リコーダーJP

SR-176 C. ロジエ ソナタ集 第2巻

商品情報にスキップ
1 Translation missing: ja.general.slider.of 1

リコーダーJP

SR-176 C. ロジエ ソナタ集 第2巻

通常価格 4,180 (税込)
通常価格 セール価格 4,180 (税込)
セール

icon 3,300円以上で送料無料

残りわずか
通常翌営業日出荷(取り寄せの場合は目安7~14日)
ソナタ ト長調
ベベル写本 第12番
★解題★

 17世紀終わりごろのリコーダーソナタ 25曲を中心とする、チャールズ・バベルの写本(ロチェスター大学シブレー図書館所蔵)で、第12番として収録されているソナタです。


★解説★

 5つの楽章から成っています。第5楽章の途中からチャコーナふうの音楽になるのは興味深い趣向で、のちにベネデット・マルチェロがやはり最終楽章をチャコーナとしたリコーダーソナタを発表しましたし、さらに後年、フランスのマリー=ルクレールもチャコーナを終曲とするヴァイオリンソナタを書きました。他にもいろいろと類例がありそうですが、もしかすると、ロジエのこのソナタは、かなり早い時期の試みになるのではないでしょうか。

 第1楽章はモデラート(普通に、穏健に)、4分の4拍子です。最初に高らかに2度奏されるモチーフは、1小節半という半端な長さなので、まるで2分の3拍子の曲のように響きます。やがてはっきりと偶数拍子の感じを確立しつつ、姿よくこのモチーフによる音楽をまとめると、短い間奏を経て16分音符の動きを中心とする音楽になります。全体的な構成は自由な感じですが、個々のフレーズが語っている内容はわかりやすくて、親しみの持てる音楽になっています。

 第2楽章は4分の4拍子で、アルマンドと題されています。かろやかな流れ出すような下降志向のモチーフで始まり、多彩なリズム型を次々に導入して語り進めるので、その意味では変化に富む内容になっています。淡々とした語り口の17世紀末型の音楽から、劇的なストーリーを描き出す盛期バロックの音楽へと変化していく途上の作風のように感じられます。

 第3楽章はアリアと題され、アレグロ(快活に)、4分の3拍子です。付点音符による「跳ねるリズム」を基調として元気良く始まりますが、やがて、どちらかと言えば均分リズムの方が支配的になっていきます。後半、音たちが、何とも言えない広々とした開放感のある、気持ちのいい飛翔を味わわせてくれます。

 第4楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子で、ホ短調の哀切な響きで始まりますが、すぐに長調に戻り、ト長調でしめくくられます。ごく短い間奏曲です。

 第5楽章はアフェット(愛情[をこめて])と指定され、4分の3拍子です。付点の跳ねるリズムを用いて始まる晴朗な8小節のテーマが示され、これをもう1度繰り返すかと思うと途中から変化してニ長調に終止。そしてまたト長調に戻ると、6小節ほどの収束句を2度繰り返して前半をしめくくります。続いて7小節にまたがる定型低音が通奏低音によって示され、これに乗ってチャコーナふうの変奏を6つ。最後は第6変奏の最後の4小節ほどを繰り返してしめくくります。趣向がよく生きた秀逸な終曲となりました。


■リコーダーによる演奏
第1楽章(B3)
第2楽章(C1)
第3楽章(B3)
第4楽章(B1)
第5楽章(C1)




ソナタ イ短調
ベベル写本 第14

★解題★

 17世紀終わりごろのリコーダーソナタ 25曲を中心とする、チャールズ・バベルの写本(ロチェスター大学シブレー図書館所蔵)で、第14番として収録されているソナタです。


★解説★

 5つの楽章から成っています。第1楽章の最後の音が第2楽章の最初の音になるように書かれていますので、完全に続けて演奏することになります。第2楽章はかなり速いテンポが合いそうですので、第1楽章の1拍が第2楽章の1小節ぐらいになるような関係で演奏してみていますが、異論もあるかも知れません。

 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)と指定され、4分の4拍子です。主題は3小節から成り、これに含まれるいくつかの特徴的な音型をたくみに駆使して語る、短いながら洗練された開始楽章です。

