音楽の世界に足を踏み入れるにあたり、最初のステップは楽譜の読み方を理解することです。楽譜は音楽の言語であり、その記号や表現は演奏者が楽曲を理解し、表現をする手助けをしてくれます。
本シリーズでは、初めて楽譜に触れる方にも、既に演奏経験のある方にもわかりやすいよう、音符やリズム、様々な記号や用語に焦点を当て楽譜の読み方を解説していきます。
今回は反復記号の3回目、Coda(コーダ)とTo Coda(トゥ・コーダ)について説明します。
Coda(コーダ)、To Coda(トゥ・コーダ)
Coda(コーダ)
Codaは、イタリア語で「尾」を意味し楽曲のエンディング部分を指します。曲の締めくくりとして通常の形式から少し離れた特別なセクションで、劇的なクライマックスや落ち着いた終わり方など、メインテーマや展開部とは異なる旋律や和声が使用されることが多いです。
楽譜上での記号は、縦長の楕円に十字を重ねたマーク「」です。
To Coda(トゥ・コーダ)
To Codaは「コーダに行く」という指示で、通常はD.C.(ダ・カーポ)やD.S.(ダル・セーニョ)と併用されます。D.C.やD.S.で指定された場所に戻った後、「To Coda」の指示がある場合は「Coda」へジャンプし、曲の終わりまでを演奏します。楽曲の特定の部分を飛ばしてエンディングへ進むことで、音楽の流れを意図的に変えることができます。
【前回の復習】
- D.C.(ダ・カーポ) :曲の最初へ戻る
- D.S.(ダル・セーニョ):セーニョの印(
)まで戻る
まとめ(演奏の流れ)
- D.C.やD.S.で指定された場所に戻る
- To Codaまで演奏したら、それ以降をスキップしCodaへ進む
- Codaから曲の終わりまで演奏する
楽譜の読み方チェック
それでは、実際に譜面で小節の流れを確認してみましょう!
【例題】Coda、To Coda

【答え】
小節の最後に「D.S.」があるのでセーニョ()まで一度戻り、To Codaの位置から離れたセクションのCodaへ。
★譜面の流れ:「A→B→C→D→E→B→C→F→G」
コーダとトゥ・コーダは、楽曲のエンディングを華やかに、または独特に演出するための重要な役割となります。バンドスコアなどは、よくこの記号が出てきますのでぜひ覚えてくださいね。
次回は、「強弱記号」を解説します。
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