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RP シックハルト アルトリコーダーソナタ ロ短調 作品1-4
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★冊子
・スコア冊子(曲目解説、アルトリコーダー運指表つき) 16ページ
・別冊リコーダーパート譜 8ページ
★付属CD 内容
(1)各楽章の伴奏
(2)伴奏にリコーダー演奏を合わせた演奏例
(3)各楽章につき(1)と異なるテンポによる伴奏をいくつか収録
(4)上級者向け「バロックピッチ(A=415Hz)」による伴奏
※チェンバロ伴奏演奏はすべて石田誠司(デジタルサンプリング音源使用)
★収録曲の難易度(指回り難度)
第1楽章 B3
第2楽章 C2
第3楽章 C1
第4楽章 C1
第5楽章 B3
第6楽章 C1
★解題★
J.C.シックハルトの「アルトリコーダーと通奏低音のためのソナタ 作品1」(全7曲)は、1710年ごろまたはそれより早くに、アムステルダムのLogerから出版されました。デビュー作にふさわしい力のこもった作品集です。
★解説★
6つの楽章から成り、前奏曲に続いて、3つの舞曲、そしてひとつ間奏曲を挟んでから終曲のガボット。シックハルトが好んだ組曲ふうの構成です。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。よく動くタイプの主題を扱い、途中、長い吹き伸ばし音が3度も出てくるのが印象に残ります。最後はアダージョ・エ・ピアニシモ(ゆっくりと、極めて弱い音で)と指示があります。
第2楽章はアレグロ(快活に)と指定されたアルマンドで、4分の4拍子です。シックハルトが好んだ16分音符のビートが底流する、かなり快速感のあるアルマンドです。後半には2度の転調(ニ長調→ホ短調、ホ短調→嬰ヘ長調)をみせるなど、舞曲にしては意欲的な展開をみせます。
第3楽章は4分の3拍子のコレンテです。シックハルトのコレンテは、ほぼ必ず付点リズムが基調になるのですが、この曲では途中三連リズムもまじえ、さらに、収束に向かうあたりでは、通奏低音に均分リズムでの動きをさせるなど、リズムに変化を求めました。まるで「付点リズム一辺倒では単調かも知れない」と心配したかのようですが、この後、百曲をゆうに超える「付点リズムばかりのコレンテ」を書いたのにと思うと、何だか可笑しいようです。
第4楽章はジークで、8分の6拍子。16分音符の動きを含みますから、いくぶん余裕のあるテンポで演奏しても良いでしょう。無駄口をきかないように引き締めた結果、フレーズの長さが不規則になったような感じです。
第5楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)と指定された4分の3拍子の楽曲です。繰り返しの指定がないことからも、また最後にフリギア終止で終曲を呼ぶようになっていることからも、間奏曲のようなものを意図したものとみるべきでしょう。短いモチーフを断続的に奏する語り口はちょっと独特です。
第6楽章はプレスト(速く)と指定されたガボットで、4分の4拍子です。後半の最初(ヘンデルのト短調のソナタの終曲を誰でも思い出すでしょう)で、少しせかせかした感じになりますが、それ以外の箇所は音符が大きいのでそんなに忙しい感じはありません。通奏低音にはテンションノートをたくさん指定していて、なかなかイカス曲です。
J. C. シックハルト
~~快活で気持ちのいい音楽性~~
★群小作曲家の一人?★
ヨハン・クリスティアン・シックハルトはバッハやヘンデルとだいたい同年代の作曲家で、スウェーデン国王に仕えたかと思うとハンブルグに足跡を残しており、さらにバッハも一時期仕えたことで知られるケーテンの宮廷に抱えられたりと、北ヨーロッパ各地を転々としながら作曲活動を続け、最後はオランダに腰を落ち着け、そこで1762年に没したといいます。
このように転々とせざるを得なかったのは、しっかりした定職を持つことができるほどの才能のない、群小作曲家の一人だからだ・・・などと見下すようなことを言われたりもする人です。が、果たしてそう言ってしまっていいものでしょうか。
★アマチュア奏者たちに大人気だったシックハルト★
シックハルトには、両手でリコーダーを持って、今にも吹こうとしている(あるいは今演奏が終わったばかりといった感じの)様子をとらえた肖像画があります。
実際、彼はリコーダー・フルート・オーボエなどの演奏を行ったといわれています。だからこそ、シックハルトは、こうした楽器の特性と魅力をよく知っていて、これらの楽器にぴったりと合う音楽をつくる職人(当時、作曲家はすべて職人でした)として、非常に冴えた腕前を持っていたのです。バロック時代には、リコーダーやフルートを演奏して楽しむアマチュア奏者たちがたくさんいました。そして、シックハルトはそうした奏者たちにとても人気のある作曲家だったのです。生前、その作品が30冊以上も出版され、ヨーロッパ中で売られていたというのは驚くべきことです。
シックハルトが職を求めて転々としなければならなかったのは事実なのでしょう。しかし、その作品は人々から熱烈に支持されていたのです。今のように音楽著作権が保護されていない時代であったために、その作品の人気ぶりに見合うだけの収入を得ることができなかっただけだったのではないでしょうか。
もっとも、シックハルトは一度は忘れ去られた作曲家です。18世紀後半以後今日に至る時代は、音楽が「公開演奏会」やCD録音によって「お金を払って鑑賞する」という形で楽しむものになっていますから、そうした場面では、19世紀作品や、バロックでもバッハやビバルディーに比べて、ずっと地味で素朴なシックハルトの作品は、ほとんど愛されていないのは事実です。しかし、楽器演奏を楽しむアマチュア奏者たちは、親しみやすくてしかも爽快な、シックハルトの音楽の魅力をよく知っていました。
つまり、「演奏して楽しもう」と思っている私たちにとって、シックハルトはけっしてつまらない作曲家ではないのです。むしろ、ルイエなどと並んで、とてもたくさんのすてきな曲を作っておいてくれた、大切な作曲家だと言えるのではないでしょうか。
(2019/2/15 改訂)
収載曲
[1] アルトリコーダーソナタ ロ短調 作品1-4
作曲: シックハルト
商品詳細
発売日 |
2020/5/1 |
ページ数 |
24 |
JAN |
4571325248744 |
ISBN |
9784862667670 |
楽器 |
リコーダー |
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