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SR-112 ヴァレンタイン ソナタ集 第6巻
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★冊子・・・A4サイズ(スコア20ページ、別冊リコーダーパート譜8ページ、別冊バスパート譜8ページ) ★CD・・・2枚 収録内容=各種伴奏、リコーダー演奏例 ※チェンバロ伴奏演奏はすべて石田誠司(デジタルサンプリング音源使用) ★有償サポート・・・バロックピッチ伴奏CD (2枚組 1200円+税) ※製品に申し込み用紙が付属しています。 ソナタ ト短調 作品2-4 ★解題★ 「英国人ヴァレンタイン作 独奏フラウト(アルトリコーダー)とチェンバロまたはヴィオローネによる通奏低音のためのソナタ 作品2」(Sonate di flauto a solo col basso per il cimbalo o violone /Roberto Valentine Inglese opera seconda) は、12曲から成り、1708年ごろにローマで出版されました。 さすがに「音楽の本場・イタリア」でリコーダー奏者として活躍したというだけあって、華麗にして才気あふれる作風です。 ★解説★ 4つの楽章から成ります。小粒ながら個性的な4つの楽章から成る佳作です。 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の3拍子です。打ち沈んだ調子の曲で、途中一瞬だけ高い音域に行きますが、ほとんどが中低音域で進みます。終止前のドッペルドミナント和音が鮮烈な印象を残します。 第2楽章はアレグロ(快活に)、8分の3拍子で、提示に対する応答が同一調で行なわれる点がやや変わっていますが、ヴァレンタインには比較的珍しい、フーガふうの音楽になっています。キビキビと活発に進みます。 第3楽章は4分の4拍子で、再びアダージョです。ここでも第1楽章同様、全体に音域が低くて、楽章を通じて「高いシ♭」が最高音というのはかなり珍しいことです。第1楽章に比べると歩みの進んでいく感じの音楽になっています。 第4楽章は2分の2拍子で、再びアレグロと指定されています。四分音符が広い音域を飛び回るような特徴的なテーマを扱い、小気味よく音楽を進めてクライマックスを築きますが、その後はまた打ち沈んでいって全曲を締めくくり、しっかりした統一感のあるソナタになりました。 ソナタ ニ短調 作品2-5 ★解題★ 「英国人ヴァレンタイン作 独奏フラウト(アルトリコーダー)とチェンバロまたはヴィオローネによる通奏低音のためのソナタ 作品2」(Sonate di flauto a solo col basso per il cimbalo o violone /Roberto Valentine Inglese opera seconda) は、12曲から成り、1708年ごろにローマで出版されました。 さすがに「音楽の本場・イタリア」でリコーダー奏者として活躍したというだけあって、華麗にして才気あふれる作風です。 ★解説★ 3つの楽章から成り、急・緩・急の構成です。密度高く書かれた佳品です。 第1楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、4分の4拍子です。付点リズムを基調としていますが、後半になると三連リズムも出てきます。はたして付点リズムも三連ノリで演奏するのがよいのかどうかが問題ですが、弊社版に付属する音源では付点リズムと三連リズムを区別する方向で演奏しました。 第2楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の3拍子。イ短調に転じています。親しみやすい旋律で語っていきますが、開始後すぐに1度終止して「フェルマータ」により間をとるようになっているのは、ヴァレンタインが好んだ行きかたです。ここで何か即興で句を挟めというのかも知れません。 第3楽章はアレグロ(快活に)と指定されたジーグで、8分の6拍子です。シチリアーノのような付点リズムで音楽を進めていきます。イタリアのジークですから、かなり速く演奏したものなのかも知れませんが、少し落ち着いたテンポで演奏しても十分に面白い曲だと思います。 