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SR-174 ペジブル ソナタ集 第3巻

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SR-174 ペジブル ソナタ集 第3巻

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ソナタ 第7番 ホ短調

★解題★

 フランス国立図書館(BnF)に、「ペジブル氏のソロ」と題された写本があり、そこにJ.ペジブルの通奏低音つきソナタ16曲(ほかに無伴奏二重奏曲など)が収められています。他にもペジブルのソナタの手書き譜はいくつかみつかっていますが、今のところBnFの写本の所収曲と重複する曲ばかりのようです。そこで、BnF写本で付されている通し番号を「ペジブルのソナタの番号」として用いることにしました。


 本作は、いわゆる「BnF写本」と「デトロイト写本」の2つの写本に伝わっていますが、2写本間にそれほど大きな違いはありません。ただ、BnF写本には発想表示がまったくありませんので、各楽章の発想表示はデトロイト写本によっています。

 第3楽章と第4楽章は続けて演奏する(あるいは「してもよい」)ようになっており、第3楽章の最後の小節後半の通奏低音パートに、ブリッジ役をする2つの音が置かれています。しかし、デトロイト写本では第3楽章の最後でいったん演奏を終えることも想定されている様子で、その場合にも対応できるような楽譜になっています。

 なお原典がどうなっているかをメモした校訂用のメモがありますので、ご覧になりたいかたはどうぞ。(ただ、書き誤り等はあるかも知れません m(__)m)


★解説★

 第1楽章はグラーヴェ(重々しく)、4分の4拍子です。打ち沈んだ感じで始まりますが、かなりの起伏があり、やがて重層的にクライマックスがつくられていきます。気品があって味わい深い、みごとな楽章です。

 第2楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、4分の3拍子です。決然とした感じで始まり、力強く音楽が進んでいきます。かなり速いテンポで演奏するのも良さそうで、テンポの選択には幅広い可能性が感じられます。

 第3楽章はプレスト(速く)、2分の2拍子。調子のよい主題で始まり、いくらかは16分音符もまじるものの、おおむね八分音符までの刻みで進んでいきます。フレーズの長さが不規則で、思いがけない転調もある手の込んだ音楽が展開するうち、やがて嵐のように連続する十六分音符。最後にテーマを回想して収束します。

 第4楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。第1楽章と同様に打ち沈んだ様子で始まり、間もなく何とも不思議な感じのする和声進行に乗って半音階的に下っていきます。夢のなかで奈落へゆっくりと沈んでいくかのような音楽。最後は希望を探すかのように上を向き、第5楽章を呼びます。

 第5楽章はアレグロ(快活に)、4分の6拍子です。通奏低音が短い前奏といった体でテーマを示し、リコーダーがそれを模倣する形で始まります。力強い進行のなかで、ところどころに閃光のように八分音符の速いパッセージがひらめきます。シンコペーションのリズムでスパイスを利かせ、さっそうと終わります。絶品の終曲です。
 
 
 ソナタ 第8番 ハ短調
 
 ★解題★

 フランス国立図書館(BnF)に、「ペジブル氏のソロ」と題された写本があり、そこにJ.ペジブルの通奏低音つきソナタ16曲(ほかに無伴奏二重奏曲など)が収められています。他にもペジブルのソナタの手書き譜はいくつかみつかっていますが、今のところBnFの写本の所収曲と重複する曲ばかりのようです。そこで、BnF写本で付されている通し番号を「ペジブルのソナタの番号」として用いることにしました。

 本作は主要3写本のうちBnF写本だけに伝わっています。5楽章から成り、第1楽章が「フランス風序曲」らしい内容で書かれているのに続き、おそらくサラバンド、ジーグ、メヌエット、ブーレであろうと思われる舞曲ふうの楽曲が置かれています。

 第1楽章は4分の4拍子の楽曲で、発想記号もタイトルもありませんが、全体はフランス風序曲の形式になっているようです。最初に付点リズムを基調とする荘重な音楽、それに続いて快速軽快に奏される部分が置かれている・・・のでしょう。最初の部分で、楽譜上は付点の「点」と16分音符にするための「2本目の旗(?)」がたくさん脱落していますが、8分音符2つのセットはすべて「付点八分+16分」の、重い跳ねリズムで演奏するのだと思います。

