アコースティックギターの奏法と言えば、ピックでコードをジャカジャカとストロークしたり、フィンガーピッキングでアルペジオを奏でたりするのが一般的。ロックなサウンドで派手に演奏するエレキギターに比べると地味な楽器だと思われがちだが、アコギにも派手でカッコイイテクニックが数多く存在する。今回はそんなアコギのハイテクプレイの基本を紹介しよう!
解説/松居悠太(『絶対にわかる! 弾けるハイテクアコギプレイ』より)
構成/Go! Go! GUITAR編集部
◆この記事で学べること
・右手奏法の基本1「ネイルアタック」
・右手奏法の基本2「ラスゲアード」
・低音弦と高音弦を分けるピッキング
・スラム奏法にチャレンジ!
右手奏法の基本1「ネイルアタック」
まずはじめに習得してほしい奏法が「ネイルアタック」です。このあとの奏法もネイルアタックのストロークが基本となりますので、ここでしっかり弾けるようにしておきましょう。
ネイルアタック・ストロークはダウンピッキングでは中指と薬指を打弦すると同時に、掌の親指下(Palm)でボディーを叩いています。アップピッキングでは人差指のみ、または人差指と中指の2本で行います。2本同時で行う場合は指をしっかり揃えてピッキングしましょう。ダウンストローク時に手首を少しひねるようにしてパームをボディーにぶつけて同時にピッキングするのがポイントです。
ネイルアタックの構え
パームでボディーを叩く場所
ダウンストロークの準備
ネイルアタックのダウンピッキング
アップピッキング
ネイルアタックの基本的な動きがつかめたら、ネイルアタック・ストロークの実践フレーズに挑戦しましょう。前半はダウンアップを交互に繰り返す基本のエイトビートストローク、後半はシンコペーションを含むストロークです。ピックを使ったストロークと同様、伸ばしているタイミングでも右手の動きは止めずに空振りを入れてリズムをキープしましょう。
右手奏法の基本2「ラスゲアード」
ラスゲアードはフラメンコ奏法の1種で、右手の小指または薬指から順番に時間差を付けて「ジャララ~ン」とストロークする奏法です。実際に鳴らしたいタイミングより早めに弾き始め、各指がしっかりバラバラになって遅れて弾ける程綺麗に聞こえます。
指を閉じた状態から、
順番に指を開き、
ジャララ~ンと鳴らす
低音弦と高音弦を分けるピッキング
高音弦の音を残しながら低音弦をストロークするプレイです。前半はそれぞれ最初にラスゲアードで全弦を鳴らし、1~3弦の音を残しつつ低音弦をダウンアップで弾きます。低音を弾くときは極力高音弦に当てずにピッキングしましょう。後半はダウンピッキングは低音弦、アップピッキングは高音弦と分けて弾きます。アップピッキングした後、手首をいつもより大きくひねると分けて弾きやすくなります。
スラム奏法にチャレンジ!
スラム奏法は指板上(だいたい15~20フレットあたり)を弦ごと右手(人差指、中指、薬指)で叩いて押さえてパーカッシブな音を出す奏法です。ネイルアタック・ストロークの中で一定のリズムで叩くことにより、ドラムのスネアのようなサウンドを作ることができます。指板上を叩く際に全弦の音を止めるのが基本ですが、低音弦だけ叩いて高音弦を鳴らしたままにしたり、高音弦だけ叩いて低音弦を鳴らしたままにしたりする場合もあります。叩いたあとは叩いた指を引っ込めるようにしてアップピッキングします。
弦を止めているフォーム
低音弦だけ止めているフォーム
高音弦だけ止めるときは親指を立ててボディーに添えることで低音弦に触れないようにする
今回はアコギのハイテクプレイ、いわゆる“叩き系”と呼ばれる奏法の基本をご紹介してきました。まだまだ奥が深い奏法なので、興味のある方はハイテクアコギプレイのノウハウが詰まった『絶対にわかる! 弾けるハイテクアコギプレイ(動画対応版)』でぜひじっくり練習してみてください。
今回取り上げたフレーズはアコギ、エレキのどちらでも使えるものなので、エレキ編、アコギ編それぞれクリアできたらもう一方のフレーズにもチャレンジしてみよう。継続は力なり!! 1日5分、毎日続けていこう!
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