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TR-808<ヤオヤ>を作った神々─菊本忠男との対話─電子音楽 in JAPAN外伝
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商品詳細情報 808 909 606 707 そして Roland、もしもこれらによって奏でる音がなかったとしたら、僕の音楽人生もなかったと断言できる。――石野卓球(電気グルーヴ) 1980年に発売された 日本製リズムマシン「TR-808」(通称:ヤオヤ)。 販売期間3年間でわずか1万2000台しか売れなかった装置は、後に海を渡り、80年代末に花咲くクラブシーン隆盛の中で、リバイバル評価を受ける。後続の「TR-909」、ベースライン用シーケンサー「TB-303」など、発売された姉妹機も、 楽器がジャンルそのものを生みだしていくきっかけとなった。 「TR-808」はエレクトロ、マイアミ・ベース、 「TB-303」はアシッド・ハウス、テクノ、 「TR-909」はハウス、ヒップホップ、ガバ、 発売元は大阪で創業した楽器メーカー、ローランド。 創業者の梯(かけはし)郁太郎は、たった一代で日本第2位の電子楽器メーカーに成長させた。今や世界の共通言語となった通信規格「MIDI」も梯が発案したもの。「MIDI」は、その後のDTM(Desk Top Music)、通信カラオケ、初音ミクブームなどを支える基礎技術となっていく。2003年にはこの発明による音楽業界の貢献を讃えられ、日本人個人として初めて、アメリカ最大の音楽祭、グラミー賞テクニカルアワード賞を受賞。 じつは、これらの発明は、基本的に1人のプロジェクト・リーダーから産まれた。 グラミー賞受賞時の梯のインタビューで、最大の功労者として名前を挙げられていたローランド大阪技術センター部長(当時)、菊本忠男である。「ミスター・キクモト」として海外では知られ、トリビュート盤も出る存在だが、これまで公式に雑誌インタビューを受けることがなかった。海外で制作されたドキュメンタリー『808』にも登場していない氏が、初めて「TR-808」「TB-303」「TR-909」の開発秘話を本格的に明かす。 本書は、累計1万3000部をセールスした、日本の電子音楽史を初めて綴った通史『電子音楽 in JAPAN』の20年ぶりの続編的歴史書でもある。日本のトップブランド、ローランド開発者、菊本忠男との対話形式で、前著の後の歴史である80年代末~今世紀までの、サンプリング、デジタル・シンセサイザー、ソフトウエア・シンセの歴史を集大成した。 <おもな内容> まえがき 1 コンピュータ時代のあけぼの 2 ローランド誕生。菊本入社前夜 3 菊本、ローランドに入社 4 「Dr. Rhythm DR-55」完成とP8設立 5 メイキング・オブ「TR-808」 6 「TR-606」、「TB-303」、「MC-202」誕生秘話 7 「TR-909」はなぜアナログ方式を採用したのか 8 ヤマハ「DX7」の衝撃と新たなる挑戦 9 MIDIの誕生 10 基礎技術開発室設立と”SA音源” 11 LA音源の開発。「D-50」の誕生 12 DTMの発明 13 GS対XG対GMのフォーマット戦争と「通信カラオケ」 14 ネットで世界を音楽で結ぶ技術者の夢 15 「M1」とワークステーションの登場 16 テクノ、 ハウス、 マイアミ・ベースと”ミッドゼロ” 17 「ヴァリフレーズ」の誕生 18 「COSM」と”感性モデリング” 19 ローランド社長就任と降板 20 退職後、静岡大学へ 21 ソフトウエア・シンセサイザー「RC-808」 22 「サイレント・ストリート・ミュージック」は音楽で人をつなぐ 巻末付録:音盤(メディア)で辿る日本の電子楽器史 あとがき 参考資料一覧 プロフィール INDEX 菊本忠男(きくもと・ただお) 日本最初期のトランジスタ技術者の一人。41年大阪府生まれ、77年にローランドに入社し、プロジェクト「P8」セクションのリーダーとして「TR-808」、「TR-909」、「TB-303」などの代表機種を開発。世界的通信規格「MIDI」制定にも関わる。後に基礎技術開発室に移り、エルトン・ジョンが激賞した電子ピアノ「RD-1000」のSA音源、「D-50」のLA音源、COSMパラダイムによる「V-Guitar」から「V-Piano」までのVシリーズの開発に関わる。代表取締役社長を経て、現在はロボット工学、DSP研究者。
商品詳細
発売日
2020/12/31
ページ数
376
ISBN
9784866471327
楽器
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