この春からギターを始めるビギナーのみなさんがスタートダッシュできるように、ギターを買ったその日に知っておきたい演奏の基本を紹介します。ギター上達のためには基礎を押さえることが不可欠! アコースティックギターとエレキギターで共通しているポイントも多いので、どちらの人も順番に進めていきましょう。
構成/Go! Go! GUITAR編集部
◆この記事で学べること
・正しいフォームを身につけよう
・各弦をチューニングしよう
・弦をはじいて音を鳴らそう
【01】正しいフォームを身につけよう
正しい姿勢で演奏することは演奏の上達はもちろん、余計な負荷をかけて手首や肘などを痛めてしまわないためにも気を付けましょう。
■ピックの種類
ピックの形状にはいくつかの種類がありますが、主流は正三角形に近い「トライアングル型(オニギリ型)」と、縦長の「ティアドロップ型」の2種類です。どちらも幅広く使われていますが、アコギではトライアングル型、エレキではティアドロップ型が使われることが多いようです。
材質はセルロイド製が中心ですが、表面がよりなめらかですべりがよいデルリンや、逆にすべりにくく加工されたトーテックス、人間の爪にもっとも近いとされるウルテムといった素材のピックも増えています。
トライアングル型(左)とティアドロップ型(右)のピック。
(引用:『アコースティックギターの教科書』より)
■ピックを持ってみよう
ピックは、右手の親指と人差指ではさんで持ちます。強く握りしめずに軽くつまむように持ちましょう。先端を指からどれくらい出して持つかは、演奏の内容によって弾きやすいように調整します。コードを弾くときは1センチ程度出し、メロディーを弾くときはそれほど出さずに持ったほうが弾きやすくなります。
親指と人差指を交差させる。他の指は自然に軽く曲げておく。
親指のハラと人差指の側面でピックをはさみ、親指から1センチぐらい見えるように持つ。
(引用:『アコースティックギターの教科書』より)
■座って弾くときのフォーム(アコースティックギター)
ボディのくびれを右足のつけねに乗せ、垂直に近く立てるようにして構えましょう。ボディを上向きに寝かせると弾きづらくなってしまいます。ネックは水平か、ヘッド側がわずかに高くなるようにして、ヘッドを少し前に出します。右手はひじの近くをボディのフチに乗せて構えます。イスは高すぎたり低すぎたりしないものを選びましょう。足のつけねからひざまでが水平になるぐらいの高さがベストです。
(引用:『アコースティックギターの教科書』より)
■立って弾くときのフォーム(エレキギター)
立って弾くときはストラップを使ってギターを肩から下げます。高さは自由に調節できますが、それにより弾き心地も大きく変わるので自分にとって弾きやすいベストのポジションを見つけましょう。また、座って弾けても立つと弾けなくなることもあります。ライブ前は立って弾く練習もしておきましょう。
(引用:『エレキギターの教科書』より)
【02】各弦をチューニングしよう
ギターの音を正しい高さに合わせることを「チューニング」と言います。ここでは、チューナーという専用の器具を使って開放弦(どこも押さえない状態の弦)をチューニングする方法を覚えましょう。
■レギュラーチューニング
ギターのチューニングには、合わせる音の高さによっていろいろな種類がありますが、ここでは「レギュラーチューニング」または「ノーマルチューニング」などと呼ばれる方法を覚えましょう。
■STEP1 チューナーを準備しよう
チューナーにはいくつかタイプがありますが、ここでは「クリップ式」を使う方法を例にチューニングの仕方を紹介します。チューナーを用意したら、ヘッドに取りつけて電源を入れてください。
■STEP2 音の高さを合わせよう
6弦開放をはじいて音を出し、チューナーの画面に「E」と表示されたら、メーターの針が中心を指すようにペグを回します。目標の音よりも低いときは、ペグを締めて音を合わせてください。
目標の音よりも高いときは、いったんペグを緩め、音を低くしてからペグを締めて合わせましょう。ペグを緩めて合わせると、あとでチューニングが狂いやすいのです。
同じようにして、5弦から1弦までを正しい高さにチューニングします。1弦までチューニングしたら、念のためにもう一度6弦からチューニングを確かめましょう。
(引用:『アコースティックギターの教科書』より)
【03】弦をはじいて音を鳴らそう
正しくチューニングできたら弦をはじいて音を鳴らしてみましょう。1本の弦だけをはじいて鳴らす「ピッキング」と、複数の弦をまとめてはじいて鳴らす「ストローク」の2つの演奏方法にチャレンジです。
■エレキギターはアンプにつないで鳴らす
そのままでも十分な音量が得られるアコースティックギターと違い、エレキギターは「アンプ」につなぐことで本来の音を鳴らすことができます。ここでギターとアンプの接続手順を確認しておきましょう。
