カワイ出版
混声合唱のためのメタモルフォーゼ 詩ふたつ
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作曲:相澤直人
作詩:長田 弘
A4判/36頁
グレード:中~上級
演奏時間=約17分10秒
ISBN 978-4-7609-1371-8
新潟大学合唱団の委嘱作品。
作曲家が長らく暖めていた詩画集「詩ふたつ」をテキストにしたア・カペラの作品。シンプルで空虚な完全5度の響きから曲は始まり、その後はこの5度から様々な色彩が滲み出る展開を主軸に置き、通作歌曲形式の手法で作曲されている。
「死は別れではなく、私たちへ生を残すもの」という詩人の想いを、人の声の力強さを借りて音楽が紡いでゆく。
<まえがき>
2009年秋、「ぜんぶ」(詩:さくらももこ)のヒットが契機となり、作曲家としての活動を本格的に開始。その後、2015年7月までの6年間で、約130曲を作曲しました。
混声合唱のためのメタモルフォーゼ「詩ふたつ」はその中のひとつで、新潟大学合唱団の委嘱を受けて書いた作品です。
以下に、初演時のプログラムノートの拙文を転記させていただきます。
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あの日、「詩ふたつ」と出会ったときの感動は忘れられません。それは「花を持って、会いにゆく」「人生は森のなかの一日」という長田弘の詩2編と、画家クリムトの絵が対になった詩画集です。
誰にでも訪れる、愛する人を失うという経験。詩の悲しみをやさしく癒し、大切な人との絆について、まるで絵本のように1ページ、また1ページとゆっくりと静かに伝えてくれるくれる一冊です。
比較的平易ながらも心の深層まで染み入る言葉と、平面的、装飾的でありながら静穏でどことなく不安感をもたらす風景画は、私のひとときをこの世とは離れた世界に誘ってくれたようでした。
この世界を合唱でも表現してみたい。
そこから壮大な挑戦が始まりました。
詩を手にしてから、初めて音符を書くまでに数ヶ月かかりました。詩集を開く度にその世界に誘われるのみで、新しい音楽を生み出すことができない日が続いたのです。その後も頭の中に完成型の音楽を想像しては削除する、ということを何度繰り返したかわかりません。
悩み悩んだ末に、シンプルで空虚な完全5度(一番最初の男声のG, D音)の響きを初めて五線に置いてみました。すると今まで悩んでいたことが嘘だったかのように冒頭のソプラノのメロディーが舞い降りてきました。その後はこの空虚な5度から様々な色彩が滲み出る展開を主軸に置き、詩や絵に寄り添いつつも、通作歌曲形式(脚注)の手法を採用した私のスタイルでの作曲が捗りました。
完成した2曲は、無伴奏合唱曲には珍しく、9分、8分という長大な曲です。バロック音楽から近現代まで、場面に応じて様々なスタイルとりつつも、基本素材を統一することによって、厳かで上品なテクスチャーを損なわないように、そして何より言葉の持つ世界観に、より想いを込めて伝えられるような曲にしようと心掛けました。
私は、普段どちらかというと小品を主体に作曲しております。指揮者の名島啓太さんは、賛辞のひとつとして「(これまでの)相澤さんらしくない作品」と仰りました。確かにこの作品を通して私自身の中に新しい表現の可能性を見つけることができましたし、何年か後に「この作品がひとつの転機だった」と言えるものに仕上がったと思います。
※通作歌曲形式:有節歌曲とは異なり、歌詩が進むごとに都度異なる旋律をつけていく作曲形式。歌詩のもつ物語の起伏を明確に示すことができ、
ドラマチックな音楽を形成しやすい特徴がある。
相澤直人
収載曲
[1] 花を持って、会いに行く
作曲: 相澤直人
作詞: 長田弘
[2] 人生は森のなかの一日
作曲: 相澤直人
作詞: 長田弘
商品詳細
発売日 |
2015/10/1 |
ページ数 |
36 |
JAN |
4962864913710 |
ISBN |
9784760913718 |
楽器 |
合唱 |
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