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SR-099 テレマン ソナタ集 第7巻
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★冊子・・・A4サイズ(スコア36ページ、別冊リコーダーパート譜24ページ、別冊バスパート譜20ページ)
★CD・・・2枚
収録内容=各種テンポによる伴奏、リコーダー演奏例
※チェンバロ伴奏演奏はすべて石田誠司(デジタルサンプリング音源による)
★有償サポート・・・バロックピッチ伴奏CD(2枚組 1200円+税)
※製品に申し込み用紙が付属しています。
装飾範例つきソナタ 第10番
★解題★
『装飾範例つきソナタ集』は、緩徐楽章について、作曲者自身が装飾のお手本を示して、アマチュアの学習の便に供しようというコンセプトのソナタ集です。第1番~第6番が「ヴァイオリンまたは横吹きフルート用」(1728年)、第7番~第12番が「横吹きフルートまたはヴァイオリン用」(1732年)として、いずれもハンブルグで出版されました。
そういうわけで、残念ながらアルトリコーダー用の版は伝わっていません。しかし、使われている音域をみると、最高音がかなり低めに押さえられており、3度ほど高く移調してアルトリコーダーに転用することをきっと視野に入れていたろうと推測できます。いずれにせよ、いつもアマチュア愛好家の必要に応えようとしていたテレマンならではのアイデアが形になった、すばらしい作品集です。
★解説★
変ロ長調の原曲をアルトリコーダーで演奏できるように変ホ長調に移調しました。保続音(オルゲルプンクト=低音で長く音を伸ばす)の印象的な使用が多くの楽章でみられるのが特徴的です。
第1楽章はラルゴ(ひろびろと)と指定され、2分の3拍子。この楽章にテレマンによる装飾範例が併記されています。元の旋律はゆったりと歌っていく比較的シンプルなものです。装飾範例のほうは多彩な変奏をとり入れた彫りの深いもので、こけ脅しの技巧に走らない音楽的な豊かさに唸らされます。
第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の2拍子です。歯切れよく調子よく進む音楽で、そう速い音符が多数続く箇所はないのですが、大きな跳躍進行が多いので、ちょっと練習を要するかも知れません。強弱の面白い効果もあって、ほのかなユーモアも感じられる佳品です。
第3楽章はドルチェ(柔らかに)、8分の3拍子。指定を重視するなら、かなり遅いテンポで演奏してもいいのかも知れません。前半・後半それぞれの最後にある保続音の部分が、いずれもデリケートな効果があって魅惑的です。
第4楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、8分の6拍子です。16分音符によるジグザグ下降の分散和音音型を主要モチーフとして、全体として活発な感じで音楽が進みますが、ところどころ柔らかな表情もみせ、内容は変化に富んでいます。最後にちょこっとだけ現れる保続音(とみてもいいでしょう)の効果も心憎い。
第5楽章はアレグロ、8分の12拍子です。分散和音を中心とする輝かしいファンファーレのようなテーマが扱われ、はなやかに音楽進みますが、ここでも第3楽章と同様に、前半・後半のそれぞれ最後近くに現れる保続音がすばらしい効果を上げています。
※ 演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
第1楽章(B2)
第1楽章・テレマンによる装飾例(C1)
第2楽章(C2)
第3楽章(B3)
第4楽章(C2)
第5楽章(C2)
※カッコ内の表記は指回り難度です
※リコーダー演奏: 石田誠司 チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司
装飾範例つきソナタ 第11番
★解題★
『装飾範例つきソナタ集』は、緩徐楽章について、作曲者自身が装飾のお手本を示して、アマチュアの学習の便に供しようというコンセプトのソナタ集です。第1番~第6番が「ヴァイオリンまたは横吹きフルート用」(1728年)、第7番~第12番が「横吹きフルートまたはヴァイオリン用」(1732年)として、いずれもハンブルグで出版されました。
そういうわけで、残念ながらアルトリコーダー用の版は伝わっていません。しかし、使われている音域をみると、最高音がかなり低めに押さえられており、3度ほど高く移調してアルトリコーダーに転用することをきっと視野に入れていたろうと推測できます。いずれにせよ、いつもアマチュア愛好家の必要に応えようとしていたテレマンならではのアイデアが形になった、すばらしい作品集です。
★解説★
第1楽章はアンダンテ(歩くように)と指定され、4分の4拍子です。この楽章に、テレマンによる「装飾範例」が併記されています。装飾を行わない元のほうでもそんなに大雑把なものではなく、部分的には32分音符まで登場するほどなので、これを装飾した範例のほうは32分音符がふんだんに用いられたキメ細かい動きになっています。
第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子で、テレマンらしいスポーティーな魅力のあふれる傑作楽章です。ただ、リコーダーではヘ短調というやや難しい調になっていますので、部分的にはかなり難しいクロスフィンガリングがあります。
第3楽章はテンポ・ジュースト(一定のテンポで)と指定され、4分の3拍子です。おだやかで美しい曲ですが、分散和音音型をスラーできれいに奏するのはなかなか難しく、運指技術の差が出てしまいやすそうです。
