㈱音楽之友社
オルフェ・ライブラリー バッハの四兄弟 久保田慶一/著
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◇内容紹介
18世紀のヨーロッパでは「バッハ」と言えば次男エマヌエルであり、次いで末息子クリスティアンであった。ヨハン・ゼバスティアンは「息子たちの父」と呼ばれていたのだ!
それが逆転し、彼らが「バッハの息子たち」と呼ばれるようになったのは19世紀に入ってからのこと。本書では、兄弟とはいえ生きた時代や場所の異なる4人の、それぞれの人生、作品の特徴や、音楽史的に興味深いトピックスを描く。作品の真偽性、改訂にまつわるエピソードなど、偉大な家系ならではの複雑な様相と、それらを整理する音楽学者の視点が垣間見える点もおもしろい。冷戦を経て、旧ソ連に保管されていたバッハ関連の資料がドイツに返還されたのが1999年、以後バッハ研究は一気にヨハン・ゼバスティアンから息子およびその周辺に広がった。そして今なお、新たな資料が発見され続けている。本書はさらに、2014年のエマヌエル生誕300周年に発表された最新研究をも踏まえている。
◇目次
はじめに
兄弟の絆と離散
第一章:偉大な父のもとに生まれて
1.バッハ家の伝統
2.四兄弟の多様なキャリア
3.兄弟どうしの関係
第二章:時代と社会を共有して
1.七年戦争
2.バッハ一族とベルリン
3.一九九九年に再発見されたベルリン・ジングアカデミーの楽譜コレクション
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ
第一章:歴史と現代におけるフリーデマン
1 歴史におけるフリーデマン
2.現代におけるフリーデマン
第二章:クラヴィーア音楽の伝統と革新
1.創作と出版・販売の挫折
2.フーガの伝統への依拠
3.多感化されたポロネーズ
第三章:教会カンタータにおける伝統の継承
1.父ゼバスティアン亡き後のプロテスタント教会音楽
2.父ゼバスティアンの伝統の継承
3.フリーデマンの教会カンタータ
カール・フィーリップ・エマヌエル・バッハ
第一章:歴史と現代におけるエマヌエル
1.歴史におけるエマヌエル
2.現代におけるバッハ
第二章:多感化されるクラヴィーア音楽
1.新しい出版ビジネス
2.変奏反復付きソナタ集
3.エマヌエルの独創的な様式
4.エマヌエルのファンタジア
5.多感主義ロンド
第三章:チャレンジする室内楽
1.ジャンルの分類
2.多様な編成を求めて
3.新しい様式を求めて
4.ソロ・ソナタの改作
5.実験としての標題トリオ
6.多感主義時代の交響曲
7.晩年期における<独創精神>の開花
第四章:マルチメディアの協奏曲
1.協奏曲における独奏楽器の交換
2.イディオムの問題
3.《クラヴィーア協奏曲》から《オーボエ協奏曲》へ
4.クラヴィーア、フルート、チェロのための協奏曲
第五章:パッチワークのような受難曲
1.ハンブルクにおける受難曲演奏の歴史と伝統
2.「古いやり方」の受難曲
3.一七六九年の《マタイ受難曲》
4.オラトリオ受難曲から受難オラトリオへ
ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ
第一章:歴史と現代におけるフリードリヒ
1.歴史におけるフリードリヒ
2.現代フリードリヒ
第二章:宗教音楽の隠れた継承者
1.ビュッケブルクの宗教音楽
2.オラトリオの出版
3.オラトリオ《ゴルゴダの巡礼者たち》
4.ハンブルクで初演されたミカエル祭カンタータ
5.ヘルダーとの関係
第三章:古典派の響き
1.進歩主義者のフリードリヒ
2.フリードリヒのクラヴィーア曲
3.ベルリンのフリードリヒ人気と「古い様式」
4.フリードリヒの「最新の趣味」
5.フリードリヒの同時代性と未来性
6.最後の交響曲
第四章:バッハ一族として
1.父の遺産分割とフリードリヒの蔵書
2.フリードリヒの出版
ヨハン・クリスティアン・バッハ
第一章:歴史と現代におけるヨハン・クリスティアン
1.歴史におけるクリスティアン
2.現代におけるクリスティアン
第二章:学習成果としての宗教曲
1.ドイツの伝統的な様式
2.ミラノのバッハ
3.マルティーニ神父
4.「未完のレクイエム!?」
第三章:教会で演奏された交響曲
1.一八世紀の交響曲
2.創作と出版
3.教会で演奏された交響曲
あとがき
資料集
バッハの四兄弟の関連年表
久保田慶一/著
商品詳細
発売日 |
2015/3/31 |
サイズ |
四六 |
ページ数 |
272 |
ISBN |
9784276371101 |
楽器 |
書籍 |
著者 |
久保田慶一 |
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