クラシック音楽の名作を生み出した作曲家たちを、3分程度で読み切れる短い伝記としてご紹介します。しかし、どの人物もその人生を3分で語り尽くすことはできません。今回は代表的な9つの視点に絞ってご紹介しますが、より深く知ることで演奏にも大きな違いが生まれる瞬間があるでしょう。もしこの記事に物足りなさを感じたり、さらなる背景が知りたいと感じた場合、それは「学びの扉が開いた瞬間」とも言えます。ぜひご自身でさらに深く追求してみてください。
本シリーズでは、選曲や演奏に役立つ小さな手掛かりとなるように、そしてご自身の深い学びのきっかけとなるようご紹介していきます。
第3回目で取り上げる作曲家は「ヨハン・シュトラウス2世」です。
1.ウィーン文化の象徴
ヨハン・シュトラウス2世(1825-1899)は、生まれ故郷であるオーストリアのウィーンを中心に活躍した作曲家・指揮者。生涯のほとんどをウィンナ・ワルツ、ポルカなどの作曲に捧げました。
2.音楽一家の出身
父親は「ワルツの父」と呼ばれたヨハン・シュトラウス1世、弟はヨーゼフ・シュトラウスという音楽一家。幼少期から音楽に囲まれて育ち、6歳で最初のワルツ「最初の思想」を作曲しました。
3.一度は音楽を捨てる
音楽家という不安定な職業につくことを父1世から反対され、一度は音楽を諦め商業を学びました。しかし音楽への情熱が再燃し、作曲活動を再開。父1世を上回る勢いを持ち、18歳という若さで音楽界に華々しくデビューしました。
4.舞踏会の音楽
シュトラウス2世の代表作『美しく青きドナウ』は、1867年に発表されウィーンを象徴する曲として世界的に愛されています。他にも『ウィーンの森の物語』『皇帝円舞曲』などよく知られたワルツを数多く生み出し、別名「ワルツ王」とよばれました。
5.シュトラウス2世のワルツ
シュトラウスⅡ世のワルツは、豊かなオーケストレーションに加えて、反復・音の重なり・リズムに様々な手法が凝らされています。これにより、ただのダンス音楽としてだけではなく「鑑賞」にむけた芸術性の高さを兼ね備えていることが特徴です。
6.オペレッタの成功
シュトラウス2世は、オペレッタにも多大な貢献をし、名作『こうもり』『ウィーン気質』などが大ヒットしました。これらは今でも世界中で愛され、数多く演奏されています。
7.同世代からの評価
ヨハン・シュトラウス2世は、同時代に活躍した音楽家たちから高く評価されていました。なかでも注目すべきは、【ブラームスとワーグナー】【ブラームスとブルックナー】のように、当時音楽界を二分するほど対立していた作曲家が、どちらも同じく彼を絶賛していたことです。
8.華やかな結婚遍歴
シュトラウス2世は、3度の結婚を経験しています。1度目は11歳年上の「ヘンリエッテ」と、2度目は27歳下の歌手「アンゲリカ」と、3度目は35歳年下の「アデーレ」と結婚。彼にとって最後の結婚が1番幸せだったと言われています。
9.晩年と遺産
晩年は健康を害しながらも、作曲を続けました。シュトラウス2世の音楽はウィーンの伝統を現代にまで伝え、今なお多くの人々に愛されています。ウィーンの市立公園内に建てられた黄金の記念像は、その証とも言えるでしょう。
シュトラウス2世は2025年に生誕200年を迎えます。サイト内【作曲家 アニバーサリー 2025】では代表作のおすすめ商品をご覧いただけます。その他アニバーサリーを迎える作曲家もご紹介していますので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
(※この記事は『Sheet Music Store』のInstagramアカウントで投稿された内容を記事形式で掲載しています。)
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