リコーダーJP

RP ペジブル アルトリコーダーソナタ 第4番 ニ短調

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RP ペジブル アルトリコーダーソナタ 第4番 ニ短調

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★冊子
 ・スコア冊子(曲目解説、アルトリコーダー運指表つき) 16ページ
 ・別冊リコーダーパート譜 4ページ

 ★付属CD 内容
  (1)各楽章の伴奏
  (2)伴奏にリコーダー演奏を合わせた演奏例
  (3)各楽章につき(1)と異なるテンポによる伴奏をいくつか収録
  (4)「バロックピッチ(A=415Hz)」による伴奏
   ※チェンバロ伴奏演奏はすべて石田誠司(デジタルサンプリング音源使用)


 ★収録曲の難易度(指回り難度)
  第1楽章 B2
  第2楽章 C1
  第3楽章 B2
  第4楽章 C1
  第5楽章 B3
  第6楽章 C3
  
★解題★

 フランス国立図書館(BnF)に、「ペジブル氏のソロ」と題された写本があり、そこにJ.ペジブルの通奏低音つきソナタ16曲(ほかに無伴奏二重奏曲など)が収められています。他にもペジブルのソナタの手書き譜はいくつかみつかっていますが、今のところBnFの写本の所収曲と重複する曲ばかりのようです。そこで、BnF写本で付されている通し番号を「ペジブルのソナタの番号」として用いることにしました。

 本作の場合、私どもが制作までに入手できた3つの写本のうち、「Babel写本」のみが6楽章から成っており、フランス国立図書館(BnF)の写本と「デトロイト写本」は5楽章から成っています。(第5楽章のアルマンドが欠落)。また、この2写本は、Babel写本とは楽章の順序も一部異なっています(第3楽章と第4楽章が逆)。

 必ずしもBabel写本の信頼度が最も高いと考えるわけではありませんが、せっかく出版するのに楽章1つを捨てるのは忍びませんので、Babel写本からアルマンドを採用し、それにともなって、全体の楽章順と発想記号はBabel写本にならいました。


★解説★

 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、2分の2拍子です。よく歌う美しい旋律で、気持ちの高まりもあり、そのあとみせる打ち沈んだ表情も魅力的で、すばらしい楽章になっています。最後の全音符「レ」の音が、デトロイト写本以外では第2楽章の最初の音にタイで結ばれており、そのように、止まることなく続けて演奏する方が本来なのでしょう。

 第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の3拍子の、かろやかに踊るような音楽です。前半と後半のそれぞれを繰り返す指定で、前半はニ短調からイ短調に転じてしめくくっています。後半はまたニ短調から始まりますが、たった20小節ほどの間に、ト短調・ハ長調・ヘ長調を経てニ短調に戻るあたり、強引な感じはないものの、ペジブルらしいと言えるでしょう。

 第3楽章は再びアダージョで、4分の4拍子です。これまたペジブルらしい、歌いながら次々とすべるようにいろいろな調を渡り歩く音楽で、ニ短調からヘ長調、イ短調、ニ短調、ハ長調、ヘ長調、ハ短調、そしておそらく変ロ長調を一瞬通ってからニ短調に戻って半終止しているとみてよいのでしょう。

 第4楽章は再びアレグロで、2分の2拍子です。音階的な動を中心とするニ短調のテーマを示し、これを素材として軽妙に音楽を進めます。

 第5楽章はアルマンドと題され、4分の4拍子です。前半・後半とも繰り返される2分形式で、比較的シンプルな内容ですが、魅惑的な小品です。

 第6楽章は、3たびアレグロで、8分の12拍子です(ただしBabel写本では音価を倍にし、小節数も倍にした4分の6拍子で記譜されています)。ジークのような感じもしますが、どうなのでしょう。音楽が進むにつれてしだいに細かな音符の動きが増え、最後ははやかな(おそらく、ある程度自由に奏される)カデンツァのようなパッセージを披露して終わります。
 
J. ペジブル

~~英国でリコーダー流行の端緒を切り拓く~~

★ヘンリー・パーセルの同時代人★

 ジャック・ペジブル (1656ごろ~1721)はフランス生まれの音楽家です。1673年、まだ若いペジブルはロンドンに渡り、オーボエ・バス・ヴァイオリン・リコーダーなどの演奏や作曲で活躍しました。ちょうどヘンリー・パーセルと近い年齢で、どちらもロンドンで若いときから活躍していますから、きっと知らない仲ではなかったことでしょう。


★ペジブルのリコーダー作品★

 リコーダーのヴィルトゥオーゾ(名人)として名高く、現在残っている作品はリコーダー用の作品が中心です。中でも重要なのはフランス国立図書館に伝わる「ペジブル氏のソロ」と題された写本で、通奏低音つき独奏ソナタを中心に、無伴奏二重奏曲をふくめ19曲が収めされています。他にもいくつか写本がありますが、いずれもフランス国立図書館の写本の曲と重複していますので、弊社ではフランス国立図書館の写本の番号を用いることにしました。

 彼のリコーダーソナタは演奏がやや難しいものが多く、ことに速い楽章を満足なテンポで演奏するのはなかなか大変です。また、調性が不安定で頻繁にするりするりと予想外の調に移っていくことが多いのです。そのためもあってか臨時記号音などについて写本間に異同箇所も多く、また奇妙な(たぶん写し誤りと思われる)箇所も少なくないので、弊社版は各写本を参照したうえで独自の判断を下した校訂譜になっています。しかし、作品の魅力はたいしたもので、イギリスにおけるリコーダー音楽隆盛の端緒をひらいた人の一人であったことは間違いないと思われます。   

収載曲

[1] アルトリコーダーソナタ 第4番 ニ短調
  作曲: ペジブル

商品詳細

発売日 2020/6/1
ページ数 20
JAN 4571325248799
ISBN 9784862667717
楽器 リコーダー