【楽譜の読み方#03】拍子記号とテンポ 

音楽の世界に足を踏み入れるにあたり、最初のステップは楽譜の読み方を理解することです。楽譜は音楽の言語であり、その記号や表現は演奏者が楽曲を理解し、表現をする手助けをしてくれます。
本シリーズでは、初めて楽譜に触れる方にも、既に演奏経験のある方にもわかりやすいよう、音符やリズム、様々な記号や用語に焦点を当て楽譜の読み方を解説していきます。

 

拍子と拍子記号

拍子とは西洋音楽において強弱が一定の規則正しい形で繰り返されることをいいます。楽譜上でその拍子を示すものを「拍子記号」といい、主に分数のように2つの数字を上下に並べて表記します。上の数字(分子)は、1小節に何拍入るのか、下の数字(分母)は、1拍子が何分音符であるかを示します。

拍子記号

拍子記号は通常、楽譜の冒頭のト音記号やヘ音記号の隣に記されますが、途中で拍子が変わるときはその変わり目にも記されます。

主な拍子記号

分母が4分音符

  • 4分の4拍子 - 1小節の中に4分音符が4つ分入ることを示します。ポピュラー音楽やクラシック音楽で一般的です。
4分の4拍子


4分の4拍子は、数字(4/4)の代わりに「Common Time(コモンタイム)」と呼ばれるCに似た記号*で表記されることもあります。
*Common Timeの頭文字からとったアルファベット“C”のように思われますが実は異なる記号です。

Common Time
  • 4分の3拍子 - 1小節の中に4分音符が3つ分入ることを示します。ワルツや多くのクラシック音楽に使われます。
4分の3拍子

  • 4分の2拍子 - 1小節の中に4分音符が2つ分入ることを示します。マーチ(行進曲)や軽快な曲で使われることがあります。
4分の2拍子

分母が2分音符

  • 2分の2拍子 - 1小節のなかに2分音符が2つ入ることを示します。in 2(イントゥ)と呼ぶこともあり、サンバやボサノバはほとんど2拍子です。
2分の2拍子

2分の2拍子は、数字(2/2)の代わりに「Cut Time(カットタイム)」または「alla breve(アラブレーベ)」と呼ばれるCに縦線を入れた記号で表記されることもあります。

Cut Time

分母が8分音符

  • 8分の6拍子 - 1小節の中に8分音符が6つ入ることを示します。速いテンポでは2拍子、遅いテンポでは6拍子ととらえます。バラードや民俗音楽などでよく見られます。
8分の6拍子

    テンポ

    拍子のほかにリズムを表すもう一つの要素がテンポです。テンポは、曲を演奏する速さ示すもので、主に楽譜の上部に「♩=60」のような速度記号で表示されます。

    速度記号の例

    • ♩= 60 - 1分間に4分音符が60入る速さ(1秒間に4分音符1音)
    • ♩=120 - 1分間に4分音符が120入る速さ(1秒間に4分音符2音)
    • ♪= 60 - 1分間に8分音符が60入る速さ(1秒間に8分音符1音)

      速度を表す音楽用語(速度標語)

      また、Largo(ラルゴ)、Adagio(アダージョ)、Allegro(アレグロ)、Vivace(ビバーチェ)といった速度標語で速さを表すこともあります。

      速度標語


      速度標語は、速度記号のように具体的なテンポは示さず、速さのイメージを表します。

       

      楽譜には様々な音楽記号がありますので、積極的に覚えていくことで演奏がよりスムーズに、表現がより豊かになります。ぜひ一緒に学んでいきましょう!


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