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RP シックハルト コレルリの合奏協奏曲によるトリオソナタ第1番
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★冊子
・スコア冊子(曲目解説、アルトリコーダー運指表つき) 20ページ
・別冊リコーダーパート譜2冊 各 8ページ
★付属CD 内容
(1)各楽章の伴奏
(2)伴奏にリコーダー演奏を合わせた演奏例
(3)各楽章につき(1)と異なるテンポによる伴奏をいくつか収録
(4)上級者向け「バロックピッチ(A=415Hz)」による伴奏
※チェンバロ伴奏演奏はすべて石田誠司(デジタルサンプリング音源使用)
★収録曲の難易度(指回り難度)
第1楽章 B2
第2楽章 C1
第3楽章 C1
第4楽章 B3
第5楽章 C1
★解題★
「12の合奏協奏曲集 作品6」は、大作曲家コレルリ晩年の最高傑作です。これを、バロック時代のリコーダー音楽の大作曲家・シックハルトが、アルトリコーダー2本と通奏低音のためのトリオソナタに編曲したのが、「コレルリの合奏協奏曲による12のトリオソナタ」です。まさに、作曲者・編曲者ともに最高の人を得た、名品と言えるでしょう。
★解説★
5つの楽章から成り、協奏曲第6番、第9番、第10番の3曲から楽章が集められているのですが、最後の第5楽章・ジークだけは、どうやらコレルリに由来するものではなさそうです。少なくとも、合奏協奏曲集・作品6のなかには、この曲の原曲らしきものは見当たりません。
第1楽章は、ラルゴ(ひろびろと)、4分の4拍子で、合奏協奏曲第9番の第1楽章・プレリュードが原曲です。原曲は、いかにもバロックの前奏曲らしい、重い付点リズムの、ややゴツゴツした曲ですが、シックハルトはそれを、リコーダーのトリオソナタらしく少し歌謡的にやわらげています。
第2楽章はアルマンドで、アレグロ(快活に)と指定されています。合奏協奏曲第10番のアルマンドが原曲で、ハ長調だったのをヘ長調に移調編曲しています。「高いところから下っていく快適さ」というのがコレルリの音楽の魅力的な部分になっていることは多いのですが、ここでも典型的にそれが味わえます。
第3楽章は8分の3拍子で、アレグロと指定されていますが、原曲は合奏協奏曲第9番のなかの、「ヴィヴァーチェ(生き生きと)」と指定のあるメヌエットです。原曲の味わいもよく生きた、かろやかな楽章になっています。
第4楽章はアレグロ、4分の2拍子で、颯爽とした快速楽章です。原曲は、合奏協奏曲第6番の終曲ですから、この意味でも、全曲をしめくくるのにふさわしい音楽なのです。そこへ、さらに短い第5楽章をつけ加えたシックハルトの処理は、なにかいわくがあるのかも知れません。
第5楽章が、問題のジークです。いかにも小粒ではありますし、どちらかといえば平凡な感じのテーマを扱う曲ではありますが、しかし、実に流麗で、なつかしいような風情を持っており、それなりに佳品であるのは確かです。
<J. C. シックハルト>
~~快活で気持ちのいい音楽性~~
★群小作曲家の一人?★
ヨハン・クリスティアン・シックハルトはバッハやヘンデルとだいたい同年代の作曲家で、スウェーデン国王に仕えたかと思うとハンブルグに足跡を残しており、さらにバッハも一時期仕えたことで知られるケーテンの宮廷に抱えられたりと、北ヨーロッパ各地を転々としながら作曲活動を続け、最後はオランダに腰を落ち着け、そこで1762年に没したといいます。
このように転々とせざるを得なかったのは、しっかりした定職を持つことができるほどの才能のない、群小作曲家の一人だからだ・・・などと見下すようなことを言われたりもする人です。が、果たしてそう言ってしまっていいものでしょうか。
★アマチュア奏者たちに大人気だったシックハルト★
シックハルトには、両手でリコーダーを持って、今にも吹こうとしている(あるいは今演奏が終わったばかりといった感じの)様子をとらえた肖像画があります。
実際、彼はリコーダー・フルート・オーボエなどの演奏を行ったといわれています。だからこそ、シックハルトは、こうした楽器の特性と魅力をよく知っていて、これらの楽器にぴったりと合う音楽をつくる職人(当時、作曲家はすべて職人でした)として、非常に冴えた腕前を持っていたのです。バロック時代には、リコーダーやフルートを演奏して楽しむアマチュア奏者たちがたくさんいました。そして、シックハルトはそうした奏者たちにとても人気のある作曲家だったのです。生前、その作品が30冊以上も出版され、ヨーロッパ中で売られていたというのは驚くべきことです。
シックハルトが職を求めて転々としなければならなかったのは事実なのでしょう。しかし、その作品は人々から熱烈に支持されていたのです。今のように音楽著作権が保護されていない時代であったために、その作品の人気ぶりに見合うだけの収入を得ることができなかっただけだったのではないでしょうか。
もっとも、シックハルトは一度は忘れ去られた作曲家です。18世紀後半以後今日に至る時代は、音楽が「公開演奏会」やCD録音によって「お金を払って鑑賞する」という形で楽しむものになっていますから、そうした場面では、19世紀作品や、バロックでもバッハやビバルディーに比べて、ずっと地味で素朴なシックハルトの作品は、ほとんど愛されていないのは事実です。しかし、楽器演奏を楽しむアマチュア奏者たちは、親しみやすくてしかも爽快な、シックハルトの音楽の魅力をよく知っていました。
つまり、「演奏して楽しもう」と思っている私たちにとって、シックハルトはけっしてつまらない作曲家ではないのです。むしろ、ルイエなどと並んで、とてもたくさんのすてきな曲を作っておいてくれた、大切な作曲家だと言えるのではないでしょうか。
収載曲
[1] シックハルト コレルリの合奏協奏曲によるトリオソナタ 第1番
作曲: シックハルト
商品詳細
発売日 |
2020/3/1 |
JAN |
4571325248591 |
ISBN |
9784862665508 |
楽器 |
リコーダー |
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