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SR-100 マンチーニ ソナタ集 第2巻
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★冊子・・・A4サイズ(スコア32ページ、別冊リコーダーパート譜20ページ、別冊バスパート譜12ページ)
★CD・・・2枚
収録内容=各種テンポによる伴奏、リコーダー演奏例
※チェンバロ伴奏演奏はすべて石田誠司(デジタルサンプリング音源による)
★有償サポート・・・バロックピッチ伴奏CD(2枚組 1200円+税)
※製品に申し込み用紙が付属しています。
ソナタ 第4番 イ短調
★解題★
マンチーニの「リコーダー(またはヴァイオリン)と通奏低音のための12のソナタ」は1724年にロンドンで出版されました。スカルラッティの下で働きながらも作曲家としてもっとも充実した時期に書かれた作品とあって、まんまんたる意欲がみなぎり、内容的に充実した、すばらしい作品集となっています。
リコーダーのための多数のバロックソナタの中にあっても、激しい転調を駆使して濃厚な情緒をかもし変幻自在の表情を見せるマンチーニのソナタは、欠かすことのできない大切なものだといえるでしょう。
★解説★
4つの個性的な楽章から成っており、対位法的な技量も存分に発揮されたマンチーニらしい力作、そして傑作です。
第1楽章はスピリトーゾ(元気に)、4分の4拍子です。同音連打から音階で下ってくる特徴的なモチーフで始まり、低音と後になり先になりと役割を交替しながら力強く音楽を進めます。下降音階でなく上行音階を用いる「反行形」(やや崩れていますが)も導入して、やがて半終止すると、ラルゴ(広びろと)、4分の3拍子のエピローグにより楽章をしめくくります。
第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子。フーガふうの音楽で、まるまる4小節と1拍という長い主題を扱い、ゆるみなく、また非常に面白く書かれたすばらしい楽章です。気を抜く間のない密度の高さ、そして堂々たる圧巻のボリュームで、マンチーニの力をまざまざと見せつけられます。
第3楽章はラルゴ、4分の4拍子で、ヘ長調の印象鮮やかで晴朗なテーマで始まります。しかし、途中は短調に傾いて劇的な表現もみせ、複雑な味わいの楽章となっています。最後はヘ長調の属和音(ということはハ長調の主和音ですが)で、余韻を残して終わります。
第4楽章はアレグロ・スピッカート(弓を跳ばして)と指定されています。スピッカートはヴァイオリンなどの演奏技法(弓を弦の上で弾ませて速い音型を歯切れよく奏する)です。しかし、ヴァイオリンで奏するときでも、スピッカートを用いたいのは2連続の32分音符を含むモチーフ(10小節などに何度か出てくる)だけでしょう。リコーダーの場合はそこをダブルタンギングをまじえて処理しておけば、「スピッカート」に準ずる感じが出ると思います。
第1楽章(C-2)
第2楽章(C-1)
第3楽章(B-3)
第4楽章(C-2)
※カッコ内は指回り難度です。
ソナタ 第5番 ニ長調
★解題★
マンチーニの「リコーダー(またはヴァイオリン)と通奏低音のための12のソナタ」は1724年にロンドンで出版されました。スカルラッティの下で働きながらも作曲家としてもっとも充実した時期に書かれた作品とあって、まんまんたる意欲がみなぎり、内容的に充実した、すばらしい作品集となっています。
リコーダーのための多数のバロックソナタの中にあっても、激しい転調を駆使して濃厚な情緒をかもし変幻自在の表情を見せるマンチーニのソナタは、欠かすことのできない大切なものだといえるでしょう。
★解説★
5つの楽章から成り、ニ長調(#が2つ)であるために指づかいが難しい箇所もありますが、緩徐な楽章の叙情的な魅力、快速なフーガ楽章の爽快感、そして軽妙な終曲まで、スキのない出来栄えで、マンチーニの12曲のソナタ中でも屈指の名品だと言えましょう。
第1楽章はアレグロ(快活に)と指定された8分の3拍子の楽曲で、音階的な動きを中心としつつ、リズム感に工夫があって、2拍子系(16分の6拍子)の感じになる箇所をたくみに織り交ぜた、面白い音楽になっています。属和音で軽く終わりますので、間を置かずに第2楽章に入るのでしょう。
第2楽章はラルゴ(広びろと)、4分の4拍子です。次々に転調していきながら語り進めるのはマンチーニによくあるつくりで、それがときには強引な感じを与えることもあるのですが、この曲では非常に成功していると思います。後半のゼクエンツも美しく、心に染みる楽章です。なお、この1・2楽章を一体の音楽と考えて、全体を4楽章ととらえる考え方も有力です。
第3楽章は再びアレグロで、2分の2拍子のフーガふうの楽章です。力強くリズミカルでたいへんイキのいいテーマを扱い、途中に挟まれるエピソードは対照的にやわらかな表情を持っています。終結部は、たたみかけるようなスピード感を持っていますが、「終わりかな?」と思うと何度も念押しがあるのはマンチーニらしいところ。
