音楽の世界に足を踏み入れるにあたり、最初のステップは楽譜の読み方を理解することです。楽譜は音楽の言語であり、その記号や表現は演奏者が楽曲を理解し、表現をする手助けをしてくれます。
本シリーズでは、初めて楽譜に触れる方にも、既に演奏経験のある方にもわかりやすいよう、音符やリズム、様々な記号や用語に焦点を当て楽譜の読み方を解説していきます。
第1回は、音の高低を表す「音名」と、音楽を視覚的に表現するために使う「五線譜(ごせんふ)」について説明します。
音名
音楽において、音は音名で表されます。音名は音の高低を示す記号で、イタリア語、英語、日本語、ドイツ語でそれぞれ異なる音名があり、私たちになじみのある「ドレミファソラシド」はイタリア語式です。
最初のドから階段を上がるイメージで音が高くなり、シの次は1オクターブ*高いドとなります。
*オクターブは、特定の音から同じ音名の異なる高さの音までの間隔
鍵盤上の「ドレミ」の位置
言語別の音名
- イタリア語 - ド レ ミ ファ ソ ラ シ
- 英語 - C D E F G A B
- 日本語 - ハ ニ ホ ヘ ト イ ロ
- ドイツ語 - C(ツェー) D(デー) E(エー) F(エフ) G(ゲー) A(アー) H(ハー)
英語式はギターやエレクトーンのコード名で、日本語式は「ハ長調」「ニ短調」などの調号名で目にしますね。ドイツ語式はクラシックでよく使われる音名で、吹奏楽や弦楽器をはじめる方にとっての第一関門となります!
五線譜
五線の名称
平行な5本の線の上に音符や休符を配置した楽譜が「五線譜」です。音符を置く位置や音符・休符の種類によって音の高さや長さを表現することができます。
五線は下から第1線、第2線と呼び、線と線の間も下から第1間、第2間と呼びます。第1線から第5線の順で音は高くなります。
また、五線の中で表すことのできないより高い音、低い音は、五線の上下に「加線」と呼ばれる短い線を追加して記譜します。
ト音記号とヘ音記号
ト音記号とヘ音記号は、五線譜の始まりに書かれた「音部記号(おんぶきごう)」と呼ばれる音楽記号です。五線上の位置と音の高さの関係を表します。
- ト音記号
ト(ソ・G)の音の位置を示す音部記号で、Gの文字を記号化したデザイン。丸い渦の中心の第2線上が「ソ」となります。主に高音域の音を表し、ピアノの右手、ヴァイオリン、クラリネット、サックスなどの楽譜で使用されます。
- ヘ音記号
ヘ(ファ・F)の音の位置を示す音部記号で、Fの文字を記号化したデザイン。2つの点の間の第4線上が「ファ」となります。主に低音域の音を表し、ピアノの左手、ベース、トロンボーン、チェロなどの楽譜で使用されます。
五線上の「ドレミ」の位置
下図のト音記号の始まりのドと、ヘ音記号の始まりのドは、同じ高さの音です。ト音記号の譜例では左のドが最も低く、右のドが最も高い音となり、ヘ音記号の譜例では左のドが最も高く、右のドが最も低い音となります。
五線譜上のドレミ音符の配置を覚えることは、楽譜を読むための第一歩。楽譜には様々なルールがありますが、基本を押さえてしまえば難しくありません。積極的に覚えていくことで演奏がよりスムーズに楽しくなりますので、ぜひ一緒に学んでいきましょう!
次回は「音符と休符」について解説します。
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