I. 魔法のことば 呪文のように聞こえる意味不明な歌詞はポピ族の「せむしの笛吹の歌」。ポピ族のあいだで、セミは目に見えない生命力を持つ霊とされ、「せむしの笛吹き」と呼ばれていた。今では詩の“意味”は忘れ去られ、“音”のみが残ったのだという。曲中ではこのほかに異なる4つの部族の詩を混在させ、言葉の交錯によって生じる熱の高まりを目論んだ。
II. ペヨーテの神に捧げる歌 “ペヨーテ”はサボテンから精製した麻薬の一種。儀式の際にこれを噛んで幻覚を得たという。「青い雄牛」は神々と人間との間の仲介者。「ウイリコータ」は「青い雄牛」の出生地とされる場所。幻覚によってもたらされた摩訶不思議な光景が、鐘の響きとともに歌われる。
III. 嵐の歌 雨乞いのために歌われた儀式歌。雷光が雄大な山の稜線を映し、とどろく雷鳴は大自然への畏敬を人の心に映す。
IV. フクロウの歌 いかにも思慮深そうなフクロウの独白。しかし獲物を狙うフクロウの目線は、敏捷な一面も覗かせている。「ホー」という鳴き声が夜明けを告げると、輝く朝がやってくる。
V. 饗宴の歌 夜と朝が回り舞台のように慌ただしく転換し、生命が覚醒する。躍り上がり走り回りたくなる衝動は、こらえることができない。そんな音楽。