【楽譜の読み方#07】ダ・カーポ、ダル・セーニョとフィーネ

音楽の世界に足を踏み入れるにあたり、最初のステップは楽譜の読み方を理解することです。楽譜は音楽の言語であり、その記号や表現は演奏者が楽曲を理解し、表現をする手助けをしてくれます。
本シリーズでは、初めて楽譜に触れる方にも、既に演奏経験のある方にもわかりやすいよう、音符やリズム、様々な記号や用語に焦点を当て楽譜の読み方を解説していきます。

今回のテーマは、演奏するときに意外と戸惑う「反復記号」のD.C.(ダ・カーポ)とD.S.(ダルセーニョ)そしてFine(フィーネ)。D.C.、D.S.は一文字違うだけですが、戻る場所が全く異なるため注意が必要です。

D.C.(ダ・カーポ)、D.S.(ダルセーニョ)

読みからもわかるとおり、D.C.・D.S.ともに省略して表記されています。

  • D.C. -「da capo」(ダ・カーポ)
  • D.S. -「dal segno」(ダルセーニョ)


「da」「dal」はともに英語のfromのような「~から」という意味でその次の言葉が戻る場所を指し、「capo」は「先頭」、「segno」は「サイン、印」という意味なので、それぞれ以下を示します。

  • D.C. - D.C.まで来たら曲の最初へ戻る
  • D.S. -「印」まで戻る


「印」…?楽譜にはたくさん「記号」がありますが、いったいどれでしょう?

昔は記号を書かずにそのままずばり「segno」と表記していましたが、近年では頭文字の「S」を図案化した「セーニョ」(読みは当然セーニョ)と標記するのが一般的です。

従って、D.S.まで来たら「セーニョ」まで戻りましょう。

Fine(フィーネ)

演奏終了を示すFine、読み方は"ファイン"ではなく"フィーネ"です。
D.C.やD.S.で曲のはじめや途中に戻ったあと、「Fine」と表記されているところで演奏が終了となります。複縦線のうえにフェルマータ(フェルマータ)がついている場合は省略されることもあります。

「Fine」はイタリア語でendの意味。イタリア映画のラストにfineと出てくるのはそのためです。

楽譜の読み方チェック

それでは、実際に譜面で小節の流れを確認してみましょう!

【例題1】D.C.


【答え1】
小節の最後に「D.C.」があるので譜面の最初に戻り、終わりの意味の「Fine」で終わります。

★譜面の流れ:「A→B→C→D→E→A→B→C」


【例題2】D.S.


【答え2】
小節の最後に「D.S.」があるので「印」の「segno」まで戻り、終わりの意味の「Fine」で終わります。

★譜面の流れ:「A→B→C→D→E→B→C」


楽譜の読み方を基礎から学習したい方に

楽譜の読み方を体系的に学習したい方に

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