内容:I. 前奏曲、おとぎ話は始まる II. ウィーンの音楽時計 III. 歌 IV. 戦争とナポレオンの敗北 V. 間奏曲 VI. 皇帝と廷臣たちの入場 ハンガリーの作曲家コダーイの作品のなかでも、とりわけ〈ハーリ・ヤーノシュ〉はよく知られた一曲です。ハーリ・ヤーノシュとはハンガリーの歴史上の人物で、かつてナポレオン戦争を戦った兵士でした。老いて兵役を退いた彼は、きょうも酒場にたむろして過去の手柄話を語ります。若き日の農民ハーリが大都会ウィーンを訪れた際の驚きから、恋人との思い出、ナポレオン戦争での合戦に勝ってふたたびウィーンの王宮に凱旋する場面まで、想像力とユーモアに満ちたハーリ・ヤーノシュの語りが音楽で描かれています。日本では吹奏楽のレパートリーとしても知られる一曲ですが、実は元々オペラとして作曲され、後に組曲へとまとめられました。オリジナルの管弦楽スコアを眺めれば、また何か新たな発見があるかもしれません。