第4楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、8分の3拍子。やや自由なロンド形式とみてよいでしょう。ロンド主題は多彩なリズム型を用い、「ひとり2声部」になるモチーフ(5~8小節)を効果的に用いた印象的なものです。第1副主題部は変イ長調に始まり、途中変ロ短調を通ったあと、最後はハ短調で華やかな2声部のモチーフで終わる、いくらか「展開部」的な匂いもあるものです。続いてロンド主題を繰り返したあと、第2副主題部は完全にヘ長調になり、やや時代を先取りした感のあるチャーミングなエピソードです。そのあと、単純にロンド主題を回帰させるのでなく、一度、第1副主題を回想し、さらにロンド主題を長調で示すなどの変化をみせ、いわば「第2の展開部」のような音楽。そして、最後にロンド主題で全体をしめくくります。
第5楽章は再びアレグロで、4分の2拍子の短い楽章です。弱拍から始まるのが独特な感じです。32分音符を含む速いスラーのモチーフにクロスフィンガリングが含まれ、なかなかやっかいですが、軽妙な面白い終曲です。
※ 演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
第1楽章(B3)
第1楽章・テレマンによる装飾例(C2)
第2楽章(C2)
第3楽章(B3)
第4楽章(C2)
第5楽章(C1)
※カッコ内の表記は指回り難度です
※リコーダー演奏: 石田誠司 チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司
装飾範例つきソナタ 第12番
★解題★
『装飾範例つきソナタ集』は、緩徐楽章について、作曲者自身が装飾のお手本を示して、アマチュアの学習の便に供しようというコンセプトのソナタ集です。第1番~第6番が「ヴァイオリンまたは横吹きフルート用」(1728年)、第7番~第12番が「横吹きフルートまたはヴァイオリン用」(1732年)として、いずれもハンブルグで出版されました。
そういうわけで、残念ながらアルトリコーダー用の版は伝わっていません。しかし、使われている音域をみると、最高音がかなり低めに押さえられており、3度ほど高く移調してアルトリコーダーに転用することをきっと視野に入れていたろうと推測できます。いずれにせよ、いつもアマチュア愛好家の必要に応えようとしていたテレマンならではのアイデアが形になった、すばらしい作品集です。
★解説★
第1楽章はアンダンテ(歩くように)、4分の4拍子で、この楽章にテレマンによる「装飾範例」が付記されています。速いテンポではありませんが、わりにさっさか進む感じの音楽です。最後に印象的なフェルマータを挟んで収束します。装飾のほうは、旋律を多彩なリズム分割によって細かく縁取っていくおもむきものものです。
第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の3拍子です。シンコペーションを利かせて弾むような運動性を持つテーマに始まり、かろやかな分散和音のゼクエンツ、そして大きな跳躍により2声で描く副主題が導入され、くるくると旋回する16分音符のモチーフを活用して前半をしめくくります。後半部は展開の音楽のように始まり、副主題が戻ってくることにより「再現」の雰囲気の音楽になり、収束に向かいます。
第3楽章はプレスト(速く)、4分の4拍子の長大な楽章です。ところどころに通奏低音による短い間奏をはさみながら進むのがひとつの特徴だと言えるでしょう。全体はかなり自由で独創的な形式ですが、軽妙な主要テーマにつづいて、力強い副主題や、哀愁を帯びた魅惑的な副主題などをつぎつぎと繰り出して音楽を進め、いったん通奏低音の後奏により完全終止してひとくぎりをつけ、テーマをハ短調で演奏することから始まる中間部に進みます。中間部の終わりにはタスト・ソロ(通奏低音が低音の保続音となって和音の演奏をやめる)に乗って、華やかに、また自由に奏する感じの句が挟まれたあと、アダージョ(遅く)になって、ト短調(原曲ではホ短調)で完全に終止してから、曲の頭に戻るという、すこし珍しい指定になっています。
第4楽章はドルチェ(甘美に)、4分の6拍子で、ハ短調(原曲ではイ短調)で始まります。ゆったりした旋律と細かい装飾的な動きの対照。ハ長調の可憐な中間部をはさんで、また最初の音楽が戻ります。
第5楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、8分の6拍子で、前半・後半をそれぞれ繰り返す形式です。2楽章と同様にシンコペーションに特徴のあるリズム感で始まる、まさに vivace な音楽ですが、前半・後半ともに収束近くで出てくる、低音保続音に乗ったただようようなモチーフが、じつに新鮮な魅力で輝いています。
※ 演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
第1楽章(B2)
第1楽章・テレマンによる装飾例(C2)
第2楽章(C2)
第3楽章(C2)
第4楽章(C1)
第5楽章(C2)
※カッコ内の表記は指回り難度です
※リコーダー演奏: 石田誠司 チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司
収載曲
[1] ソナタ集 第7巻
作曲: テレマン
商品詳細
発売日 |
2018/9/1 |
ページ数 |
80 |
JAN |
4571325247501 |
ISBN |
9784862665805 |
楽器 |
リコーダー |
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