ギターにシールドをつないだら、アンプの電源がオフであることを確認して、アンプのインプットジャックにプラグを差し込みます。
アンプの電源を入れる際には、急に大きな音を出さないために、ボリュームが0(ゼロ)になっているかも確認してから電源を入れましょう。
(引用:『エレキギターの教科書』より)
■ピッキングの基本フォーム(アコギ)
右手にピックを持ち、手首を自然に伸ばします。真上から見たときにピックの中心線が弦と直角になるように構えましょう。小指(または薬指と小指)の先をボディ(ピックガード)に軽くあてるようにすると、右手の安定がよくなります。
6弦をピッキングするときの右手のフォーム。サウンドホール上にピックを構えよう。
(引用:『アコースティックギターの教科書』より)
■ピッキングの基本フォーム(エレキ)
細やかな動きで弦を1~2本ずつ弾くようなリードプレイでは、手のひらのつけ根をブリッジに軽く乗せると右手が安定するため、ややブリッジ寄りでピッキングします(右図の赤い箇所のあたり)。ピッキングの際ピックがピックアップに当たらないように気をつけましょう。
コードを弾くときは右手を大きく振るのでリードプレイのときよりも前方でピッキングします。フロントピックアップからややブリッジ寄りを意識しましょう。
右手のひらの小指側(手刀部)をブリッジに軽く乗せると、ピッキングが安定する。
(引用:『エレキギターの教科書』より)
■ピッキングの仕方を覚えよう<ダウンピッキング>
弦を上から下へはじく「ダウンピッキング」を覚えましょう。正面から見たときにピックと弦が平行に近くなるように構え、手首を使ってピックが弦を直角に横切るようにはじいてください。手首の使い方は、腕を軸に手首から先を小さく回転させるような動きです。ピックの先端の2ミリぐらいが弦にあたるようにピッキングしましょう。
◇アコースティックギターの場合
6弦より数ミリ上にピックを構える。
手首を使ってピックを降ろし、6弦を上から下へはじく。
(引用:『アコースティックギターの教科書』より)
◇エレキギターの場合
弾くべき弦よりも上に構える。
ピッキング後。手首を支点のようにして、コンパクトに振る。
(引用:『エレキギターの教科書』より)
それでは6弦から1弦までを順番にダウンピッキングで鳴らしてみましょう。
(引用:『アコースティックギターの教科書』より)
■弦を押さえて弾いてみよう
左手で弦を押さえて単音を弾いてみましょう。左手は親指と人差指の間の部分をネックの裏側につけてネックを握るように構えます。手のひら全体はネックにつけずに、小指側をネックから離します。弦を押さえる場所は、音を出すフレットのすぐ左側(ナット側)です。指は寝かせすぎないようにして、できるだけ指先の近くで押さえましょう。
■ドレミの音階を弾いてみよう
「ドレミファソラシド」というスケール(音階)を弾いてみましょう。ギターでは何か所かのポジションで弾くことができますが、ここでは図のようなナット近くで開放弦を含むポジションの音を練習します。
図で示した音を1つずつ順番に鳴らしていきます。弦を移動する際、前の音を消すようにすると音が混ざらずきれいに聞こえます。最初は余計な音を止めるのは難しいと思いますが、意識するだけでも違いが出るので気を付けてみましょう。
(引用:『アコースティックギターの教科書』より)
■Cコードを覚えよう
C(シー)コードは、人差指で2弦、中指で4弦、薬指で5弦を押さえ、それ以外は開放弦を弾きます。左手は単音のときと同じように構え、他の弦に触れないように指を立てて弦を押さえてください。人差指は深く曲げ、中指と薬指はアーチ型にカーブさせて、フレットの近くまで指先を伸ばすようにして押さえましょう。
人差指で2弦、中指で4弦、薬指で5弦を押さえる。
(引用:『アコースティックギターの教科書』より)
■ダウンストロークで弾いてみよう
Cコードを覚えたら、弦を上から下へまとめて弾く「ダウンストローク」で弾いてみましょう。手首の振りに腕の振りを加えるようにして、6弦から1 弦までがほぼ同時に鳴るように弦を弾き降ろします。
ピックを6弦より上に構える。
ピックを下に向けながら腕を振り下ろすようにして、6弦から1 弦までを一気に弾く。
Cコードを押さえた状態で1拍ずつダウンストロークして音を鳴らします。一定のテンポをキープして弾けるように右手の振り幅が一定になるように心がけましょう。
(引用:『アコースティックギターの教科書』より)
どうでしたでしょうか? ひとつひとつがとても大切な基礎になるのでぜひチェックしてみてください。最初はうまくできなかったとしても繰り返しやることで必ず身につけることができます。まずは1曲通して止まらずに演奏できるようになることを目標に頑張りましょう!
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