音楽の世界に足を踏み入れるにあたり、最初のステップは楽譜の読み方を理解することです。楽譜は音楽の言語であり、その記号や表現は演奏者が楽曲を理解し、表現をする手助けをしてくれます。
本シリーズでは、初めて楽譜に触れる方にも、既に演奏経験のある方にもわかりやすいよう、音符やリズム、様々な記号や用語に焦点を当て楽譜の読み方を解説していきます。
今回のテーマは、演奏するときに意外と戸惑う「反復記号」のD.C.(ダ・カーポ)とD.S.(ダルセーニョ)そしてFine(フィーネ)。D.C.、D.S.は一文字違うだけですが、戻る場所が全く異なるため注意が必要です。
D.C.(ダ・カーポ)、D.S.(ダルセーニョ)
読みからもわかるとおり、D.C.・D.S.ともに省略して表記されています。
- D.C. -「da capo」(ダ・カーポ)
- D.S. -「dal segno」(ダルセーニョ)
「da」「dal」はともに英語のfromのような「~から」という意味でその次の言葉が戻る場所を指し、「capo」は「先頭」、「segno」は「サイン、印」という意味なので、それぞれ以下を示します。
- D.C. - D.C.まで来たら曲の最初へ戻る
- D.S. -「印」まで戻る
「印」…?楽譜にはたくさん「記号」がありますが、いったいどれでしょう?
昔は記号を書かずにそのままずばり「segno」と表記していましたが、近年では頭文字の「S」を図案化した「」(読みは当然セーニョ)と標記するのが一般的です。
従って、D.S.まで来たら「」まで戻りましょう。
Fine(フィーネ)
演奏終了を示すFine、読み方は"ファイン"ではなく"フィーネ"です。
D.C.やD.S.で曲のはじめや途中に戻ったあと、「Fine」と表記されているところで演奏が終了となります。複縦線のうえにフェルマータ()がついている場合は省略されることもあります。
「Fine」はイタリア語でendの意味。イタリア映画のラストにfineと出てくるのはそのためです。
楽譜の読み方チェック
それでは、実際に譜面で小節の流れを確認してみましょう!
【例題1】D.C.
【答え1】
小節の最後に「D.C.」があるので譜面の最初に戻り、終わりの意味の「Fine」で終わります。
★譜面の流れ:「A→B→C→D→E→A→B→C」
【答え2】
小節の最後に「D.S.」があるので「印」の「」まで戻り、終わりの意味の「Fine」で終わります。
★譜面の流れ:「A→B→C→D→E→B→C」
楽譜には様々な音楽記号がありますので、積極的に覚えていくことで演奏がよりスムーズになります。ぜひ一緒に学んでいきましょう!
次回は、反復記号の3回目「コーダ、トゥ・コーダ」を解説します。
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