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SR-141 ヴァレンタイン アルトリコーダーデュオソナタ 第2巻
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ソナタ 田舎での休暇 第4番 ニ短調
★解題★
「田舎での休暇」(Villeggiatura)と題されたこの無伴奏デュオソナタ集は、パルマのパラティン伯図書館 (Biblioteca Palatina)に伝えられた手書きの楽譜集に収められていたものです。他には6曲ずつ2セットで合計12曲の通奏低音伴奏ソナタが一緒に綴じられていました。
ヴァレンタインの無伴奏デュオは、愛好家の多かったイギリスやフランスでは出版されていましたが、イタリアではあまり出版された形跡がありません。以下、本作を初めて印刷譜として出版したUT ORPHEUS版に掲げられたNicoka Sansone氏の序文によると、この二重奏曲集も、ルッカの貴族で音楽愛好家だったParensiが、おそらく練習用の曲として作曲者から個人的に提供を受けたものではないかといいます。そして、作曲年代は、ナポリ6度和音の頻繁な使用や、快速楽章の最初や最後のところにユニゾンをよく用いていること、終曲としてメヌエットを好んで置いていること、Amoroso やAndanteなどの発想記号を好んで用いていることなどから、作曲者晩年の1730年ごろだろうと推定されています。
その推定が当たっているかどうかはともかく、掛け値なしに充実した作品が揃っており、音楽的興趣の尽きないすばらしい二重奏曲集となっています。
★解説★
第4番のソナタは緩急緩急のあとメヌエットという構成です。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、2分の3拍子です。ゆったりと始まり、やがていくらか少し動きの細かな音楽になると、間もなく半終止し、すぐに第2楽章に進みます。最初、1小節目の1拍目が欠けて始まる拍節感が、ややユニーク。
第2楽章はアレグロ(快活に)、8分の3拍子です。2本のリコーダーが声をそろえて上行音階を用いたテーマを奏して始まります。スピーディーな進行のなかに、下行の反復進行(ゼクエンツ)のような箇所があちこちに出てきますが、形の少し崩れたものも多くなっています。
第3楽章は再びアダージョで、変ロ長調を基調とする4分の3拍子の楽章です。3度でハモる美しい動きで始まり、何度か転調がありますが、ずっと長調の明るい響きです。最後は半終止で終わったのでしょう(いきなりヘ長調に入って終わったと見ることもできるかも知れませんが。)
第4楽章は再びアレグロで、4分の2拍子です。二拍遅れで第二リコーダーが追いかける形で示されるかろやかなモチーフ(特に音階的に下る4つほどの八分音符の音型)が大きな役割りを果たし、まとまりのよい楽章になりました。この楽章と最後の楽章では、収束に近い部分でよく似た「ナポリの6」の使われ方をしていて、耳に立ちます。
第5楽章は8分の3拍子の短いメヌエットです。広い音域を使ったテーマを扱って簡潔にまとめれています。
ソナタ 田舎での休暇 第5番 変ロ長調
★解題★
「田舎での休暇」(Villeggiatura)と題されたこの無伴奏デュオソナタ集は、パルマのパラティン伯図書館 (Biblioteca Palatina)に伝えられた手書きの楽譜集に収められていたものです。他には6曲ずつ2セットで合計12曲の通奏低音伴奏ソナタが一緒に綴じられていました。
ヴァレンタインの無伴奏デュオは、愛好家の多かったイギリスやフランスでは出版されていましたが、イタリアではあまり出版された形跡がありません。以下、本作を初めて印刷譜として出版したUT ORPHEUS版に掲げられたNicoka Sansone氏の序文によると、この二重奏曲集も、ルッカの貴族で音楽愛好家だったParensiが、おそらく練習用の曲として作曲者から個人的に提供を受けたものではないかといいます。そして、作曲年代は、ナポリ6度和音の頻繁な使用や、快速楽章の最初や最後のところにユニゾンをよく用いていること、終曲としてメヌエットを好んで置いていること、Amoroso やAndanteなどの発想記号を好んで用いていることなどから、作曲者晩年の1730年ごろだろうと推定されています。
その推定が当たっているかどうかはともかく、掛け値なしに充実した作品が揃っており、音楽的興趣の尽きないすばらしい二重奏曲集となっています。
★解説★
第5番のソナタは、急・緩・急・急と言えばいいでしょうか、古典派以後の4楽章構成作品で一般的となった構成に近いつくりの作品です。ちょっとフランスものを思わせるような、トリルの細かな指定も特徴のひとつかも知れません。
