生指揮者である伊東龍之介さんからいただいた一通のメール。始めは別の男声合唱曲についての問い合わせでしたが、どうやら《五ねんがすぎて》がシティポップ好きな彼に刺さったようです。新百合ヶ丘の喫茶店で早速打ち合わせて、瞬く間に《五ねんがすぎて》の男声版の制作が決まりました。
しかし、シティポップ特有の9thや11th、13thといった複雑な和音をそのまま男声合唱でできるものなのだろうか・・・・・・という問いは常について回りました。こういった場合には、適切な音域に移調するという方法もしばしば取られますが、とりわけ「すきとおる」の調性を変更することに抵抗がありました。そうなると全体のつながりを考慮して、どの曲も混声版と同じ調性にすることになるわけです。そういった事情で、合唱部分の和声が混声版とは若干異なったりもしますが、音楽の骨子は基本的に変わりません。それぞれの曲の解説は、混声版の前書きを一部(変更して)転載します。
───
全体としては 3 曲目を中心としたシンメトリーな構造になっています。
〈五ねんがすぎて〉は松原みき「真夜中のドア」とキリンジ「雨は毛布のように」のイメージ。「五ねんがすぎて」変わるもの、変わらないもの、その度合いはさまざまです。それらは月日が経とうとも状態が固定されるものではありません。浮遊感ある和声でその不安定さを表現しています。
〈わらう〉は大貫妙子「都会」のイメージ。組曲の中では一番「合唱らしい」作品でもあります。「限りなく合唱曲に近いポップス」として書いたこの曲は、「わたし」が超現実的・超時空的に母親を見ていて、そこからある意味達観した結論を導き出すその過程を、場面ごとにあたかも別世界に飛んだかのように描いています。
〈なくぞ〉はピチカート・ファイヴの「大都会交響楽」やフリッパーズ・ギターの「恋とマシンガン」などのイメージ。この作品のイメージ元は90年代一世を風靡した「渋谷系」のみと、比較的新しいものです。「いますぐなくぞ」とコミカルに迫る、少しジャジーな香りもする作品です。
〈すきとおる〉は山下達郎「パレード」のイメージ。「すきとおる」色彩感を透明感溢れる和声で表現しています。〈わらう〉が「限りなく合唱曲に近いポップス」であるなら、こちらは「限りなくポップスに近い合唱曲」でしょうか。
〈おおきくなる〉は、亜蘭知子「I’m in Love」と paris match「水の時計」のイメージ。
――おおきくなってゆくのはいいことですか――ぽつぽつと、しかし繰り返されるこの問いは、「五ねんがすぎ」る子どもたちにとっては切実なのかもしれません。〈五ねんがすぎて〉のテーマで結ばれるこの曲は、決して能天気に明るい曲ではなく、この時期の子どもたちがどこかに抱える「影」のようなものも内包した作品です。子どもは決して大人のミニチュアではありませんが、「おおきくな」ってしまった私たちも、遠い過去に必ず通ってきた道であるはずです。
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最後に男声版が生まれるきっかけを作ってくれた伊東龍之介さん、明治大学グリークラブとOBの皆さま、ピアニストの松元博志さんに心からの感謝の意を表します。
西下航平
収載曲
男声合唱とピアノのための組曲 西下航平:五ねんがすぎて
作曲: 西下航平
作詞: 谷川俊太郎
編成: 男声四部
作曲: 西下航平
作詞: 谷川俊太郎
編成: 男声四部
商品詳細
| 発売日 | 2026/1/1 |
|---|---|
| サイズ | A4 |
| ページ数 | 48 |
| JAN | 4962864943496 |
| ISBN | 9784760943494 |
| 楽器 | 合唱 |
| 編成 | 男声四部 |
| 作曲者 | 西下航平 |
| 作詞者 | 谷川俊太郎 |