 第2楽章はグラーヴェ(荘重に)と指定された4分の3拍子の楽曲で、たぶんサラバンドなのでしょう。後半、一度するりとへ短調に入ってから、すぐにまた踵を返してハ短調に戻ってくるあたりの進め方がいかにもペジブルらしいところ。

 第3楽章は発想表示もタイトルもありません。ジーグふうの音楽で、通奏低音には4分の6拍子が指定されていますが、リコーダーは2分の2拍子の「付点リズム」で書かれています。わざわざこういう書き方をしたということは、ある程度は3連リズムと4連リズムのズレや軋みを味にしようということなのでしょう。

 第4楽章は4分の3拍子で、発想表示もタイトルもありませんが、おそらくメヌエットでしょう。軽妙にして自在な展開。幻想性が豊かなのに、姿かたちもピシリと決まっています。何気にとんでもない名品なのではないでしょうか。

 第5楽章は2分の2拍子で、発想表示もタイトルもありませんが、ブーレらしく思われます。軽い調子の舞曲ですが、哀切な切迫感があって、胸に迫ります。
 
 
 ソナタ 第9番 変ロ長調
 
 ★解題★

 フランス国立図書館(BnF)に、「ペジブル氏のソロ」と題された写本があり、そこにJ.ペジブルの通奏低音つきソナタ16曲(ほかに無伴奏二重奏曲など)が収められています。他にもペジブルのソナタの手書き譜はいくつかみつかっていますが、今のところBnFの写本の所収曲と重複する曲ばかりのようです。そこで、BnF写本で付されている通し番号を「ペジブルのソナタの番号」として用いることにしました。

 本作は主要3写本のうちBnF写本だけに伝わっています。 6つの楽章から成っています。第3楽章にアダージョ、第5楽章にグラーヴェ、第6楽章にプレストとあり、他の楽章には発想表示がありませんが、おそらく緩急緩急緩急と配置されているのだろうと思われます。どの楽章も充実した内容の快作です。

 第1楽章は発想表示がなく、4分の4拍子です。付点音符による跳ねるリズムを基調として、いくつかの調をめぐりながら歌い進めます。おだやかに始まりますが、途中にはいくらか激するような場面もあり、感情の移り行きが面白い佳品です。

 第2楽章は、4分の4拍子の、おそらく快速なテンポの、同音連打で始まる主題を扱うフーガのようなテイストの楽章です。緊迫感のある音楽を力強くくりひろげていきます。

 第3楽章はアダージョ(ゆっくりと)と指定され、4分の3拍子です。ト短調で始まり、半音階的に下降する低音に乗って哀切に歌います。後半はニ短調に転じて、はなやかな装飾を少々披露してニ短調のまま終止しています。可憐な間奏曲のような楽章。

 第4楽章は4分の3拍子で、おそらく快速に奏されるべき楽章です。通奏低音が4小節の前奏を奏して始まります。テーマは1小節間同音を連打しつつ1段ずつ音階を上がっていく仕組みで、途中からは16分音符の動きで飾りますが、結局主音から1オクターブ上の主音までゆっくりと音階を上がっていくという面白い趣向をみせます。

 第5楽章はグラーヴェ(重々しく)と指定された4分の3拍子のロンドで、柔和な表情をたたえた品のいい音楽です。ダカーポの指定にしたがって演奏すると、きれいにA(×2)-B-A-C-A-B-Aの形になります。

 第6楽章はプレスト(速く)と指定され、4分の9拍子です。いったい何拍子の曲の何拍目を聴いているのかわかりにくくなるトリッキーな語り口ですが、それもあいまって、愉快で胸のすくような爽快感のある終曲になっています。

収載曲

[1] J. ペジブル ソナタ 第7番 ホ短調
[2] J. ぺジブル ソナタ 第8番 ハ短調
[3] J. ぺジブル ソナタ 第9番 変ロ長調

商品詳細

発売日 2025/1/1
サイズ A4
ページ数 56
JAN 4571325253724
ISBN 9784867672150
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