エドワード・エルガーはイギリスを代表する作曲家です。イギリス人はよく「シェイクスピア」から引用しますが、「威風堂々」の原題「Pomp and Circumstance」もシェイクスピアの「オセロ」の台詞「輝かしい戦いの盛儀盛宴」から採られています。日本では、昭和14年のレコード目録を見ると、「威風堂々たる陣容」となっていて、愛国的軍楽行進曲と受け取られていたようです。確かにミリタリー・マーチとして書かれたのですが、日本に於ける軍歌とは全く違うイメージで、オーケストラで演奏される洒落たコンサートマーチに出来上がっています。5曲ある内の、1番と4番には、後に歌詞を付けて歌われるようになった、堂々として品格のあるトリオの旋律があります。4番は1番に次いで人気があり、そのトリオの旋律は「自由の歌」として第2次世界大戦中、イギリス人によって愛唱されました。