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SR-134 ペジブル アルトリコーダーデュオソナタ 第1巻
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■解題(ペジブルのデュオソナタ)■
17世紀末から18世紀初めにかけて、イギリスでは紳士たちの間でアルトリコーダーが大流行しました。ジャック・ペジブル(ジェームズ・ペジブル)は、その立役者だったと目される人物で、写本で残っている独奏ソナタは、はなやかな技巧を盛り込み複雑な転調を駆使する曲が目立ちます。
対して、1702年にWalshが出版した「作品1」の二重奏ソナタ集は、アマチュア愛好家が楽しめるように比較的易しく書かれた曲が多くなっています。
■解説(ニ短調・作品1-1)■
本作(ニ短調・作品1-1)は、「作品1」のなかでも最も平易な曲のひとつです。
第1楽章はグラーヴェ(重々しく)、2分の2拍子です。ものがなしいテーマを第1リコーダーが唱え、第2リコーダーがそれを模倣して始まります。近親の調へ揺れ動くこともありますが、主調の支配力がかかなり強い音楽で、最後まで雰囲気を大きく変えることなくまとめています。
第2楽章もグラーヴェですが、今度は4分の3拍子です。2本のリコーダーが3度の音程で声をそろえて平明な感じのテーマを唱和しながら始まり、以下、最後まで2本のリコーダーがリズム的な面で(そして音程のうえでも)調子を合わせて進む箇所の多い音楽になっています。
第3楽章はプレスト(速く)、4分の3拍子。高いところからしだいに下ってくるテーマで始まります。2本のリコーダーがかろやかな音楽をつむぎ出していくのが気持ちよい、爽快な快速楽章。
第4楽章はラルゴ(広々と)、4分の3拍子です。第2楽章と同様、2本のリコーダーがそろって唱和する場面の多い曲で、ある意味、素朴な印象すらも与えます。
第5楽章は再びプレスト(速く)と指定され、4分の6拍子です。今度は2本のリコーダーが「呼び交わす」場面の多い音楽で、軽妙にして自在な音楽の進めかたに、ペジブルの面目が躍如としています。
■解説(ヘ長調・作品1-2)■
5つの楽章から成り、うち速い楽章が二つです。
第1楽章はラルゴ(広々と)、4分の4拍子の、やや渋い味わいですが、美しい曲です。この楽章に限らず、原典の楽譜は臨時記号の解釈にちょっと悩ましい箇所がありますが、弊社版では「原典(を当時のルールで読み取った)通り」としています。
第2楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の3拍子です。ニ短調で、有名な「クリーガーのメヌエット」と同じモチーフで始まり、途中はヘ長調に明るみますが、最後はイ短調に飛び込んでそのまま終わります。(こういう調性の運びがペジブルにはときどきみられます。)
第3楽章はプレスト(速く)、4分の4拍子です。かろやかに始まって、美しいかけあいのゼクエンツやちょっと不思議な転調など、ペジブルらしい魅力のある楽章で、かなり速く演奏しても面白そうですが、そのかわり、演奏はたいへん難しくなるでしょう。ヘ長調で始まり、最後はハ長調で終わっています。(ヘ長調の属和音で終わっていると聴くこともできるかも知れませんが。)
第4楽章は再びアダージョで、4分の3拍子。同度カノンふうのかけあいで始まる、どこか牧歌的な感じの音楽です。
第5楽章は再びプレストで、8分の9拍子(付点四分音符を1拍とする3拍子)です。2部から成り、前半・後半とも繰り返しますが、前半は八分音符までの速さが中心だったのに、後半は十六分音符の連続が中心となりますので、最初が易しいからといってあまり速いテンポで始めると、ひどい目にあいます。
■解説(ハ短調・作品1-3)■
5つの楽章から成り、速い楽章と遅い楽章が交互に置かれています。
第1楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、4分の4拍子です。まさに生気に満ちたテーマで始まり、2本のリコーダーが互いを模倣したり声をそろえてハモったり対位法的に絡んだりと変化に富む内容で、転調のめまぐるしさもペジブルならではの味わいです。最後はアダージョ(ゆっくりと)になって半終止で第2楽章に続くようになっています。
第2楽章はグラーヴェ(重々しく)、4分の3拍子です。第1楽章のハ短調属和音を受け継いで、属和音から始まった・・・かと思うと実はすぐに変ロ長調に転じている(らしい)のは、珍しい趣向で、その後も玄妙な転調を行いながら音楽を進めます。後半はサラバンド的なリズムが多くなります。
第3楽章はアレグロ(快活に)、4分の3拍子です。付点音符による跳ねるリズムの主題を第1リコーダーが奏して始まりますが、模倣による合いの手を入れる第2リコーダーは均分リズムで書かれています。そして、ここだけではなく、続く音楽全体にわたって付点リズムと均分リズムが混用されていて、果たしてこの通りに演奏すべきなのか、それとも適当に付点リズムに変えてもいい箇所があるのかと迷わされます。CDの演奏はすべて楽譜通りになっています。
第4楽章はラルゴ(広々と)、4分の4拍子。第1リコーダーと第2リコーダーが子をそろえて響きをつくっていく場目の多い音楽で、フレージングのシンプルさも併せ、やや素朴なドイツふうのコラールを思わせます。前半がハ短調・変ホ長調・(ハ短調・)変ホ長調、後半が変ホ長調・ハ短調・ト短調・へ短調・ハ短調、と進んでいき、転調による色合いの変化がたくみです。
第5楽章はプレスト(速く)、4分の6拍子です。どっしりと太い描線で描かれたような、わかりやすい音楽で、力強く全曲をしめくくっています。ただ、テンポをうんと速くとれば、疾走感の強い終曲として演奏することもできそうです。
収載曲
[1] ペジブル アルトリコーダーデュオソナタ ニ短調 作品1-1
[2] ペジブル アルトリコーダーデュオソナタ ヘ長調 作品1-2
[3] ペジブル アルトリコーダーデュオソナタ ハ短調 作品1-3
商品詳細
発売日 |
2021/9/1 |
ページ数 |
44 |
JAN |
4571325250624 |
ISBN |
9784862669742 |
楽器 |
リコーダー |
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