音楽の世界に足を踏み入れるにあたり、最初のステップは楽譜の読み方を理解することです。楽譜は音楽の言語であり、その記号や表現は演奏者が楽曲を理解し、表現をする手助けをしてくれます。
本シリーズでは、初めて楽譜に触れる方にも、既に演奏経験のある方にもわかりやすいよう、音符やリズム、様々な記号や用語に焦点を当て楽譜の読み方を解説していきます。
第6回は、反復に関する記号「リピート記号」「1番カッコ」「2番カッコ」について説明します。
リピート記号
楽譜の同じ内容をくり返し反復して演奏することを指示する記号。終止線のように細い線と太い線の二重線の内側に、2つの点がついています。
下図のようなリピート記号(2つの点が二重線より右にある場合)は、ここよりうしろにあるリピート記号から、ここまで戻ってくることを意味します。なお、戻る場所が曲の始めのときは省略される場合もあります。
下図のようなリピート記号(2つの点が二重線より左にある場合)は、直前のリピート記号に戻ることを意味します(直前にリピート記号がない場合は曲の始めに戻る)。特別な指定がなければ1回だけ繰り返します。
この基本ルールを踏まえて譜例を見てみましょう!
【例題1】
【ヒント】
Dの後ろにあるリピート記号から→ 直前のリピート記号に戻る!
【答え】
A→B→C→D→C→D
【例題2】
【ヒント】
直前にリピート記号がない場合は曲の始めに戻る!
【答え】
A→B→A→B→C→D
【例題3】
【ヒント】
リピート記号が連続する場合は、細い線は省略されることがある!
【答え】
A→B→A→B→C→D→C→D
3つの譜例の演奏順、頭のなかで連想できましたか?
慣れないうちは、演奏する前にA-B-C-D-C-Dという風に書き出してみるといいでしょう。
1番カッコ、2番カッコ
リピートでくり返して演奏するときに、最後の部分(1~数小節のことが多い)だけ内容が異なる場合に、この記号を使います。
1番カッコ
くり返しの際に、1回目のみ演奏します。リピート記号で一度戻ったあとの2回目は演奏しません。
2番カッコ
くり返しの際に、2回目のみ演奏します。リピート記号で一度戻ったあと、1番カッコを飛ばして2番カッコを演奏します。
この基本ルールを踏まえて譜例を見てみましょう!
【例題4】
【ヒント】
2回目は1.の部分は演奏しません!
【答え】
A→→B→C→A→B→D→E
【例題5】
【ヒント】
例題4の応用編です。 1,2回目は1.2.を演奏し、3回目はその部分を演奏せずに 3.へと進みます。
【答え】
A→B→C→A→B→C→A→B→D→E
基本ルールでは説明していない3番カッコも、予想して連想することができたでしょうか?
このように、「くり返しだけど、最後だけ微妙に変えて次のパートへ移る曲」というのは案外多くあります。たとえば昭和の名曲、小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」もAメロの2回目を微妙に変えて、効果的にBメロへと移っています。次に耳にすることがあれば、注目して聞いてみてください。
慣れるまでは迷うことがあるかもしれませんが、そんな時は一度演奏順を書き出して、スムーズに演奏できるよう工夫してみましょう!
次回は、反復記号の2回目「ダ・カーポ、ダル・セーニョとフィーネ」について解説します。
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