第4楽章は再びラルゴ、4分の4拍子。こんどは第2楽章と違ってニ長調の平行調・ロ短調で始まります。晴朗だった音楽から一転して、全体に沈痛なおもむき。しかし最後は少し明るんで、ニ長調の属和音(イ長調の主和音ともみることができますが)で半終止となり、すぐに第5楽章に続きます。
第5楽章は、第1楽章と同じくアレグロの8分の3拍子ですが、ノリはまるで違い、これはシンプルなリズム感の、踊るような終曲になっています。しかし、型通りの舞曲にありがちな4小節・8小節単位の楽節を積み重ねる音楽ではなく、随所に工夫の凝らされた内容のある楽曲になっています。
第1楽章(C-2)
第2楽章(B-2)
第3楽章(C-2)
第4楽章(B-2)
第5楽章(C-2)
※カッコ内は指回り難度です。
ソナタ 第6番 変ロ長調
★解題★
マンチーニの「リコーダー(またはヴァイオリン)と通奏低音のための12のソナタ」は1724年にロンドンで出版されました。スカルラッティの下で働きながらも作曲家としてもっとも充実した時期に書かれた作品とあって、まんまんたる意欲がみなぎり、内容的に充実した、すばらしい作品集となっています。
リコーダーのための多数のバロックソナタの中にあっても、激しい転調を駆使して濃厚な情緒をかもし変幻自在の表情を見せるマンチーニのソナタは、欠かすことのできない大切なものだといえるでしょう。
★解説★
4つの楽章から成り、マンチーニの力量が存分に発揮された、スキのない名品です。
第1楽章はラルゴ(広びろと)、4分の3拍子です。堂々とした開始から、テーマをたくみに展開しながら音楽を進めます。変ロ長調からヘ長調、ト短調、ニ短調と移っていったあと、変ロ長調でテーマを回帰させると、収束に入っていきますが、終わるとみせかけて一度はぐらかしてからしめくくり直す持って行きかたは、マンチーニ流の「お約束」とはいえ、きれいに決まっています。
第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子で、フーガの手法を取り入れた対位法的な色彩の強い楽章です。軽快なテーマをリコーダーが変ロ長調で提示するのに対して低音がヘ長調で応答することで始まります。次の主題提示(17小節低音)までの推移にあたる部分でリコーダーに16分音符が連続するくるくると回るような音型が出てきて(8小節)、以後の音楽で重要な役割を果たします。同時に、この音型が指回りの点ではたいへん厄介で、この楽章の難しさの原因になっています。しかし、音楽的には主題の展開も遺憾がなく、緊密に構成されていて、すばらしい内容の楽章です。
第3楽章は再びラルゴで、4分の4拍子です。ト短調で始まって、付点音符のハネるリズムで音楽に生気を注ぎ込みながら、ナポリ楽派の作曲家らしい激しい転調を連ねていきます。最後はフリギア終止で第4楽章を呼びます。
第4楽章は再びアレグロで、4分の2拍子ですが、いきなり三連符のテーマで始まり、ジークのようなノリの音楽になっています。付点のハネるリズムが混用されていますので、これもジークのノリで三連系「2:1」のリズムと解するのを基本にしてよいと思いますが、やはり少し厳しめにとってやるほうが音楽が引き締まるかも知れません。
第1楽章(B-2)
第2楽章(C-2)
第3楽章(B-3)
第4楽章(C-2)
※カッコ内は指回り難度です。
F. マンチーニ
~~ナポリ楽派の俊英~~
★アレッサンドロ・スカルラッティの好敵手★
フレンチェスコ・マンチーニ(1672年~1737年)は、ナポリに生まれナポリに没した作曲家です。当地で重きをなしていたアレッサンドロ・スカルラッティの地位(宮廷礼拝堂楽長)を虎視眈々と狙っていたようで、スカルラッティがローマに移った留守中に頭角をあらわしました。しかしのちにスカルラッティがナポリに戻ると、再びその下で働かざるを得ませんでした。スカルラッティの死後は後任として活躍したとはいえ、結果的にはつねに先輩・スカルラッティの後塵を拝さざるを得なかったマンチーニ。スカルラッティがそれだけ偉大だったということでしょうか。
多数のいろいろな宗教曲のほか、29曲のオペラ、7曲のセレナータ、12曲のオラトリオ、200曲を越す世俗カンタータを残しました。器楽曲はあまりたくさん書かなかったようです。しかしその中に12曲のリコーダーソナタ(1724年)と24曲の室内協奏曲(リコーダーと2つのヴァイオリンと通奏低音という編成 1725年)が含まれており、いずれもよく演奏されるレパートリーになっています。
★急減な転調の多い劇的なスタイル★
マンチーニらが属した「ナポリ楽派」の曲は、予期せぬような転調の多い劇的な表現に特徴があるとされ、マンチーニのソナタにもそういう傾向がみられます。しかし、それだけではなくて、旋律性がゆたかで規模も大きな堂々たる作風です。
収載曲
[1] ソナタ 第4番 イ短調
作曲: マンチーニ
[2] ソナタ 第5番 ニ長調
作曲: マンチーニ
ソナタ 第6番 変ロ長調
作曲: マンチーニ
商品詳細
発売日 |
2018/10/1 |
JAN |
4571325247600 |
ISBN |
9784862667014 |
楽器 |
リコーダー |
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