内容紹介
本書は1953年にアメリカで出版され、1975年に全音楽譜出版社から邦訳（千蔵八郎訳）が出版されたが、現在絶版である。今回は、原著者が亡くなる直前の1983年の最終改訂版に依拠した全面新訳であり、原書では巻末にまとめられていた追加と訂正も、本文の該当箇所に挿入した。ドメニコ・スカルラッティは、近代的な鍵盤奏法の確立者としてその名を知られているが、その生涯は多くの謎に包まれていた。本書では、空前の研究調査でその謎に迫るとともに、残された全555曲のチェンバロソナタの分析を通して、その全体像を初めて明らかにしている。資料的価値が高く、カークパトリック番号・ロンゴ番号両方から見たソナタ一覧表や、スカルラッティの家系図も付いている。

目次

図版
序
目次
凡例
訳者注

１　幼年時代
２　若き鷲
３　父からの遺産
４　教会と劇場
５　リスボンの総大司教区
６　スペインの風景
７　音楽狂の治世
８　王家のソナタ
９　スカルラッティのハープシコード
１０　スカルラッティの和声
?　スカルラッティ・ソナタの解剖
?　スカルラッティ・ソナタの演奏

付　録
スカルラッティの家系図
１　スカルラッティ家
２　ドメニコ・スカルラッティとその子孫に関する年齢順の文書
３　楽器に関する文書
４　スカルラッティの装飾法
５　鍵盤作品
６　声楽作品
７　その他，疑わしい，あるいは偽の作品

参考文献
作品目録への覚書
スカルラッティ・ソナタの目録およびほぼ年代順に従った主要資料一覧表
ロンゴ版の順序によるソナタの一覧表

索引

監訳者あとがき
訳者あとがき