2017年1月29日、二つの合唱団「Rune」と「Porta Libera KT」によるジョイントコンサート委嘱作品。合唱団より「30~40代の歌い手のための、人生のイベントを過ぎて音楽から離れてしまった人たちのエールにもなるような作品を」という依頼を受け、人生の転機が訪れる世代を応援するというより、寄り添うような音楽でありたいと思い書かれたもの。福島市の74本の街路樹を通して見えてくる懸命に生きている人々の姿をあらわしている。どの世代でも受け入れやすく、親しみやすい作風である。全4曲。
<まえがき>
合唱団Rune(ルーネ)と Porta Libera KT がジョイントコンサートを開催するにあたって、合同ステージの曲として作曲。前者は大学、後者は高校で合唱をしていたメンバーを中心に結成された団体で、私も Rune の団員として一緒に歌ってきました。委嘱にあたって、指揮者の土屋さんから提案があったのは「30~40代の歌い手のための」「人生の転機を迎えて、音楽から離れてしまった人たちのエールにもなるような」作品を、というもの。テキストとした詩集「木にたずねよ」は、福島市のある通りに根付く74本の木を詩人・和合亮一さんが言葉でスケッチしたものです。木を通して見えてくるそれぞれの「暮らし」を懸命に生きる姿と「寄り添う」というイメージが私の筆にも力を与えてくれたように思えます。