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叢書ビブリオムジカ オーケストラと日本人
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日本のクラシック音楽、100年の軌跡を可視化する! 大正期から今日までの演奏会データを徹底分析し、 わたしたちの音楽文化形成の過程を実証する。 ベートーヴェンなどドイツ音楽への傾倒、 カルメン人気にみる大衆音楽への接続、 そして「正典」を中心に均質化するレパートリー── 大正時代から21世紀初頭まで、 100年間にわたるプロ・オーケストラや 学生オーケストラの演奏会データを分析し、 人気レパートリーの形成と、 一部の作品が「正典」として権威を獲得するまでのプロセスを追い、 さらにヨーロッパやアメリカとの比較をつうじて、 日本人がクラシック音楽とどのように向き合い、 受け容れてきたのかを解き明かす。 日本の音楽文化の真実に実証的にせまる意欲的な研究! ◎目次 序章 クラシック音楽文化はどこから来て、どこへ行くのか ──「正典」への憧憬と挑戦 はじめに 本書の出発点となる問い レパートリーと正典 用語と鍵概念 「正典レパートリー」をめぐる問題 本書の学問上の位置づけ 音楽と社会の接点 音楽制度と音楽生活の研究──音楽社会学と音楽社会史 洋楽受容史を超えて レパートリー形成の実証研究 実証研究のアプローチ オーケストラ演奏会のレパートリー・データ 本書の構成と各章の概要 プロローグ 日本のオーケストラ文化の起点──大正期へのまなざし 第一章 オーケストラ文化の誕生──明治・大正期の音楽生活とアマチュア 一 はじめに 二 学生オーケストラの創設と洋楽愛好家の若者たち 三 学生オーケストラの演奏会と曲目選考 四 初期の演奏会における「寄せ集め」のプログラム 1 慶應義塾ワグネル・ソサィエティー 2 九州帝国大学フィルハーモニー・オーケストラ 五 「シンフォニー・コンサート」の登場 六 結び 第二章 人気レパートリーの形成 ──大正・昭和初期のベートーヴェンの交響曲受容の検証 一 はじめに 二 学生オーケストラの演奏レパートリー・データ(一九〇二-一九四一年) 三 人気レパートリーの二枚看板──ベートーヴェンの交響曲とオペラ抜粋 四 ベートーヴェンの交響曲受容の背景 1 ドイツ音楽中心の「洋楽受容モデル」 2 「記されたもの」から「鳴り響くもの」へ ──ベートーヴェン受容の転換期 3 ドイツ音楽への対抗──フランス音楽、ロシア音楽の受容 4 レパートリーの「画一化」 5 小括 五 人気レパートリーの形成要因の検証 1 仮説「人気曲目はいかなる要因によって決まるのか?」 2 問いの検証結果 六 結び 第三章 カルメンを愛した日本人 ──ジャンルを横断するオペラ抜粋レパートリー 一 はじめに 二 初期の「カルメン」受容 三 大正期の「カルメン」受容の背景 1 堀内敬三による《カルメン》の訳詞 2 「カルメン」の舞台上演──浅草オペラとロシア大歌劇団 四 「カルメン抜粋曲」の普及 五 学生オーケストラの演奏会と「カルメン抜粋曲」 六 結び インテルメッツォ1 第四章 正典と革新──戦後日本のオーケストラ文化とレパートリーの形成要因 一 はじめに 二 プロ・オーケストラの設立と普及──時代背景と社会的環境 1 戦後のインフラ整備 2 人々の意識の変化 3 オーケストラの設立 4 オーケストラの運営形態 5 オーケストラの財政 6 新たな聴衆の開拓 三 分析の観点 1 演奏能力 2 財政的基盤 3 文化政策 4 音楽教育 四 日本のプロ・オーケストラの演奏レパートリー・データ(一九二七-二〇〇〇年) 1 対象団体 2 レパートリー・データの特徴 五 レパートリーに変化をもたらす外部要因の検証 1 仮説「レパートリーに変化をもたらす要因は何か」 2 問いの検証結果 六 結び インテルメッツォ2 第五章 オーケストラ・レパートリーに革新は起きるのか? ──国際比較による検証 一 はじめに 二 分析の観点 1 「正典」の優位性 2 「正典」からの逸脱 3 「革新」の諸要因 三 日本・ドイツ・アメリカのメジャー・オーケストラの演奏レパートリー・データ(一九四六-二〇一四年) 1 対象団体 2 レパートリー・データの特徴 3 指揮者の属性 四 レパートリーに多様性をもたらす指揮者要因の検証 1 仮説「指揮者の多様性はレパートリーに革新をもたらすか?」 2 問いの検証結果 五 結び 1 「指揮者の多様性」が「レパートリーの多様性」を生む 2 オーケストラ文化と「革新」 エピローグ オーケストラ文化の多様性を問う 本書の分析結果 レパートリーの「革新」はなぜ必要なのか オーケストラ文化の多様性と包摂性 あとがき 注記 初出一覧 参考文献 主要索引 ◎著者プロフィール 井上登喜子(いのうえ・ときこ) 東京生まれ。お茶の水女子大学教授。博士(人文科学)。専門は音楽学(西洋音楽史、音楽社会学)。 お茶の水女子大学卒業、同大学院博士課程修了。在学中にハーバード大学大学院留学。お茶の水女子大学助手、東邦音楽大学准教授を経て、現職。オックスフォード大学訪問研究員。 著書に『音楽文化の日本近現代史』(共著。青弓社より近刊)、翻訳書に『「聴くこと」の革命──ベートーヴェン時代の耳は「交響曲」をどう聴いたか』(M.E.ボンズ著。共訳。アルテスパブリッシング)、主要論文に“Western classical music in a non-Western culture: The repertoire of Japanese professional orchestras in the twentieth century”(Poetics)などがある。 井上 登喜子(著)
商品詳細
発売日
2025/2/28
サイズ
A5
ページ数
272
ISBN
9784865593051
楽器
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