ＲＦ－００４ 斉藤恒芳リコーダー作品集　４つのタブロー／７つのタブロー

作曲者・斉藤恒芳さんについて■
　斉藤恒芳さんはアニメをはじめとするテレビ音楽・ミュージカル・劇音楽など幅広いジャンルでご活躍の、すぐれた作曲家です。1999年には宝塚歌劇の作品『激情』により30歳代前半の若さで文化庁芸術祭優秀賞を受賞されました。

　それとともに氏は吉澤実先生の指導されるアンサンブルに所属するリコーダー愛好家でもあり、仲間とともに演奏することをひとつの目的として、多数のすぐれたリコーダー作品を手がけてこられました。

■４つのタブロー■
　「タブロー」はフランス語で、「絵、光景、場面、（劇の）場」などの意味。

　「１　アルマンド　王妃の庭園」「２　メヌエット　矢車菊の乙女の肖像」「シャコンヌ　馬上のブルゴーニュ公」「ジーク　秋の猟犬」という４曲から成る組曲です。中世フランスに題材を求め、古風なゆかしい雰囲気を持ちながら、洗練された響きとゆたかな旋律性を盛り込んだ、独創的なすばらしい作品です。

　すでに、コピーがアンサンブルグループからグループへと伝わって広まり、コンサートでもコンクールでもよく演奏される演目になっています。
　
　リコーダーJPディレクター　石田誠司
　
■７つのタブロー■
　前作「４つのタブロー」と同様、中世フランスに題材を求めた組曲です。

　「１　薬草摘み」「２　槍試合」「」３　地下聖堂」「４　美貌王の肖像」「５　驢馬の祭り」「６　ディアーヌとカトリーヌ」「７　火蜥蜴（サラマンドラ）」から成る、規模の大きな組曲です。「４タブ」の美点を受け継ぎつつ、より運動性に富んだ鋭角的な表現や辛口の語り口も取り入れられており、「４タブ」の世界からかなり大きく飛躍した、陰影の濃い作品になっているといえるでしょう。そのぶん、より高い演奏技術を要する作品にもなっています。

　リコーダーJPディレクター　石田誠司