A お互いのことを少しずつ知り、友達として楽しい日々を共にする場面では、音楽も動き出し、様々な明るい調性へ展開していきます。
B 時が流れ、それぞれに配偶者や子供ができ、出会った頃とは関わり方も少し変わってきます。時には愚痴をこぼしたり、やきもちをやいたり。それでも良き友達であることは変わりません。ここでは初めて明確な短調が登場し、サクソフォンとピアノが対話するような掛け合いが増えます。
C 詩の最後の連は、あなたの死と、それを静かに受け止める私の気持ちで結ばれます。ピアノが死を象徴する音型を寂しげに奏でますが、程なくして溢れ出すようにCantabileとなり、共に過ごした思い出がよみがえります。やがてサクソフォンソロがロングトーンで昇るように消えていくなか、ピアノがその音型を静かに引き継ぎます。