サウンドが生まれ変わる!エフェクターのつなぎ方 後編:歪み系ペダルを最大限に使いこなす!【Go!Go! GUITAR プレイバック】


変幻自在のサウンドを生み出す“魔法”のようなツール、それがエフェクターだ! 後編では、もっともポピュラーなペダルである歪み系エフェクターに注目し、接続順による効果の違いやコツを学んでいこう!

 

歪み系ペダルはギタリストのアイデンティティだ!

歪み系ペダルの歴史は、1960年代前半までさかのぼる。アンプをドライブさせるためにファズが誕生し、70年代後半にオーバードライブ「OD-1」(BOSS)とディストーション「M104 Distortion+」(MXR)が誕生。ギタリストの個性を決定付けるペダルとして、現在はさまざまなメーカーから多彩なモデルが発売されている。

 

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まずは歪み系ペダルの種類と活用法をチェックしようぜ!

 オーバードライブ  
1台は持っておきたい定番ペダル
バッキング/リード問わず、もっとも汎用性の高いエフェクターと言えばコレ。アンプのボリュームを上げたような自然な歪みで、ポップス/ロックをはじめ幅広い音楽ジャンルで使用。ギタリストであれば、必ず1台は手に入れておきたい定番のエフェクターだ!

 ディストーション  
リード/ソロに最適な歪み!
オーバードライブよりも深い歪みを持ったペダルがディストーションだ。その名前が登場したのは、70年代後期に発売されたMXR のM104 Distortion+。70~80年代のHR/HMブームで広く認知され、バリエーションを増やしていった。リード/ソロなどで多用される。

 ファズ  
ぶっちぎりの歪みサウンド!
実は歪み系ペダルの中で、もっとも歴史が古いのがファズだ。誕生は50年代後半で、ジミ・ヘンドリックスの使用によって一躍有名に。語源は“ファズ=毛羽立った”に由来していて、破壊的な歪みサウンドを放つ。個性的な歪みを狙うなら有効。

 

 

Pattern① 歪み系入門者はまずはコチラ!

歪み系エフェクター1台での音作り

エフェクターの接続後編(1)


歪み系ペダルを購入したばかりの読者が、まず通るのがこちらのセッティングだ。アンプ側をクリーンサウンドに設定し、それをエフェクター1台で歪ませるパターン。ペダルのオン/オフでクリーンと歪みを切り替えることができる。汎用性の高い自然な歪みが欲しい人はオーバードライブ、より激しいハードロック系のサウンドが欲しい人はディストーションを使おう。

アンプのセッティングはどうする?

エフェクターの接続後編(2)

▲アンプ側をクリーンに設定することで、エフェクターの特性を引き出すことができる。

エフェクターのセッティングはどうする?

エフェクターの接続後編(3)

▲歪みは上げると気持ち良く感じるが、バンドアンサンブルでは歪みを上げすぎると音が埋もれがちなので控えめに。
 

エフェクターの接続後編(4)

▲ディストーションはツマミを上げすぎるとノイズやハウリングの原因に。ボリュームはオフと同じくらいの音量に。

 

 

Pattern② いろいろな歪みサウンドを作りたい!

歪み系エフェクター2台での音作り
 

エフェクターの接続後編(5)

歪み系ペダルを2台に増やすことで、サウンドバリエーションは増し、多様なシーンに対応できるようになる(アンプ側はクリーンに設定)。軽い歪み/深い歪みなど、メインの歪みサウンドが2種類欲しくてそれを切り替えたい場合。オーバードライブ(またはディストーション)でベーシックな歪みサウンドを作り、ギターソロでプラスαで歪みを加えたい場合などに対応する。

●エフェクターのセッティングはどうする?

エフェクターの接続後編(6)

▲曲によってメイン歪みの質感を変えたい場合は、ペダルを2台用意。使うときはどちらかがオン、どちらかがオフの状態で使用する。

 

エフェクターの接続後編(7)


▲曲の中のある場所のみ音量/歪みを持ち上げたい場合もあるはず。そんなときは、ベーシックな歪み系ペダルを常にオン、音量/歪みを持ち上げたい場面でもう1台もオンにする(ブースト)。このブースターをメインの歪みの前後どちらかに置くかで音のニュアンスが異なる。ブースターとして使うときは歪みは少なく、音量は大きくセッティングしよう。

 

 

Pattern③ アンプの歪みもそのまま使いたい!

アンプの歪みを使ったセッティング
アンプが本来持っている歪みサウンドを使いたい場合、アンプで歪ませてさらにエフェクターをオンにすることでより深い歪みを作ることができる。必然的にクリーントーンは出せなくなるが、ギター側のボリュームを絞る(下げる)&ピッキングを弱めることで、そこそこ歪み量を落とすことも可能だ。


エフェクターの接続後編(8)
 

●アンプのセッティングはどうする?

エフェクターの接続後編(9)

▲アンプ側はクランチ程度に設定。アンプ側で歪ませすぎると、エフェクトオン時に歪みが飽和状態に。歪みを抑えることで、エフェクターの歪みの“乗り”を良くする。

●エフェクターのセッティングはどうする?

エフェクターの接続後編(10)

▲この場合、歪みエフェクターはブースター的な使い方が有効。DRIVE(歪み)を抑えて、LEVEL(音量)を上げよう。音量と歪みの両方を底上げするセッティングだ。


 Column 1 
ライブの曲間やMC のときはスイッチは“オフ”に
ライブの曲間など静かな場面で、歪み系ペダルのスイッチがオンの状態だと“ジー”というノイズが鳴ってしまう。エフェクターのスイッチをオフにすればノイズが鳴ってしまう心配はない。さらに、ギター側のボリュームをゼロにすれば、より確実にノイズを抑えることができるのだ!

 Column 2 
電池 or パワーサプライ、それぞれのメリット/デメリット
電池は煩わしい配線もなく手軽に使えるのがメリットだが、消耗品なので定期的に交換が必要。パワーサプライは安定した電源供給が可能だが、配線が増えたり機材の相性によってはノイズが発生することもある。エフェクターの数や予算など、よく考えて自分に合ったものを選ぼう。


(Go!Go!GUITAR 2016年7月号に掲載した内容を再編集したものです)

 

Edit:溝口元海

 

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