第1楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子で、下降分散和音を用いた輝かしい(しかしいくぶん珍しい趣向の)テーマをユニゾンで奏して始まります。常のごとく、2本がかけあいになったり、和声的に動いたり(いわゆる「ハモる」)、体位的に面白く組み合わされたりして進みますが、ところどころでまたユニゾンになるのが何とも気持ちがいいのです。
第2楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の3拍子で、ト短調を基調としています。ほぼ声をそろえての(つまり同一リズムによる)和声的な進行を中心として進むように書かれていて、その点ではいくぶんシンプルです。最後は、さらにテンポを落とすよう指定があり、半終止で第3楽章にすぐに続きます。
3楽章は8分の6拍子の長大なジーグで、再びアレグロです。ヴァレンタインの初期作品にはあまり見られなかった、「ソナタ形式」的な構成(前半が属調で終わり、後半に展開のあと再現あがり・・・という)の楽章になっています。質量ともに圧巻。
第4楽章は、ガボットで、8分の2拍子というかなり珍しい拍子で書かれています。均分リズムと付点リズムが交錯する面白さがあり、また、頻繁にエコーの効果(でしょう多分)を用いているのも特徴でしょう。軽妙な終曲となりました。
ソナタ 田舎での休暇 第6番 イ短調
★解題★
「田舎での休暇」(Villeggiatura)と題されたこの無伴奏デュオソナタ集は、パルマのパラティン伯図書館 (Biblioteca Palatina)に伝えられた手書きの楽譜集に収められていたものです。他には6曲ずつ2セットで合計12曲の通奏低音伴奏ソナタが一緒に綴じられていました。
ヴァレンタインの無伴奏デュオは、愛好家の多かったイギリスやフランスでは出版されていましたが、イタリアではあまり出版された形跡がありません。以下、本作を初めて印刷譜として出版したUT ORPHEUS版に掲げられたNicoka Sansone氏の序文によると、この二重奏曲集も、ルッカの貴族で音楽愛好家だったParensiが、おそらく練習用の曲として作曲者から個人的に提供を受けたものではないかといいます。そして、作曲年代は、ナポリ6度和音の頻繁な使用や、快速楽章の最初や最後のところにユニゾンをよく用いていること、終曲としてメヌエットを好んで置いていること、Amoroso やAndanteなどの発想記号を好んで用いていることなどから、作曲者晩年の1730年ごろだろうと推定されています。
その推定が当たっているかどうかはともかく、掛け値なしに充実した作品が揃っており、音楽的興趣の尽きないすばらしい二重奏曲集となっています。
★解説★
最後を飾る第6番のソナタは5つの楽章から成っています。この曲集では、5楽章構成のばあいはこの曲もふくめ遅い前奏曲ふうの楽章から始まっています。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。すこし重苦しいテンポで演奏すればフランスふうの序曲のようになるかも知れません。やや荘重な感じのユニゾンのフレーズで始まり、途中もだいたい同じリズムで声をそろえて進みます。最後はまたユニゾンになります。
第2楽章はアレグロ(快活に)、2分の2拍子です。第1楽章の主題から派生したような主題をユニゾンで奏して始まりますが、今度はかけあいになったり対旋律が歌われたりして軽快なスピード感で音楽が進みます。最後の最後はまたユニゾンになります。
第3楽章は再びアダージョで、4分の3拍子です。今度は第1リコーダーが先導して第2リコーダーがそれを模倣するようなフレーズの始まり方を基本にしてつくられています。
第4楽章は8分の6拍子のジークで、アレグロと指定されています。第1リコーダーを1小節遅れで第2リコーダーが模倣する開始から、かけあいになったりカノンふうになったり、2本のリコーダーが自在に絡みあいながら進む、楽しさあふれる内容です。
第5楽章は8分の3拍子のメヌエットで、これもアレグロです。低い音域の「ラ」から分散和音で1オクターブ上のラまで駆け上がって歌う開始には不思議な快感があります。続く音楽も力強く、珠玉の小品となりました。
収載曲
[1] ヴァレンタイン ソナタ 田舎での休暇 第4番 ニ短調
[2] ヴァレンタイン ソナタ 田舎での休暇 第5番 変ロ長調
[3] ヴァレンタイン ソナタ 田舎での休暇 第6番 イ短調
商品詳細
発売日 |
2022/4/1 |
サイズ |
A4 |
JAN |
4571325251102 |
ISBN |
9784862669872 |
楽器 |
リコーダー |
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