脳室を征服する

No.13では脳室病変とその治療をテーマに取り上げた。脳室は脳深部にあり，左右の側脳室から第三・第四脳室へと続く形状を取る。これに正確な手術を施すためにもアプローチには万全を期す必要がある。近年では開頭術に加え内視鏡手術も汎用され，手術や検査に必要とされる知識は一層増している。
本書では側脳室，第三脳室，第四脳室に発症する病変に対し「どのような体位で」「どのようなアプローチで」「どのような手技で」臨めばよいかを記載した。正常な脳をできるだけダメージすることなく病変に到達し，合併症を起こさずに処置するための工夫と注意点が示されている。

【目次】

脳脊髄液循環を再考する
脳室腹腔シャント術 小児の場合，成人の場合
神経内視鏡による第三脳室底開窓術
神経内視鏡による脳室内血腫除去術
神経内視鏡による脳室内腫瘍の生検
側脳室前角腫瘍へのアプローチ Interhemispheric approach， transcortical approach
側脳室三角部腫瘍へのアプローチ
第三脳室腫瘍への前方からのアプローチ
松果体部から第三脳室へ進展した腫瘍に対する後方からのアプローチ
ViewSiteTM を用いた脳室内手術
第四脳室腫瘍へのアプローチ

◆シリーズ わたしの手術記載
1 破裂巨大動脈瘤
2若年性脳動静脈奇形(左前頭葉) Lt. frontal juvenile arteriovenous malformation

伊達 勲