 第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子です。おおむね四分音符の動きで進む音楽で、かなり速いテンポが合うことになるでしょう。スピード感のある爽快な音楽で、ここでも、提示した主題・素材をきちっと使いこなしながら語り進めています。

 第3楽章はカンツォン、4分の4拍子です。内容的には比較的シンプルで、最初に主題を示し、つぎにもう1度示して多少の展開をみせ、次にホ短調に転じて主題を示し、またそれを繰り返したあと、間もなく収束に入ります。キビキビした表情の、印象的な楽章になりました。

 第4楽章はテンポ・ディ・ガボッタ(ガボットのテンポで)、2分の2拍子です。比較的高い音域でたからかに開始しますが、途中からはどうも下降志向が強まります。後半には5回ほども繰り返すゼクエンツがあって、「どこまで下がるの?」と思わされる瞬間もありますが、やがてまた身を起こして収束します。

 第5楽章は再びアレグロで、このころ(17世紀末)によく書かれた4分の6拍子の終曲です。のちに大流行するジーグとは少し違う、骨太な力強い進行が特徴で、最後はいくらか早口にたたみかけるような音楽になって、全曲がしめくくられます。

■リコーダーによる演奏
第1楽章(B2)
第2楽章(B3)
第3楽章(B3)
第4楽章(B3)
第5楽章(C1)



ソナタ ト短調
ベベル写本 第16番

★解題★

 17世紀終わりごろのリコーダーソナタ 25曲を中心とする、チャールズ・バベルの写本(ロチェスター大学シブレー図書館所蔵)で、第16番として収録されているソナタです。


★解説★

 5つの楽章から成っています。 第2楽章に通奏低音による後奏があるのは、17世紀末ごろの作品によくみられる特徴です。遅い楽章の深い味わいといい、早い楽章の小気味よさといい、魅力あふれる佳作です。ヘンリー・パーセルのオペラの旋律をそっくり借用した楽章があるのも興味深いことです。

 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。やわかな主題で始まり、やがて主題中第2のモチーフ(3・4小節)に由来する上行のゼクエンツがしだいに力を増してちょっとしたクライマックスを築いたあと、静かに瞑想するように終わります。

 第2楽章はアフェット(愛情を持って)と指定されており、4分の3拍子。4小節の前奏に続いて短い主題が2度繰り返して示され、続いて主題の冒頭の反行形で始まる、いくらか速い動きを含む第2の主題を扱って、展開部のような様相になります。やがて主題が再現され、第2の主題を用いた収束に入ります。

 第3楽章はカンツォン、4分の4拍子です。3小節の主題がト短調で示されたあと、ニ短調、ハ短調、変ロ長調と移りながら音楽を織り成していきます。最後に再びト短調で主題が奏されると簡潔にしめくくります。

 第4楽章はアリアと題され、グラーヴェ(重々しく)と指定されています。一度も倍音系の音を用いず、深ぶかとした音色で歌い上げていく魅惑的な楽章です。リコーダーは最初の8小節の旋律を2度繰り返しますが、1度目はゆっくりした歩みで支えていた通奏低音が、2度目は八分音符の流れるような動きで寄り添います。後半も同じ行き方になっていて、いわば「通奏低音がダブル(double)を担当する」ような趣向になっています。実はこの楽章は「第7番・ハ短調」の第5楽章の場合(そしてこのソナタの第5楽章)と同じく、ヘンリー・パーセルのオペラ「妖精の女王」のアリア(「恋が甘いものなら」'If Love’s sweet Passion')を借用したもので、これが作曲者ロジエによるものか写譜家バベルによるものかは確かなことがわかりません。

 第5楽章はプレスト(速く)と指定された短い楽章です。これも前述の通りヘンリー・パーセル「妖精の女王」のアリアを編曲したもので、原曲は、「神秘の精」がシットリと歌う、「私はすべてのものを封じるために来た  'I am come to lock all fast' 」です。しかし、ここでは力強く進む低音に乗ってリコーダーがキビキビと、そして高らかに歌上げる音楽になっています。

■リコーダーによる演奏
第1楽章(B2)
第2楽章(C1)
第3楽章(C1)
第4楽章(B2)
第5楽章(C1)

商品詳細

発売日 2025/4/1
サイズ A4
ページ数 48
JAN 4571325253892
ISBN 9784867672228
楽器 リコーダー

この商品に関連する商品