ソナタ ハ長調 作品2-6 ★解題★ 「英国人ヴァレンタイン作 独奏フラウト(アルトリコーダー)とチェンバロまたはヴィオローネによる通奏低音のためのソナタ 作品2」(Sonate di flauto a solo col basso per il cimbalo o violone /Roberto Valentine Inglese opera seconda) は、12曲から成り、1708年ごろにローマで出版されました。 さすがに「音楽の本場・イタリア」でリコーダー奏者として活躍したというだけあって、華麗にして才気あふれる作風です。 ★解説★ 4つの短い楽章から成る、爽快な魅力に満ちた佳品です。 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の3拍子の、シットリしたおだやかな音楽です。何箇所かに現れる装飾的な下降音階はヴァレンタインがたいへん好んだものです。緩徐な楽章に装飾を音符として書き込んだのはヴァレンタインに特有のスタイルで、後年になるほど細かな書法が目立つようになります。 第2楽章はアレグロ(快活に)と指定された4分の4拍子の颯爽とした楽章です。まずリコーダーが無伴奏で主題を提示し、低音が同じ調で模倣する形で始まりますが、フーガというわけではなさそうです。主題が少しずつ変形され(また短縮された形で)何度も回想される間に、いろいろな副主題(あるいはむしろ経過部のような音楽)が挟まれる形で進みますので、むしろロンドのような印象を与えます。 第3楽章は再びアダージョで、イ短調で書かれています。サラバンドのリズムを持つ旋律で始まり、印象的な半音階的下降進行をさかんに用いながら語り進めます。フリギア終止で第4楽章に続きます。 第4楽章は再びアレグロと指定され、4分の3拍子です。爽やかに音階で下ってきた後、トリルを多用したモチーフでせり上がっていく、特徴的な主題を扱います。メヌエットなのかな?という感じですが、晴れ渡った青空を仰ぎ見るような趣が気持ち良く、すぐれた終曲になっています。 R. ヴァレンタイン ~~本場イタリアで成功した英国人~~ ロバート・ヴァレンタイン(1671年ごろ~1747年)は、イギリス人なのに音楽先進国イタリアで成功しためずらしい音楽家です。当時のイギリスは「お金はあるが音楽家は不足」だったため、主にイタリアから音楽家を招いて不足を補っていたのですから、これは快挙だったことでしょう。 イギリスのちょうど真ん中あたりにあるライセスターという町に生まれました。彼の一家はオルガニストを多く輩出し、19世紀に至るまでこのあたりの音楽シーンに大きな役割を果たしたそうです。ヴァレンタインの修行時代のことはよくわかっていませんが、とにかく18世紀になるかならないかのころに、二十歳そこそこのヴァレンタインはトーマス・サムウェル卿の支援を得てイタリアに赴き、ローマを中心に、リコーダー奏者・オーボエ奏者として30年ほども活躍しました。それとともに、主としてリコーダーのための作品集もローマやアムステルダムでたくさん出版し、それらの作品集は彼が帰国する1731年までにはロンドンでも全て出版されていたという人気ぶりでした。また当時の愛好家が手書きで筆写した楽譜集で、ナポリの作曲家の作品ばかりを集めてある中にヴァレンタインのコンチェルトを1曲収めてあった例があり、このことから、ヴァレンタインはナポリでも何らかの活動を行ったことがあるのではないかと考えられています。 このようにイタリアで活躍したヴァレンタインは、イタリアに傾倒するあまりかイタリアふうに「ロベルト・ヴァレンティーニ」と名乗っていました。しかし、イギリス人としての誇りも失っていなかったようで、彼がローマなどで出版した楽譜では名前の後に Inglese(英国人)と付記してありました。 ヴァレンタインは1747年にローマで亡くなったとみられています。 ※ 以前、生没年や死去した土地を「1680年ごろ~1735年ごろ英国で」としていましたが、新しい研究成果に基づいて訂正しました。 (2016年8月6日)
収載曲
[1] ヴァレンタイン ソナタ ト短調 作品2-4 作曲: ヴァレンタイン [2] ヴァレンタイン ソナタ ニ短調 作品2-5 作曲: ヴァレンタイン [3] ヴァレンタイン ソナタ ハ長調 作品2-6 作曲: ヴァレンタイン
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商品詳細
発売日
2020/1/1
JAN
4571325248782
ISBN
9784862667106
楽器
リコーダー
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